2024/08/18 05:00
リニア水位低下 湧水対策工事再検討へ(読売新聞)
リニア中央新幹線のトンネル掘削工事が行われている瑞浪市で、井戸などの水位が低下した問題を巡り、JR東海は、トンネル内の湧き水を減らす「薬液注入」による対策工事について、現在の計画や工法を再検討し、見直す可能性もあることを明らかにした。
工事の参考事例としたトンネルで、路面の隆起・土砂流入が確認されたためで、16、17の両日、同市 大湫(おおくて)地区住民ら約60世帯を対象にした個別説明会を開いたほか、説明資料で経緯を伝えた。県や瑞浪市にもすでに報告した。JR東海は「同じような事態を、リニアのトンネルで絶対に起こすわけにはいかない」と慎重に進める。
大湫地区の地下では「日吉トンネル」( 南垣外みなみがいと 工区、全長約7・4キロ)の新設工事が行われている。この工事現場で今年2月に湧水が発生。付近の共同水源、個人宅の井戸、ため池の水位の低下が確認された。
トンネル内では約50メートルにわたり、毎秒約20リットルの湧き水が天井や壁に染み出している。JR東海は、トンネルの周囲に水を通さない薬液を2段階で注入して湧き水を減らす計画を立て、実施することにした。
1次注入を6月6日までに実施。2次注入は同11日から始めた。現在は、岩盤の大きな亀裂を埋めるため、トンネルの天井や床などの全周をセメント系注入材でドーナツ状に囲む「カバーロック」工事を進め、続けて、湧き水を本格的に減らす「本注入」に移行する計画だった。
JR東海によると、構造的に安定させるため、カバーロックまでは終わらせる予定。今後は専門家や工事の影響を審議する県環境影響評価審査会の地盤委員会、地域住民らとやりとりを重ねながら、工事のやり方について決める方針。
2024年08月17日 12時42分
リニア工事現場近くの水位低下 対策方法に問題ないか検討へ(NHK岐阜)
岐阜県瑞浪市にあるリニア中央新幹線のトンネル工事現場の周辺で井戸などの水位が低下している問題で、JR東海は現在、現場で実施している湧き水を減らすための対策に壁面が崩れるなどのリスクがないか検討することを明らかにしました。
この問題は瑞浪市大湫町で井戸などの水位が低下しているもので、JR東海は近くのリニアのトンネル工事現場で水が湧き出ている影響とみています。
JR東海では湧き水を減らすため、地盤にセメントなどの薬液を注入する対策を進めていますが、同様の対策が実施された鹿児島県のトンネルで、7月、路面が盛り上がったり、壁面の一部が崩れたりする被害が確認されたということです。
この被害と対策との関連ははっきりしていないものの、瑞浪市でも同じような被害が起きる可能性が否定できないとして、JR東海では対策の見直しも含めた検討を行うことを明らかにしました。 JR東海の担当者は「トンネルの崩落という大きなリスクがあるので、慎重に検討を進めたい」と話しています。
一方、現場近くに住む70代の住民は「南海トラフ地震で強い揺れが予想されている地域なので、地震でトンネルが崩れることも心配している。鹿児島で起きた被害の原因をしっかり調べ、こちらのトンネルにも応用してほしい」と話しています。
2024/8/16 22:33
湧水止める薬液注入作業を再検討、井戸の水位低下問題 岐阜のリニア工事現場(産経新聞)
岐阜県瑞浪市のリニア中央新幹線トンネル工事現場付近で井戸の水位が低下した問題で、JR東海は16日、掘削中に発生した湧水を止めるための薬液の注入作業を続けるかどうか再検討することを明らかにした。同様の手法を取り入れていた鹿児島県のトンネルで7月、壁面の一部が崩落するなどしたことを受けた対応で、専門家から意見を聞くとしている。
同社担当者は「(崩落と)薬液の注入との関連が否定できないため」と説明した。
瑞浪市大湫町の現場では、2月に観測用の井戸で水位低下を確認したのを受け、JRが個人の井戸などを調べた結果、15カ所で低下が判明。湧水した区間のトンネル全周を対象とした薬液の注入を5月20日から実施していた。
岐阜県
リニア中央新幹線工事情報 岐阜県内の東海旅客鉄道株式会社(JR東海)によるリニア中央新幹線工事に関する情報を随時お伝えします。
岐阜県市町村と県庁のリニア工事を確認して整理したいと思います。