◇ 2019年8月31日
社会の分断映す芸術祭 あいちトリエンナーレ2019
移民、ジェンダー…共感で排外主義にあらがう(日本経済新聞・会員登録版)
『芸術祭のテーマは「情の時代」。
「情報によってあおられた"感情"に翻弄された人々が世界中で分断を起こしている」との危機感から津田氏が選んだ。「表現の不自由展・その後」の中止は、図らずもその分断の深さを露呈してしまった。・・・他者への共感をもって排外主義にあらがう作品のメッセージは、この一件を契機にかえって強固になったように感じる。10月14日まで。』(日本経済新聞・編集委員 窪田直子氏の記事末尾から引用させていただきました。強調は引用者によります。)
【以下は 2019-08-02 掲載して 8月16日追録までの記事です、サブタイトルは 「リニアの海に溺れる愛知を救う情」でした。】
◇ 2019年8月16日
あいちトリエンナーレ検証委が第1回会議 「表現の自由」議論する公開フォーラム提案(毎日新聞)の報道から(日本経済新聞の登録読者向け記事も参照)・・・
愛知県は2019年8月16日、企画展「表現の不自由展・その後」が中止となった国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」について、今後のあり方を検証する有識者委員会を開いた。
表現の自由を考える公開フォーラムは芸術祭の中で9月中の開催を目指す。県民や作家、有識者らが幅広く参加、芸術祭のあるべき姿を議論するほか、表現の自由を巡る現状などについて情報を共有する。
これを基に有識者委は2019年11月末までに提言をまとめる。
◇ 2019年8月16日 あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」第1回が開催。大村愛知県知事「公開フォーラム」実施に意欲(美術手帖)【Yahoo!ニュースで転載されています】
『委員会のメンバーは、国立国際美術館館長・山梨俊夫(座長)、慶應義塾大学総合政策学部教授・上山信一(副座長)、アグロスパシア株式会社取締役兼編集長・岩渕潤子、国立美術館理事・太下義之、信州大学人文学部教授・金井直、京都大学大学院法学研究科教授・曽我部真裕の6名。大村知事はオブザーバーとして委員会に参加した。』
各委員の発言概要が掲載されています。
愛知県庁サイト―あいちトリエンナーレのあり方検証委員会 第1回会議の開催について 『2019年8月13日 - 会議は、公開で行います。・傍聴の申込みは、当日、午後1時30分から午後1時45分まで会場で受け付けます。・傍聴の希望者が予定定員の30名を超えた場合は、抽選により決定します。』 と検索エンジンのキャッシュに残っていました。
◇
「こっそり開催のトリエンナーレ検証委員会の告知ページが削除」(ネティズンさんの記事がありました)地方行政サイトでは日常茶飯事のようなもんです、いちいちこだわっていたら地方行政ネットなど見る気もしなくなる・・・こうして地方は滅びていくのです。
◇ 2019年8月4日 「表現の不自由展・その後」中止、「中止が中止になる事態」望む声も(井澤宏明・ジャーナリスト/掲載・週刊金曜日オンライン)
井澤宏明さんの連載記事 夢か悪夢かリニアが通る! はいつも拝読していますが、今回は あいちトリエンナーレ事件 についてお書きになりました。
![表現の不自由展・その後 表現の不自由展・その後](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/22/7277477061f470db1059c911c6ef5e52.jpg)
別件でしんぶん赤旗を確認していたら、以下の記事が出ていたのでリンクだけしておきます。
愛知芸術文化センターで開催されていた「表現の不自由展・その後」は 2019年8月3日で終了した(終了させられた)とのことです。
赤旗以外の記事も確認してみたので日時順に追加しておきます。有料記事も多いのでリンクは限定しますが、その紙面から関連記事を確認できるはずです。私のスタンスはこのページを作成した最初に津田大介さんのコンセプトとメッセージを紹介した事につきます。【追記 2019-08-05 23:00】
パラパラと記事を読みながら、このイベントのテーマが「情の時代」と名付けられた意味を知りたいと思いまして、コンセプト のページタイトルに気付いて開きました。行政が書いたような「開催目的」を遥かに超えたコンセプトでした。
人間は、たとえ守りたい伝統や理念が異なっても、合理的な選択ではなくても、困難に直面している他者に対し、とっさに手を差しのべ、連帯することができる生き物である。いま人類が直面している問題の原因は「情」にあるが、それを打ち破ることができるのもまた「情」なのだ。
アートはこの世界に存在するありとあらゆるものを取り上げることができる。数が大きいものが勝つ合理的意思決定の世界からわれわれを解放し、グレーでモザイク様の社会を、シロとクロに単純化する思考を嫌う。
『2015年、内戦が続くシリアから大量に押し寄せる難民申請者を「感情」で拒否する動きが大きくなっていた欧州各国の世論を変えたのは、3歳のシリア難民の少年が溺死した姿を捉えた1枚の写真だった。』 と書かれていた事件を私は知りませんでした。2015年9月は安保法制が成立する状況にあったから私の頭もブログもそれに集中していた・・
◇ 溺死したシリア難民の男児の写真に世界が衝撃(2015年9月4日 WSJ Japan)
◇ シリア3歳児の溺死写真が波紋、世界中が難民問題から目をそむけられなくなった(2015年09月03日 Huffington Post Japan)
・・・ふと思います。リニアに溺れて静岡県叩きに熱中なさる愛知県知事を救えるのは愛知県民皆様の情じゃないかと。リニアの海から救い出してあげてください。【以上 2019-08-03 追録】
あいちトリエンナーレ開催・企画概要 2019年8月1日~10月14日
開催目的
新たな芸術の創造・発信により、世界の文化芸術の発展に貢献します。
現代芸術等の普及・教育により、文化芸術の日常生活への浸透を図ります。
文化芸術活動の活発化により、地域の魅力の向上を図ります。
会場案内から確認して愛知芸術文化センターで 「表現の不自由展・その後」
◇ 2019年8月2日
「表現の不自由展・その後」について津田大介芸術監督が会見を行った際に配布したステートメントです(あいちトリエンナーレ公式サイトの掲載記事)
私がこの記事を確認したのは goo ニュース記事に気付き、読んだことによります・・・芸術祭での『平和の少女像』展示…津田大介芸術監督「展示の変更含めた何らかの対処」を検討(2019/08/02 19:28 東海テレビニュース/gooニュース掲載)
『1日に始まった芸術祭『あいちトリエンナーレ』。慰安婦問題をめぐり日本と韓国の間で論争となっている「少女像」や、昭和天皇をモチーフにしたとみられる作品が展示され、波紋を呼んでいます。この件について、芸術監督を務める津田大介さんが2日午後会見し、企画の変更も含め検討する考えを明らかにしました。』
津田大介さん: 「『表現の不自由展・その後』の企画自体の展示の変更を含めた、何らかの対処を行うことも今考えています。余波があまりにも大きいということは僕も認識しています。分断がこれまで進んでいて、また、その量によってまたひとつ日本の表現の自由が後退したかもしれない。今回のまたこの騒動が、その実証になってしまっているように、今起きていることを芸術監督として、そして一個人、ジャーナリストとしても捉えています」 と、「企画自体の変更も含めて対応を検討している」と話した津田監督ですが、その理由として次のような点を挙げています。 1つが「抗議の電話が多い」こと。中にはテロ予告や脅迫のような電話などもあり、それが一日鳴りやまない状態が続いているといいます。さらに、個々の職員を問い詰めるような人もいて、職員が危険にさらされているといいます。 そして2つ目は社会の分断状況が生まれてしまっていること。以上のことから「変更も含めた検討」を発表したということです。 津田監督は、「様々な意見があることは承知していますし、展示されているものの中で、見た人が不快になるような表現があることは理解している」としたうえで、「実際に展示を見てもらって判断してほしい。冷静に議論がしたい」とも話しています。
津田大介芸術監督のステートメントは末尾に次のように書かれて終っています・・・
『この状態が続き、来場者及び職員の安全が危ぶまれる状況が改善されないようであれば、展示の変更も含め何らかの対処を行うことを考えています。ただし、日本が、自国の現在または過去の負の側面に言及する表現が安全に行えない社会となっていることをそうやって内外に示すことの意味を、よくお考えいただき、自制的に振る舞っていただくことを期待しております。』
いみじくも8月2日から甲府市でも 映画 『新聞記者』 の上映が始まりました。
トリエンナーレ、検索したら案の定ヒット Wikipedia トリエンナーレ、トリエンナーレ形式の展覧会、国内リストがありましたが、あまりの多さにビックリしました。