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既にマスメディア報道が出ていますが、国土交通省 関東地方整備局 甲府河川国道事務所からは、2016年11月22日の午前中に山梨県庁防災新館(甲府市)で開催された会議の報告が同日夕刻作成のPDFファイルにより公表されています。 中部横断自動車道(新清水JCT~増穂IC間)連絡調整会議(第2回)の開催結果について(平成28年11月22日)
(画像は11月22日のUTYテレビ山梨ニュースからキャプチャー)

中部横断道の工期延長
以下は会議録で「4.議事概要」からの抜粋です。(下線、強調は引用者によります)
(事業者より説明)

想定以上に脆い地盤でのトンネル掘削掘削土に含まれる自然由来の重金属の処理等、課題を有する工事箇所が点在しており、開通予定時期の見直しが必要となった。
 ⇒トンネル掘削にあたっては、施工時及び開通後の安全性に配慮し、地盤の崩落防止対策やトンネル構造を強化する追加対策を実施。
 ⇒重金属土の処理については、処分先確保等の状況を踏まえ、安全対策に万全を期した施工を実施。

○これらの課題に対する追加対策等を踏まえて、工程を精査した結果、新たな開通時期の見通しについては、以下のとおり。
 ①新清水JCT~富沢IC、富沢IC~南部IC、下部温泉早川IC~六郷IC は、平成30_2018年度開通の見通し。
 ②南部IC~下部温泉早川IC は、平成31_2019年度開通の見通し。

○ただし、富沢IC~南部IC、南部IC~下部温泉早川IC は、トンネルの進捗が順調な場合。

○また、富沢IC~六郷IC では、これらの課題に対する追加対策等により、全体事業費が約600億円の増額となる見込み。

○引き続き、各自治体の協力を頂きながら、一日も早い開通に向けて事業を推進していきたい。

(意見交換)

○山梨県より、開通時期の延期及び事業費の増額については、難工事に伴う技術的な理由であることから理解する旨のコメント。

○沿線自治体より、当該区間の一日も早い完成に向け努力するよう意見が出されるとともに、引き続き、種々の課題について、関係者と共有しつつ、工事用車両の通行に伴う地元調整など、地元として協力していく旨が表明される。

富沢IC~六郷ICの当初予算は2004億円ですが、建設発生土の処理に伴う増額が190億円、トンネル支保構造・補助工法の変更に伴う増額が350億円、工事用道路の構造見直しに伴う増額が60億円、合計600億円の増額になるということです。
この区間は「新直轄区間」で一般国道と同様に国土交通省地方整備局が整備し、完成後は無料開放されるものです。いわば国道52号の代替という意味があるのだと思います。中部横断道では長野県側の八千穂~佐久小諸が新直轄区間です。
「新直轄区間」は費用の分担比率が国75%、自治体25%とのことですから、600億円の増加は山梨県が150億円の負担増加になるのだと思います。【参照・Wikipedia 新直轄方式

Wikipedia 中部横断自動車道 は全体像が分かり易い情報です。今回の工期延長も間もなく記事に反映されると思います。この記事には関係先もリンクされていて便利です。
私も 中部横断自動車道 を書いていますが最近はリンク切れも放置モードなので、この機会に更新しておこうと思います。

中部横断自動車道の工期延長ニュースを知られた時、おそらく全ての皆さんがリニア中央新幹線南アルプス・トンネルのことをお考えになられたと思います。上記引用した会議録に下線、強調の装飾を付加したのは、その事を私も考えたからです。
そして2000億円の工費が3割アップする、同様な事態はリニア新幹線事業で生じるかも知れません。それも想定した財政投融資決定だと私は考えております。
私のリニア中央新幹線情報サイト、ブログでも今回の件を整理しておこうと思います。

ちなみに会議録末尾の「工事用車両の通行に伴う地元調整」についてはリニア新幹線事業で、山梨県早川町塩島地区発生土置き場への輸送計画の変更 が既に生じていることは山梨県の皆さんはご存じと思います。

こういう事態が今後続発することは当然想定内のはずですから、地元行政・議会の方々が問題をどのように理解し対策・対応なさっておられるか、それは地域の将来を左右する問題なのです、と、キタリモンがおこがましいですが申し上げておきます。


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