ICT工夫
全ての自由を奪えても、自由を求める自由だけは奪えない
  だからネットの使い方も 工夫 したい こうふ のブログ




ネット巡回していたら2016年5月23日の朝日新聞が出した社説を知ったので、紙面の引用画像を転載しておきます。
「リニア提訴 納得えるまで対話を」(残り:854文字/全文:1004文字)、近年は各紙の社説を巡回することも無くなったので久しぶりです。

朝日新聞社説5月23日

リニア新幹線に関する最近のマスメディア記事は「後出し批判」「言いましたアリバイ」記事のようだと思っていますので、「社説も書きました」だけだと私が理解した記録です。
書かれている具体的事例は既によく知られていることです。紙面かネット記事で報じてきたでしょう。 「型通りの手続きを踏んできたのに、懸念の声があがるのはなぜか。」 ここで終ってJR東海や国に投げかけただけで終るから駄目なのです。朝日新聞論説委員が理解していることを分かり易く説き、その「型」の決定過程や「型通りに進めた」「プロセス」の根底に存在する問題点を指摘して、国民はどうすべきかまで説くことが社説の意義です。
私はその「型」と「プロセス」を追いかけ問題点を探りながらWeb記録を続けています。

私は 「中部横断自動車道」 というページを設定して、ネット情報から分かる範囲で記録していますが、最近はリニア新幹線に時間をとられて更新は進んでいません。このブログでは、中部横断道山梨環状道路のカテゴリーで関連記事を時々書いています。
中部横断自動車道 八ヶ岳南麓新ルート沿線住民の会 はこのブログのリンク集に入れて確認はしています。2016年5月21日に 「計画段階評価の再審議を求める要請書を提出」の記事が出て、「関東地方小委員会への再審議要請書」(2016年4月25日提出)のソースも読めましたので、以下に転載しておきます。
(段落、改行の編集はしましたがテキストは原文のままです)

2016年4月25日
国交省社会資本整備審議会道路分科会関東地方小委員会
石田東生委員長及び委員各位
中部横断自動車道八ヶ岳南麓新ルート沿線住民の会
大泉町下井出地区東組高速道路反対対策委員会

中部横断自動車道(長坂~八千穂)の計画段階評価の再審議を求める要請書

 中部横断自動車道(長坂~八千穂)の建設計画に関し、関東地方小委員会は2014年7月23日に開催した会議でワーキンググループの「B案が適当」との取りまとめを了承しました。
それを受け国交省は、計画段階評価は終了したとして2014年12月に環境省に環境影響評価法の「配慮書」に該当する「検討書」を提出し、2015年3月には対応方針を決定して現在に至っています。

 私たちはこの計画段階評価の過程で、アンケートの問題、新ルートが決定される経過、地元説明会での意見集約の結果が反対になっていること、ルート帯案図が改ざんされていることなどその問題点を具体的な資料を提示して明らかにしてきました。
2014年1月14日には石田委員長と直接面談をし、資料を示し指摘しています。
しかしながら私たちの具体的な指摘を考慮することなく、関東地方小委員会が「Bルート案が適当」との取りまとめを了承したことは誠に遺憾で、その第三者機関としての責務を放棄したことに他ならないと言えます。これではまさに国交省の追認機関になっていると指摘されても反論できないことでしょう。

 そのため私たちは、中部横断自動車道(長坂~八千穂)の計画段階評価に重大な瑕疵があり、再度やり直す必要があるとの見解から、2014年11月26日国交省に対し計画段階評価のやり直しを求める要請書を提出しました。

また2015年3月には中部横断自動車道(長坂~八千穂)の計画段階評価の問題点を指摘する関係資料を添え、国交省に対し意見書「計画段階評価の問題点」を提出しています。

 この件に関し国交省は2015年11月、国交省道路局企画課の課長補佐は「計画段階評価のプロセス、複数案の評価に問題はない」と表明しつつも「地域住民の方々と合意形成を図っていくのが本来の形だが、十分にやりきれていないのが実態」「地域住民との合意形成が出来ていない」「地域の合意形成がどういうふうにしたら円滑に進めていけるのか、もう1回考え直せと(関東地方整備局、甲府河川国道事務所に)指導している。」
更に「山梨県が国交省と住民の間に入って十分に調整してくれていたのかというと、あまりそういうことはなかった。」今後は「山梨県や北杜市にも働きかけていく」と述べ、「ボタンの掛け違いがあった」ことを認める発言をしました。

さらに2016年3月には国交省関東地方整備局の課長補佐もボタンの掛け違いがあったことを認める発言を行っています。

このように中部横断自動車道(長坂~八千穂)の計画段階評価のプロセスの中で住民との合意が形成されず、いずれかの時点でボタンを掛け違ったことは国交省も認めていることです。

 このことは構想段階における計画策定プロセスに関わる事業主体である「国交省」「山梨県」「北杜市」、第三者機関である「関東地方小委員会」が計画段階評価の計画策定のプロセスに求められる「透明性、客観性、合理性、公正性」の要件に反することが明らかで、そのプロセスに重大な瑕疵があったことの証左に他なりません。従って、中部横断自動車道(長坂~八千穂)の計画段階評価は適切に行われたとは決して言えず、審議も不十分であったため、やり直しが必要なことは明らかです。

 そのため、私たちは関東地方小委員会においてもこれまでの審議内容の精査と検討が必須であると考え、ここに中部横断自動車道(長坂~八千穂)の計画段階評価の再審議を要請致します。

■添付資料(掲載省略します)

ボタンの掛け違いが認識できるのはボタンの掛け方の「道理」が共有されていることを示しています。それは「救い」だと言えます。道理が共有できない相手とは血を流す戦いに進むことになりかねないのですが、それはまた別な話。
私は中部横断自動車道の北部区間(長坂~八千穂)事業について、東京のメディアがどのように報じてきたかは未確認です。
これは全国高速道路整備事業の一環であり、全幹法での新幹線事業と同じ位置にある全国テーマでしょう。
「後出し」にならないように東京のマスメディアが中部横断自動車道事業の全容を取り上げることは全国民の為にも必要なことです。

【追記 2016.05.25】ニュース記事に気付いたので引用・記録しておきます、中部横断自動車道“早期事業化”要望(山梨県)([ 5/23 19:19 山梨放送)
 山梨、長野両県知事が23日、石井啓一国土交通相に中部横断自動車道の長坂~八千穂間の“早期事業化”を要望した。  要望書では中部横断道で唯一、事業化されていない、北杜市・長坂から長野県・佐久穂町の八千穂までの区間を、着工が可能となる「整備計画区間」に早期に格上げすることを求めた。  石井国土交通相は前向きな考えを示したうえで「住民の理解が得られるかが課題」と述べた。
山梨県知事後藤斎さんには中部横断道の問題について正確な情報が届いていないと思えます。毎度のことですが県庁さん達に都合悪い情報は知事には届いていない、議会議員達は知っていても自分の利権に関わるから質問もしない、山梨県衰亡原因の一つでしょう。

リニア中央新幹線事業関連で膨大な資料の整理が滞っているので中部横断道に関するページの更新は遅れます。ブログやFacebookだけで問題を整理し理解することは難しく、私はWebページにこだわっています。



コメント ( 0 ) | Trackback ( )