＜５４６＞ 東大寺二月堂のお水取り
松明の 火の粉の雨や お水取り
今日より三月。東大寺二月堂の修二会が本行に入り、十二日夜のお水取りをクライマックスに十四日まで行なわれ、この間連夜に渡って大松明が舞台を走り、堂内では終日本尊の十一面観世音菩薩の悔過法会が行なわれる。詳しくはこのブログの＜１８２＞、＜１８３＞を参照願いたい。
一日は雨で、夜はかなりの降りになったが、バスツアーなどで見物を予定していた人たちもいて、二月堂周辺は多くの人出があり、傘の花が咲いた。予定通り午後七時から大松明十本が順次練行衆を導いて運行された。大松明が舞台に上がると雨の降る中、どよめきが起きた。今年は階段下の登り口にて拝見させてもらった。
法会は鎮護国家、天下安泰、万民幸福を祈願して行なわれるもので、天平勝宝四年（七五二年）に始められ、一度も欠かさず、今回で千二百六十二回目を迎えたという。難儀も越えて続けられている次第。思えば、持続は無事の証。今年は殊に東日本大震災の犠牲者の冥福を祈るとともに、被災者の復興を願って行なわれるというアナウンスがあった。