<3849>奈良県のレッドデータブックの花たち(254) ミズチドリ(水千鳥) ラン科
[別名] ジャコウチドリ(麝香千鳥)
[学名] Platanthera hologlottis
[奈良県のカテゴリー] 絶滅寸前種
[特徴] 日当たりのよい水湿地や湿原に生える多年草で、茎は直立し、高さ50~90センチ。葉は長さが7~20センチの線形または披針形で、下部の葉ほど大きく、茎を抱いて互生する。
花期は6~7月で、茎の上部に小さな純白の花を多数連ねる。花は先が尖る左右の側萼片が鳥の羽のように張り出し、上萼片1個が帽子の廂のように花の中の蕊を守る形に。下側の唇弁は虫を誘い入れるようになっている。蜜を貯め置く距は2センチほどと長く、淡緑色で、下垂状になる。花にわずかながら芳香があるのでジャコウチドリ(麝香千鳥)の別名でも呼ばれる。
[分布] 北海道、本州、四国、九州。国外では朝鮮半島、中国、ロシア。
[県内分布] 曽爾村
[記事] 大和地方(奈良県域)ではごく限られたところに自生。個体数も少なく、危険要因は園芸用採取や植生の遷移があげられている。 写真は湿原のあちこちで純白の花を咲かせるミズチドリ(左)と花序のアップ(右)。 なお、(254)はミズタガラシが順番であるが、今一つ確信に欠けるため、「大和の花」では採り上げたが、ここでは見送った。
山野の自生地に出向いて出会う植物の花は実によく覚えているものである
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