<3332> 奈良県のレッドデータブックの花たち (26) イワツクバネウツギ (岩衝羽根空木) スイカズラ科
[学名] Zabelia integrifolia
[奈良県のカテゴリー] 絶滅寸前種、注目種 (環境省:絶滅危惧Ⅱ類・旧絶滅危惧種)
[特徴] 石灰岩地や蛇紋岩地を適地として生える落葉低木で、よく枝を分け、高さ2メートルほどになる。樹皮は灰褐色で、縦に6本の溝が出来る。若い枝は緑色から赤紫色で、溝はない。葉は長さが3~7センチの倒卵形から卵形で、先は尖り、基部はくさび形。全縁で、短い柄を有し、対生して合着する。花期は5~7月で、新枝の先の葉腋に数ミリの柄を有する淡紅色を帯びた細い漏斗形の花を普通2個つける。花は筒部が1~1.5センチで、先が4裂して開く。雄しべ4、雌しべ1。萼は4裂、萼裂片は倒披針形で、花が散った後も痩果の先に残って4枚羽根のプロペラ状になる。 写真は花期のイワツクバネウツギ。
[分布] 日本の固有種(襲速紀要素系植物)で、本州の関東地方以西、四国、九州に点々と隔離し自生している。
[県内分布] 川上村のみ。川上村は鍾乳洞などある石灰岩地で知られる。
[記事] 自生地も個体数も極めて少なく、生育場所が岩場など脆弱性をともなうところがあり、なかなか出会えず、何回も通い、崖地の上に見出した。ちょうど花が咲いていたので確認出来た。奈良県のレッドデータブック2016改訂版は「関東以西の石灰岩地・蛇紋岩地に隔離分布するので、注目種にも指定した」としている。 写真は川上村での撮影。
花は合体の成果を目指す
実は合体の証として生る