大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2013年12月18日 | 祭り

<837> 大絵馬の奉納

        迎春の 準備に忙しなき 神社

 今年も、残りわずか。二週間を切った。神社仏閣の多い大和では、このところ各地の社寺で迎春準備が行なわれ、ニュースにもなっている。十八日には天理市新泉町の大和神社(おおやまとじんじゃ)で、来年の干支である馬の大絵馬が奉納された。

                                           

 大和神社は日本大國魂大神を主祭神とする『日本書紀』にも見える神社で、第十代崇神天皇のとき、飢饉などで世の中が乱れ、それまで皇居内に祀られていた神々を皇居外に遷し祀った。結果、天神地祇の天の神とされる天照大神が伊勢神宮に、地の神とされる國魂大神がこの大和神社に祀られた。創建は崇神天皇十二年と言われ、延喜式内社の名神大社で、旧官幣大社の格にある。

 絵馬は高さが1.5メートル、横幅が1.8メートルの大きさで、画家の塩谷栄一さん(72)が手がけた「白馬入蘆花」と題する水彩画で、龍とともに白馬が天空に駈けのぼるような躍動する姿が描かれている。今年、巳年の絵馬に続いて奉納された。

 午前十一時から拝殿において奉納の式が行われ、地区の代表や世話人など約二十人が参列し、玉串を捧げた後、宮司が絵馬の白馬に眼を描き入れて式を終えた。塩谷さんは「来年は冬季五輪の年、躍動の年になれば」と話していた。写真は奉納された午年の絵馬と絵馬の白馬に眼を描き入れる塩谷宮司。

 

 


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2013年08月13日 | 祭り

<711> 盆 踊 り

       盆踊り 法被と浴衣 競ひゐる

 今年もお盆の季節である。お盆と言えば、盆踊りがつきもの。阿波踊りがよく知られるところで、阿波踊りは日本一の盆踊りと言えよう。二度見物に出かけたが、地元をあげて踊りまくるといった感じで、お盆は他所からの見物人も加わって徳島市内などは阿波踊り一色になり、「踊る阿呆に見る阿呆 同じ阿呆なら踊らにゃ損損」と、町中のいたるところで踊るのが見受けられる。

 もちろん、盆踊りは全国津々浦々で行なわれ、日本の夏の風物詩になっている。お盆というのは八月十四日、十五日の盂蘭盆会を中心に、八月一日から八月二十四日の地蔵盆までの間をいう仏教に因む習わしで、盆踊りというのは、もとは盂蘭盆会を済ませ、祖霊を送った後に行なわれたようであるが、私の田舎では、毎年八月の十五日に盆踊りが行なわれていた。

                      

  公会堂の広場に櫓が組まれ、唄い手がその櫓に上ってよく通る声で唄い、みんなが二重、三重に輪をつくって踊った。そのとき唄っていた音頭の一つが妙に耳に残り記憶している。江州音頭であったと思うが、折に触れて思い出す。懐メロではないが、私には妙に懐かしさのある唄である。

    盆(ぼに)の十五日に 踊らぬ奴はよ 猫か鼠か鶏かよ あらよいよいよい

 これがその唄であるが、盆の今ごろになると、ミソハギの花とともによく思い出される。大和も盆踊りの盛んなところで、十津川村の大踊り(小原・武蔵・西川三地区の盆踊り)のように国の重要無形文化財に指定されている踊りも見られる。大和の盆踊りは、西の河内音頭、北の江州音頭、東の伊勢音頭というふうに周囲に名高い音頭発祥の地が接している関係で、多分に影響を受けているところが見られ、また、御所音頭のような地元で作られた音頭もあって、バラエティに富んでいるのがうかがえる。