<3604> 奈良県のレッドデータブックの花たち(143) シギンカラマツ(紫銀唐松) キンポウゲ科
[学名] Thalictrum actaeifolium
[奈良県のカテゴリー] 希少種(旧無指定)
[特徴] 山地の渓流沿いの林内や礫地などに生える多年草で、細くやや硬い茎がよく分枝し、高さ30~60センチになる。全草無毛で、葉は2~3回3出複葉。葉柄を有し、小葉は長さが2~5センチの卵形または円形に近く、脈が裏面に隆起する。
花期は7~9月で、枝先や葉腋から長い花序軸を伸ばし、複散房花序に直径1センチ前後の白い小さな花を多数つける。花には花弁がなく、萼片も早落性で、早くに姿を消し、多数の雄しべとわずかな雌しべが残る。雄しべの花糸も葯も白色で、花糸の先が葯の部分よりやや太い感がある。実は痩果。
[分布] 日本の固有種。本州の福島県以南、四国、九州。
[県内分布] 東吉野村、川上村、天川村、上北山村、十津川村。
[記事] 大和地方では台高、大峰山系の暖温帯上部から冷温帯域の渓流近くに見られ、自生地はかなり残されているが、個体数が少ないと報告されている。レッドデータブックは園芸栽培用採取、道路拡幅、植生の遷移などを減少要因にあげている。
岩場に生える植物には
貧弱で小さいものが多い
これはどうしてだろうか
二つの理由が考えられる
一つは岩場の土壌において
土が豊かでないことによる
今一つは岩自体に由来する
岩場に生える植物にとって
岩は守護神のようなもの
植物には安心な場所で
所謂信頼の環境にあって
小さい植物が率先して
この安心な岩場に居つき
長らえているからである