大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2012年04月17日 | 祭り

<228> おんだ祭り (御田植祭) (14)
         穏やかにあるべきことを願ひつつ御田植祭の福苗植ゑる
 春爛漫の十七日、大和高田市三和町の天神社で御田植祭があった。 天神社は市街地の真ん中にある神社であるが、昔はこの辺りも田園地帯だったのだろう。 御田植祭は今に引き継がれ行われている。 町中に遺されているこういう行事を見ていると何かほっとさせられるところがある。こうした祭りにはゆっくりと歩く人たちの営みが垣間見られるが、これを遅れているとするのは間違いであろうと私は思う。
                    

 お田植えの所作は標の張られた拝殿前の庭で行なわれ、見学者は私を含め、数人だった。 私にも言えることだが、見学者はみな好き者と言えよう。 後は関係者で、所作には牛役も登場したが、 お田植えは簡潔であった。最後の苗を植える段は全員でということで、見物する私たちにも松葉の苗が手渡され、植えさせてもらった。
 天神社の境内は結構広く、樹木も多く見られるが、拝殿の前庭に珍しいマンサク科のイスノキの古木がちょうど花を咲かせているところだったのでこの花も撮らせてもらった。思うに、天神社の御田植祭にはこのイスノキに花が咲くころという謳い文句がつきそうである。とにかく、今日はよい天気だった。 写真は左から牛の面、鍬を使う所作役、牛による田起こしと代掻き、参加者の田植え、イスノキの花。