湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

5/10 福永年久氏との懇談は

2016-05-11 05:54:20 | 地震津波災害ボランティア

2016/05/10 記
--------------
5/9の福永年久氏の懇談が終わった。いつも思うことなのだが、自分の被災体験の中から、より普遍的な課題へと抽出していくことの難しさを今回も感じたのだった。福永さんの語りは阪神淡路大震災を西宮で迎えた厳しい経過を語ることからはじまった。阪神淡路大震災は、直下型の特徴である、1階や2階がクラッシュして建物が垂直に壊れる傾向があり、つぶれた階にいた方は即死だった。また通電火災が密集した建物の延焼が起こり、火災によって身動きが取れなかった方が焼死する事態が起きた。

福永さんは偶然、命を取り留めたが町は変貌し、仲間を避難所に探すものの、なかなか出会うことが出来なかったという。歩行に難がある障がいの方は、現場からの自力避難一般だけでなく、道路状況の悪化によって、車椅子移動ができなくなるという状況から、お互いが集まるということが難しかった。

この辺のあたりは所謂「急性期」の体験だが、私たちの求めた話題は、避難生活が始まってからの生活再建の経過と、そこに様々な障がいの方がどう交錯していったか、利用施設の復活と当事者と家族による当事者協力の様子の語りを期待した通りには行かなかった。語る方のリアリティの差というか、まず語りたい被災体験を話してしまうと、懇談の時間2時間があっという間に飲み込まれてしまうというナビの難しさがあった。申し訳ないと思いつつも、あちこちで福永さんに質問介入して、お話を中断させる場面がいくつもあった。

もうひとつは、脳性マヒのある方の語りの聞き取りが難しく、介助にいらした方の説明をあちこちで求める場面があった。しかしその説明は、見事に的を射ていた。こうして綱渡りのようなバランスの中、食事をとることの比重の大きさ、排泄の困難の体験談は、そこかしこに介助者の二人三脚プレーが大事であることを伝えていた。

福永さんの語りは、避難所生活が終わる前から本領発揮となる。食料確保のために、釜ケ崎の路上生活者支援の炊き出し用の鍋を16万円で借りて、炊き出しを実現したり、全国に40回に及ぶ講演をおこなって謝金をすべて支援にまわすなど、広告塔的な活動を行ってきた。資金は数億円となり、現在の「ゆめ基金」設立へとつながったという。その初期の資金バックアップは、身体障がいの全国組織からの支援があったという。

私たちは精神障がいや、発達障がいの団体との差をそこに感じてしまう。身体障がいの団体の資金が潤沢に見えるのだ。また福永さんの活動は、被災障がい者の共助というより、協力者一般を巻き込んで、支援の枠組み作りを行ったということだろう。現場の細部の動きというより、活動は西宮から一気に阪神淡路大震災の被災地全域へと飛躍してしまう。

だからリアルな断片をいただいたという感じだ。

もうひとつ、今回の懇話会参加者は、看護・介護系災害ボランティアの方、施設関係者、民生委員、訪問看護センターの方、市議さんという具合に、医療・ケア関係者の顔ぶれとなり、親密な関係者対話となったこと。それゆえ、福永さんの語りを受け止めることができる方たちだったことが、幸いといえる。出来ることなら、今後の懇話会母、語り合いたい方ばかりとなったこと、実践的な語りが生まれつつあると感じている。継続していきたい、それを強く願う懇談だった。

---------

風邪を引いたらしい。喉風邪。全く声が出なくなって困っている。響声破笛丸なる漢方と総合風邪薬を飲み始めたが、効くのか不安。

夜間傾聴>声が出ないので臨時休業

(校正1回目済み)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする