ずいぶん昔の話になる。いかに売り上げを伸ばすか、それにはどうしたらお客さんに足を運んでもらえるか。考えた結果は当時では目を引く売価「98円」、考えたのは柳井の商人、と、うる覚えにある。
こんな名残か最近の価格には「いち・きゅう・ぱ」「にい・きゅう・ぱ」など価格の末尾に8円がつく。198円と言わず「いち・きゅう・ぱ」で通じる。スーパーで目に付いた表示価格は168、178、198、278…、といろいろあるが末尾8円が多い。8は末広がりで次第に栄える意味があり喜ばれる。
980、1,980、2,980円…も多い。これも「きゅう・ぱ」に通じる。若いころには千円をきると安く感じた時代もあった。最近は千円を下回る衣料品も人気があり流行しているようだ。
車でなくても安くていい品なら誰もクレームをつけない。そんな価格の呼称「きゅう・ぱ」が始まったころに流行語大賞があったら間違いなく受賞しただろう、そんなことを思いながら表示価格を見ると「適正な本当の価格はいくら」、そんな疑問をいつも感じる。
(写真:表示価格末尾が8円の商品が並んでいる棚)