年末になると祖父は稲わらをどこから貰ってくるのか知らないが、それを使ってしめ縄を作っていた。そのころのしめ縄の状況は分からないが、3世代一緒に住むのが当たり前の時代、年寄りが各家庭で作っていたのではなかろうか。割と大きな輪の飾りだった記憶がある。
町内でも、年末になると子どもを集めてのしめ縄作りが開かれる。新型コロナの関係で中止になっていたが、第5類になり再開された。自治会の世話をするときに手伝ったが、参加した子どもらは楽しそうに、なかには独創的なしめ飾りを作る子もいた。それにはちゃちゃを入れる子もいたが、今思えば、そういう子も作りたかったのかもしれない。
我が家は購入のしめ縄になっている。最近の店頭に並ぶそれはちょっと買いづらいものが多い。金や銀、赤や黄など原色で飾りあげられている。華やかには見えるが、しめ縄という趣が私には伝わってこないので購入は敬遠している。今年も子どもの頃に見ていた素朴な作りの物を求めた。物価高の時世だがそれは感じなかった。
近年は輪飾りをつけた車を見かけなくなった。という自分も、年末には丁寧に洗車し、その後で取りつけていたが、ここ何年もご無沙汰になった。車向きの輪飾りを見かけなくなったことも言い逃れだが原因がある。高齢者の車事故は多い、一考の余地があるのかもしれない。輪飾りをつけると歳神様が訪れてくれると言われるから。
(今日の575) 由々しきを払い除けししめ飾り