日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

高卒扱いでも

2020年11月19日 | 回想

 来春の大卒者の就職内定率がリーマン・ショック以来の低さに次ぐ低い内定率だという記事。この時期としては5年ぶりに70%を下回り69.8%、これは新型コロナウイルスの影響が鮮明になった証という。短大は約14%、専修学校は約15%と過去最大の落ち込み、こうした記事を読みながらある年のことを思い出す。

 それはバブル崩壊後だった。残業していると外線から電話。「工場がある地元の出身で〇〇大学を来春卒業する者のですが、採用はありませんか」という問い合わせを何件も受けた年がある。新卒の就職難が報じられ終活の厳しいことは承知していたが、直接の問い合わせにその厳しさを実感した。どの声も電話の向こうでの求職への真剣さが目に浮かぶようだった。複数の学生が「高卒扱いでも構いません」という声に、応える言葉に戸惑った。

 学卒は本社、高卒は工場と採用分担が決まっており、両方ともこの時期には内定を通知し当年度の新卒採用活動は終わっている。その旨伝えると中には「中間採用の計画はありませんか」、思いもしない問いかけをした学生もあった。出身地、地元に何とか就職したい、その気持ちでの問い合わせはうれしいが、断るしかなかった。

 学生からだけでなくその親からも直接に、または人を介して同じ問い合わせはあった。バブル崩壊、リーマンショックは共に人が起こした不況、世界が知恵を出し困難を克服してきた。しかし今回のコロナ不況は様子が異なる。今は全世界の英知を感染防止と病の克服にそそぐしかない。そしてまだ就活中の学生へは社会全体で応援をしていこう。
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