毎日、年金生活者の家でミカンを貰っては悪いと思ったのかどうかは分からないが、久しく姿を見せなかった野鳥が、ミカンを置いていたそばの庭木にとまっている。やって来ないのでミカンの二つ割は置いていなかったが、何度もやって来るのでミカンを置いた。警戒しながら近寄り食べ始める。大きな野鳥なので1日に何個もいりそうだが2個までとする。
この冬は暖冬の影響で山野に餌は豊富にあるかと思っていた。しかし、ミカンの食べ残しで今までにない発見をした。これまではミカンの袋部分の実を食べ尽くせばそれでお終いだった。ところが皮の部分もちぎっている。大島産の清美はさぞ美味かったのだろう。買い置きのミカン箱の底が見え始めた、まもなく野鳥ともさよならになる。
そんな大型の鳥、1羽が物置の屋根でじっとして警戒している様子。連れの1羽は新しく置いたミカンをついばんでいる。屋根の1羽が飛び立つと同時にミカンを食味中の1羽も飛び立った。それを追うようにはるかに大型の鳥が飛び去った。居間のガラス戸越しの一瞬のことだった。見慣れたカラスでない。1羽が見張り役をしていたのはこのためだった。
水を飲む、水浴びをする、それに合わせ水量を蛇口の開き加減で調整するカラスの映像をみた。カラスは賢いと例示されるがまだ経験していないが、いじめ無いように気をつけている。カラスだけではない庭に来る小さなメジロもスズメも自然の序列をわきまえて身を守り、子孫を残していく事を親鳥から習う。人の世の子どもへの虐待の数々を知るとき、野生の習性を見習わなければと思う。