日々のことを徒然に

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酒蔵の杉玉

2019年03月14日 | 町かど

 市内に「金冠黒松」を主力ブランドにする酒造会社がある。そこは金冠黒松発売50周年記念の2009年、初めて杉玉を作った。直径5㍍、重さ4㌧という日本一の大きさは迫力がある。本社敷地の広い入口には「自由にお入りください」と標識がり、何時でも誰でも見ることが出来る。その杉玉が掛け替えという記事を見て通りがかり立ち寄ってみた。

 6年ぶり2回目の掛け替えは、市民が作業体験できるという。そこでは、伐り出した杉枝を、球形に組み合わせた鉄パイプと金網に手で差し込むという。作業中のく杉玉は櫓につるされ半分くらい新しい杉枝が差し込んであり、取り付けを待っている杉枝が積まれていた。今月下旬に完成というからもう少しかかる。作業参加者には木升と酒粕500㌘がプレゼントとありとか。

 杉玉は日本酒の作り酒屋でこれを軒下に吊ることで新酒が出来たことを報せる役割を追っている。吊るした時の杉玉は蒼々としているが、やがて枯れて茶色に変わる。この色の変化が新酒の熟成具合を示す物語と言われる。同酒造の昨年の酒祭りで見たときは熟成酒を思わせる茶に代わっていたが、今年は蒼とした爽やかさが楽しみだ。

 杉玉にはいろいろな言い伝えや歴史があるという。また、日本酒の起源は縄文・弥生時代からという説もある。そんな伝統を守って来た酒蔵、民家の背丈をはるかに超え、白壁が焼杉の板に囲まれたそれは風情を感じる姿だったが減少し残念だ。杜氏の代わりにITが酒作りを担う時代、杉玉の吊るしは続くだろうか。
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