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県境に近い国道そば、いつ建てられたのか確かめるものは見当たらないが、場所的に不釣合いと思える素晴らしいバス待合所が建っている。日に数便くらいの時刻表は少し汚れている。
四方吹き抜けの待合所だが杉や檜を使いその作りは立派、由緒ある建てやを移築したのかと思わせるほど贅沢な構えだ。感じのいい照明、日暮になるとどんな灯り方をするのだろうか。
昔、電気料金は定額制だった。そのうちメーターを取り付けると使用電気量見合いの電気料金に変わった。くるくる回る円板に興味があった。
そのころは天井裏に配線などというシャレはなかった。メーターの取り付けで増灯用の屋内配線は、天井や梁りに取り付けられた真白な碍子つたいに伸びていった。
バス停にそれと同じ碍子が使われている。隔世の感じがしないでもないが、大切にしまっておいた懐かしい物を見つけたようでしばらく眺めていた。こんな設備が残されいることにも驚きながら。
平行して張られた2本の電線や碍子にレンズを向け、出かけた時いつもこんな出会いがあるといいな、そう思いながらシャッターを押した。
(写真:2本の電線と碍子と灯り)