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プラトン『ゴルギアス』

2023年02月12日 00時24分40秒 | 文学
プラトン『ゴルギアス』(光文社古典新訳文庫)を読んだ。
『ゴルギアス』に登場するカリクレスは、私たちのソクラテスに対する不満を代弁してくれている気がする。
ソクラテスは話をすり替えるし、細かいところを突いてきて混乱させる。いくつか読んでいると、そのようなソクラテスの印象がある。
『ゴルギアス』のソクラテスは、若いカリクレスにわりと誠実に対していて、この若い人にほんとうに正しくなってほしいと思っているように読める。いつもよりも議論が途中やめになっていない印象だった。自分の思っていることをストレートに言っている。
私たちはいまいろいろなところで誠実さを失い、詐欺のようなものばかり見せられているように思うが、ソクラテスに歯向かうカリクレスに、そしてカリクレスの話に説得させられる自分に、いまの世の中の不誠実さの原因があるような気がする。
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