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戸谷洋志『ハイデガー『存在と時間』 (NHK100分de名著)』

2022年04月23日 13時54分18秒 | 文学
戸谷洋志『ハイデガー『存在と時間』 (NHK100分de名著)』(NHK出版)を読んだ。
番組の二回目の放送を見ていて、わかりやすく、興味を惹かれたのでテキストを買って読んでみた。
ハイデガーの『存在と時間』の話をするときはどうしてもナチスとハイデガーの話をしないといけないようで、番組でも最後の一回はそれに充てられる。全部は紹介できないので焦点だけと言っているくらいなのだから、『存在と時間』の話だけをすればいいのではないかと思った。
こういう本を読むと昔であれば、ハイデガーの『存在と時間』そのものを読まなければいけないと思ったものだが、まあもういいかなという感じがする。中山元訳の光文社古典新訳文庫版は半分以上が解説で八冊もあるので読む気がしない。他のものもそうだが、解説がいらないひとのために翻訳部分だけ半額で半分の分量で出版してくれないかなと思う。「文庫の半分の解説いらない」と思っている人は多いと思う。
読むなら熊野純彦訳の岩波文庫版なのだが、それでもなかなか大儀だ。

ハイデガーは世人に従って生きている人間が、死を契機にして本来性を取り戻すということを言っているらしいのだが、ほんとうだろうかなと思った。自分自身の死を考えるということも、その後に自分本来の生き方になるということも、結局は世人に従っているということにはならないのだろうか。誰も考えなかったように生きる(考える)などということは、たとえ死を考えたところで出来はしないのではないかと少し思った。
死ぬような経験をした人達が語ることも、あるひとつの型があるように前々から思っている。
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