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斎藤幸平『カール・マルクス 資本論』

2021年01月03日 11時59分39秒 | 文学
NHKの番組「100分de名著」のテキスト、斎藤幸平の『カール・マルクス 資本論』(NHK出版)を読んだ。
白井聡の『武器としての「資本論」』と続けて読んだのでよく理解できたように思う。
資本主義の動きを誰も止められなくなって、人々が不幸になっていく姿がよく分かった。ただ、白井聡にしても斎藤幸平にしても大学でずっと勉強している人で一般企業で働いた経験がないのであろうから、あまりにも企業に対する批判が厳しいように思った。過労死の問題などは取り沙汰されるが、すべての企業がそのようであるわけではないし、グラデーションがある。
資本主義のなかで仕事が細分化されてやる気がなくなるという話はその通りだろうなと思った。
自分が何をしているのかわからないまま単純作業をやっているとやる気がなくなる。(それが逆に楽しくなることもないことはないが。)
僕がたまに台所に立って料理をするのも、週末に掃除をして掃除機の掃除をするのも、すべての工程を「ひとりでやっている」感じがして楽しいからかもしれない。最初っから最後までたったひとりでやりたい欲求が誰にでもあるのだろう。

「100分de名著」は高樹のぶ子の『伊勢物語』の放送のときに思ったが、自著の宣伝が甚だしい時がある。
今回も『資本論』の翻訳だけ読んでも誰も読み取れないようなことを斎藤幸平が語っているのではないかと思った。『人新世の「資本論」』の宣伝になっている。
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