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ケストナー『飛ぶ教室』

2011年11月27日 23時22分25秒 | 文学
ケストナーの『飛ぶ教室』(光文社古典新訳文庫)を読んだ。
フィリパ・ピアスの『トムは真夜中の庭で』に続き二冊目の児童文学。
『飛ぶ教室』は岩波少年文庫にも入っているが一応オトナなので光文社古典新訳文庫で読んだ。大人が児童文学を読むのって、少年が少女マンガを読むのと似たような恥ずかしさがある。電車やバスでカバーもなしに読むことはできない。僕は子どものころに本を全くと言っていいほど読んでいないので、岩波少年文庫を一冊も読んだことがない。だからいい機会なので気になるものは読んでおこうと思う。
『飛ぶ教室』はタイトルは知っていたが、こんな話とは思わなかった。学校がいろいろな場所に飛んでいく話で、物語を楽しみながら歴史や地理もついでに学べるようなそんな素敵な話なのかと思っていた。ぜんぜん違った。
僕には小学校高学年になる甥がいて、おもしろいものがあったらプレゼントしようと思いながら読んでいるのだが、「これは子どもが読んでおもしろいのだろうか」といつも考えてしまう。「ギムナジウム」とか「ディクテーション・ノート」とか「ゲネプロ」とか言って分かるのかなあ。光文社古典新訳文庫は大人の本だけれど、岩波少年文庫は子ども用なのでもっと分かりやすくなっているのだろうか。他の子どもが読んでいるのなら読めないこともないか。
そもそも登場人物の名前がドイツ人なので覚えにくい。マルティンとマティアスがしばしば混乱した。
クリスマスにお金がなくて両親のところに帰れない、そしてそれを人に打ち明けることもできないという感情って、日本人の子どもに共感を得るのだろうか。難しいかもしれない。最初の、学校同士のタイマン勝負も、人質をとって縛って打っているのって、ドイツの子どもはすげえと思ってしまった。
わりとおもしろいと思ったけれど、フィリパ・ピアスの『トムは真夜中の庭で』のほうが好きだ。プレゼントするならそっちにする。
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