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阿古真理『小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代』

2015年09月25日 23時50分11秒 | 文学
阿古真理『小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代』(新潮新書)を図書館で借りて読んだ。
それぞれの料理研究家の考えの特徴を分析したものを期待したのだが(最初のほうに料理研究家の立ち位置のマトリクスが載っていたし)、あまりそういう話にはならず、その当時の社会の動きを概説した本だった。
僕がいまもっとも注目している料理研究家の有元葉子も出ていたし、よく参考にする飯島奈美も出てきた。思いつく有名な料理研究家はだいたい出てきたのではないか。神田川俊郎と結城貢が抜けていたくらいか。
小林カツ代がフライパンで煮物を作り始めたということを知った。飯島奈美の本でフライパンで肉じゃがを作るのを見て驚いたのだが、そこにルーツがあったのだな。
栗原はるみの話の途中あたりから退屈した。
それぞれの料理研究家がビーフシチューをどう作っているかを定点観測する、というのをこの本ではやっていたのだが、栗原はるみよりあとに出てくる人たちには(なぜか)適用されなくなった。土井義晴や辰巳芳子はビーフシチューを作らなかったのだろうか。
後半は、雑誌の常套句みたいなものが目立った気もする。
《トップアイドルの国分は、イジりすぎずに相手を立てるコツをわきまえている。》(230頁)
《当分、コウの時代は続きそうである》(239頁)
等。
ケンタロウの料理は味付けが濃そうで作りたいものがあまりない、という意見は理由は少し違うが同意できる。僕はどんぶり物が多そうで作る気がしない。

高山なおみが少し気になった。
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