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モーパッサン『女の一生』感想

2013年01月15日 22時17分53秒 | 文学
モーパッサン『女の一生』(光文社古典新訳文庫)を読んだ。
小説というのはいろいろな出来事が次から次へと起きていくものなのだなと改めて思った。いろいろな出来事が起きて、それを追っているうちに本を読み終えるという読書だった。なかなかおもしろかった。何か深い考えを得るというようなものではない。
海外の名作というものは純文学なのだろうと思ってしまっているのだが、『女の一生』が純文学かというとなんか違う。昼メロのような話だった。読んだことはないので適当に言うのだけれど、たぶん菊池寛の『真珠夫人』なんかと同じような雰囲気だろうと思う。
修道院で暮らしてきた女が格好いい男と結婚したら、暴力的で金にセコい男で、しかも女癖が悪い。女中が妊娠して出産する。それは夫の子で、自分も妊娠して息子を産む。夫は他の女にも手を出すが、手を出した女ともどもその夫に殺される。息子も女癖が悪いので主人公の女は苦労する。
簡単に言えばそんな話だった。
後半の、夫が死んだあとの話はなくてもよいかなと思った。
新婚初夜の場面と、夫が殺されるという展開が印象に残った。頭のおかしい神父がいて、犬を殺す場面があるのだが、これも印象に残る。
印象に残る場面がいくつもあり、確かに名作なのだろうが、厭世的な話なので、明るく元気な気持ちにはならない。
短めの『アンナ・カレーニナ』といった感じ。
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