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アガサ・クリスティvs谷崎潤一郎

2020年10月10日 23時35分44秒 | 文学
井上ひさしの『東京セブンローズ』という本を読んでいると、「鹽鱈」という文字が出てきて読めない。
この小説は旧字体、歴史的仮名遣いで書かれているが、わかりにくいところはルビが振られていて読める。しかし「鹽鱈」には振られていない。付近でソースとか醤油と言っているので、食品なのだろう。
調べると「塩」の旧字体で、塩タラだった。塩の旧字体をいままで知らなかった。そのあとも塩梅とかが旧字で出てきた。
いまのところ、戦時中のことが分かりやすく書かれていて読みやすく、おもしろい。
『東京セブンローズ』は以前文庫を古本屋で見かけて気になったのだが、本が少し古かったので買わなかった。小学館の「P+D BOOKS」というシリーズで最近出たので買った。コンビニで売っている、名作漫画(横山光輝の『三国志』とか)を刷り直して作った本のような作り。分厚くて軽い。そしておそらくすぐに日焼けするだろう。

このところ、通勤の往復で読む本を探している。
いろいろ試したがどうもバスで読んだり昼休みに読むのは、あまり内容がなくて読みやすい小説、がいいのではないかと思った。エッセイや、思想書のようなものは切れ切れに読むと興味を失ってしまう。ドストエフスキーのような重くて長い長篇小説も興味を失ってしまう。『東京セブンローズ』はちょうどいい感じだが、本が大きい。
それで、アガサ・クリスティなんかは内容がないし文庫だしたくさんあるし、いいのではないかと思った。しかしミステリにそこまで興味が持てないという気質が僕にはあるのでちょっと躊躇していた。アガサ・クリスティも何冊かこれまでに読んだことはあるのだが、そこまで惹かれていない。
それで(それで、それで、で話を続けて少し馬鹿みたいですが、それで)、テレビで「100分de名著」を見ていて、島田雅彦が谷崎潤一郎について語っていて、島田雅彦はたいしたこと言わないなと思いながらも、谷崎潤一郎はいいかもしれないなと思った。内容がなくて、文庫が多くて、読みやすい。
かつてたくさん読んだこともあるのだが、ずいぶん昔なので久しぶりに読み直したり、読んでいないものを読んだりしてみたい。『卍』が最も好きだったと思うので、そのあたりから読んでいってみようと思う。
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