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三浦しをん『舟を編む』

2018年06月27日 21時50分54秒 | 文学
三浦しをん『舟を編む』(光文社文庫)を読む。
最近あまり小説を読んでいなかったのだが、読んでみると気楽でおもしろい。
たまにこのような本を読んでいないと、本を読むスピードが落ちる気がする。
難しい本ばかりではだんだん前に進めなくなるように思う。

数年前に話題になった本で、映画化もされて賞も獲ったように思うが映画は見ていない。
ついこの間NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で辞書編纂者の飯間浩明の番組を見たがとてもおもしろかった。
そういう感じの人の話を期待していたのだが、本の主人公の馬締は最初の登場は変人ぽかったが、結婚もし、だんだんと普通の人っぽくなってしまった。だんだんと普通の人っぽくなってしまうと、そもそも最初から普通の人だったのではないかという気がして、すべてがわざとらしく感じられてしまうものだ。
辞書を作るのがたいへんなのだろうなという雰囲気はわかった。
恋愛とか病気とかが、予想がついてしまうのは仕方のないことなのかもしれないが、想定外のことがあまり起こらない話だった。だから読みやすいのかもしれない。
ちょうど気になっていた『あの家に暮らす四人の女』が文庫になったのだが、続けて読むほどの興味が三浦しをんにいまはないので、しばらくしてもまだ読みたければ読んでみよう。

今日そういえば本屋で、二十代くらいの女性二人が話しながら本を選んでいたのだが、ひとりが「私は長い本が良い」と言うと、もう一人が、
「大事なのは長さより深さだってマキリョウタも言ってた」
と発言した。
マキリョウタって同級生かな、先生だろうか、でもなんか引っかかるな、と思って良く考えたらテレビドラマ『おっさんずラブ』の牧凌太(林遣都)のことじゃないかと思い当たった。
素晴らしい引用をありがとう。
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加藤典洋『もうすぐやってくる尊皇攘夷思想のために』

2018年06月27日 21時34分00秒 | 文学
加藤典洋『もうすぐやってくる尊皇攘夷思想のために』(幻戯書房)を図書館で借りて読む。
とても難しい本で、よく分からないままに読んだものもあるのだが、やはり文学について書かれたものに興味を惹かれた。
「書くことと生きること」と「矛盾と明るさ」というのがおもしろかったように思う。
鶴見俊輔について書かれたものもおもしろかった。鶴見俊輔の話を聞くと鶴見俊輔の本を読みたくなるのだが、読んでみてもいつもそうおもしろくないなと感じることが多い。今回も『北米体験再考』に興味を持った。たぶん、鶴見俊輔がもっとも凄かった時代(「ベ平連」や八月十五日の丸坊主など)を生きていなかったので僕には彼の凄さが理解できないのではないかと感じる。クレイジーキャッツや坂本九のどこがいいのかいまいちよく分からないが、ビートたけしや萩本欽一であれば「凄かったよね」と言える。同時代を生きていないことから来る理解できなさが鶴見俊輔にはある。
山本七平の『「空気」の研究』も読んでみようかなと思った。
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