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倉田百三『出家とその弟子』

2017年10月20日 23時14分16秒 | 文学
倉田百三『出家とその弟子』(新潮文庫)を読んだ。
有名な本で、学校でも名前は習ったように思うが、いままで読んだことがなかった。
親鸞とその弟子の唯円、そして親鸞の子どもの善鸞などが出てくる。
親鸞は宗教的な師匠なので、もっと謎に包まれた、深い思想に満ちた、何でも分かっている人のように描かれるかと思えばそうではなくて、わりと迷っている人のように描かれる。
唯円は遊女と結婚する。これはほんとうなのだろうか。
五木寛之が親鸞の伝記的なことはあまり分かっていないので好き放題に書けるというようなことを言っていたので、唯円のことなどさらに分かってはいないのだろう。

唯円が兄弟子たちに遊女と付き合っていることを責められる場面、それに続いて親鸞が悪人を追放するというようなことはできない、なぜなら私たちはみんな悪人だからという場面など、よく『歎異抄』の思想がわかるように描かれていた。
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