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ロバート・B・パーカー『初秋』

2015年03月04日 00時58分39秒 | 文学
ロバート・B・パーカー『初秋』(ハヤカワ文庫)読了。
『約束の地』について丸谷才一が書いていたのでほんとうはそちらを買いに行ったのだが、なかったので有名なこの本を買った。
とてもおもしろかったが、これがシリーズでの最高傑作だという話を何度か聞いたことがあるので、他の本を読もうか迷う。これ以上おもしろいものはないということなのだろうか。
これが探偵小説であるかどうかには最後まで疑問が残った。
最後までたんたんと話が進み、あっと驚くとかそのようなことは一切なかった。これはシリーズ通して同じなのだろうか。読むのが一作目なのでわからない。
私の印象では、普通推理小説や探偵小説は、どこかで読者に置いてきぼりを食わせて、読んでいるけど探偵が何を考えて行動し始めたのかよくわからない、というふうなことになり始める。そして最後に、ああそういうことだったのか、というふうにつながる。
そういうことが一切なかった。
しかも誰も殺されない。
いや一人殺された。スペンサーの友人ホークが最後に殺した。
これはびっくり仰天の探偵小説だった。
しかしそのような、「物事を一見もっともらしい名前の下に分類する」(94頁)ことはもうやめるべきなのかもしれない。これが探偵小説かどうか、そんなことはどうでもいい。
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