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内田樹『もういちど村上春樹にご用心』

2014年12月14日 02時07分25秒 | 文学
内田樹『もういちど村上春樹にご用心』(文春文庫)読了。
これまで読んだことのあるものも多く、少し退屈しながら読んだようなものもあった。
「「激しく欠けているもの」について」、「太宰治と村上春樹」、そして書き下ろしの「「女のいない男」の一人として」がおもしろかった。
「「女のいない男」の一人として」は、たぶん内田樹が離婚したときの話が出てきていて、あまり読んだことのない話で興味深かった。よく知っていると思っていた人が、これまで語ったことのない話をする場合、いつも興味深い。昔私の母親が「仕事なんか何をやってもつまらんよ」と言ったことがあり(たぶん僕が就職する前)、こんなことを彼女から聞くのははじめてだなと思って驚いた記憶があり、印象に残ったのでいまだに記憶している。
村上春樹ファンとしては同じような切り口が続くし退屈するのだが、内田樹ファンとしてはおもしろい本だったかもしれない。
内田樹の村上春樹批評はおそらく、こういうものなのだろう。「ファンとして」書くと明言しているので村上春樹に対する不満のようなものは聞かれない。

そろそろ竹田青嗣は、村上春樹について再び語り始めないのだろうか。村上春樹じゃなくてもいいのだが、文学作品についてそろそろ語ってほしい。
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