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内田樹『映画の構造分析 ハリウッド映画で学べる現代思想』

2012年09月13日 23時23分12秒 | 文学
内田樹『映画の構造分析 ハリウッド映画で学べる現代思想』(文春文庫)を読んだ。
内田樹の初期のものらしく、確かに内田樹のこういう文章に私は魅了されたのだった、と思う部分がたくさんあった。一例を挙げるとこんなところ。

≪無知とは「自分は知っている」という思い上がりのことではありません。「『自分が無知である』ということを他人は知っている」ということを知りたくない、という欲望の効果なのです。≫(143頁)

内田樹はよく、こんな感じの、彼自身が言うところの「問題の次数をあげた」文章を書く。
人を魅了する文章というのは(というか、私を魅了する文章というのは)、言っている内容がほんとうに正しいかどうかはあまり関係がなく、どちらかといえばわりと怪しいのだが、なんだかすごく、誰からも聞いたことがない話だなと思わせるようなものなのだろう。

ところで、映画の本を何冊か読んだのだが、思い当たるもので読むものがなくなってしまった。
蓮実重彦は読む気がしないし、スラヴォイ・ジジェクは難しそうだし。
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