ダブログ宣言!

ひとりでするのがブログなら、
ふたりでするのがダブログ。

☆モーム「サミング・アップ」感想

2007年05月06日 12時16分20秒 | 文学
サミング・アップあるひとが何かを確信していて、それが誰かの言っていることの受け売りではなく、自分で経験して得た独自のものであると、なにはともあれ素晴らしいと思ってしまう。
モームの「サミング・アップ」(岩波文庫)はそういう本で、似たような本というと、フラナリー・オコナーの「秘義と習俗」とか、日本で言うと、谷崎潤一郎の「文章読本」とか、かなあ。
モームの言っていることで、
「演劇の観客は周りに左右されるもので周りの人が笑えば笑う。だから思想的な演劇は難しい。思想は一対一のものだから。」(だいたいこんな感じの雰囲気の意見)
とか、
「世の中にはいろいろなひとがいて一人として同じ人はいない。とは言うけれど、実際には数種類のタイプがあるだけだ。」
とか、
「実際に自分で行動するときはわりと思いつきで行動したり論理的でなかったりするくせに、劇の登場人物の行動には論理的な整合性を観客は求めるものだ。」
とか、あまり他では聞いたことのない意見がたくさんあって面白かった。
この間、テレビで映画監督のイングマール・ベルイマンを追ったドキュメンタリー番組を見たが、そのときも似たようなことを思った。
何かを確信しているひとは面白い。

イングマール・ベルイマンについては確か「野いちご」を見たことがあるだけで、何にも憶えていないが、過去の回想シーンなのに回想している本人が過去の姿でなくいまの年取った姿のままで出てくるのが印象的だった。映画全体の印象はまったく記憶にない。おもしろくないと思ったんだと思う。他の映画を見ていないから。
「ある結婚の風景」と「サラバンド」は見てみたいなあ。NHK-BSでイングマール・ベルイマン特集をしないかなあ。
コメント