センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

モスキート音「聴覚」

2009-05-30 00:18:13 | 感覚
今年5月に足立区で若者が屯(たむろ)する場所に、モスキート音を発生させる装置を取り付けたいというニュースがテレビで流れ、話題を読んでいる。
モスキート音とは高周波を発生する装置で、よく皆さんもネズミ駆除にこのモスキート音を使用したことからヒントに若者達の溜まり場にこのモスキート音
を発生させたら嫌な音なので若者がその場から立ち去ったという実例が以前、アメリカでコンビニの前に数人が屯し、常に屯しているので店主がこのモスキート音を発生させたら、たちまち若者達がいなくなったというのです。
これらは、私達の聴覚年齢と関わりがあり、専門的には「可聴域」範囲などと言われます。個人差はありますが、私達、人間が聞こえる可聴域は20~20,000Hz(ヘルツ)で、これらは10代の可聴域であり、加齢と共に衰え、高周波が聴きづらくなります。70歳代になると20~10.000Hzと10歳代の半分程度しか聞こえなくなるので耳が遠くなったと実感するのです。
なぜ、耳が遠くなり聴覚能力が衰えるかというと「蝸牛という、丁度カタツムリに似ている器官があり、この中に「有毛細胞」が加齢と共に減るので、耳小骨などへの伝達が減り、高周波の音が聞きづらくなるのです。
また、聴覚野という、脳部の細胞の死滅などにも関わっているのです。
これらを逆手に取ったのが屯している若者達を追い払うためにモスキート音は人が嫌がる高周波なので、若者達がその場から立ち去るのです。
但し、現在の若者達はゲーム機や携帯電話の着メロなどを心地よいと感じている。つまり、電子音楽的な音を好む傾向にあります。
例えば、風鈴や野鳥の鳴き声が雑音的な音と認識している子供達や若者達は多いのである。
人が心地よいと感じる音は、人の脳の左脳の聴覚野で認識します。ですから、心地よいと感じるのです。逆に雑音、喧しいと感じる音は、右脳の聴覚野で認識しているのです。
以前に、隣人の風鈴の音色が喧しいと訴えた若者が隣人を殺害してしまった事件は、記憶にも新しいところです。殺害の動機に風鈴が喧しいことに私はショックを受けたのです。
風鈴や野鳥の鳴き声を心地よいと感じられないのは、感性の違いだけでなく、脳(聴覚野)の認識の違いから感覚異変が生じているのです。
自然体験が希薄で、室内に籠もり、遊びもゲーム機で長時間遊んでいる人達によく見られる傾向です。
電子音が心地よく、私達の聴覚の認識の変化なのです。
私はこれらを「音認知の欧米化」と呼んでおります。
音の認知の異変だけではありません。最近、私が危惧しているのは若い人達を中心に「外傷性難聴」携帯音楽プレーヤーを大音量で聞いたり、歌手やロックバンドなど大音響の環境にいると外傷性難聴、騒音難聴などとも言われます。
また、騒音性難聴は、工場や工事現場、農機具などを扱う職業の人達によくみられます。私はこれら騒音性難聴防止に耳栓を推進している。
このように現代人は電子音、騒音の洪水の中で生活しているようなものです。これらが聴覚ストレスになり、感覚に関わる病気、精神的な病気に疾患することも多いのです。
高齢者の難聴は、加齢による高周波が聞こえないことで起こりますが、現在は高性能な補聴器も販売されているので、あまり心配はいりません。近い将来には、小形で高性能な補聴器も研究、開発も進んでおります。聴覚障害の人達にも朗報となるはずです。
今後の嗅覚研究に期待したいものである。


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