センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

脳細胞にもあてはまる「使わない刀は錆びる」

2006-10-26 20:35:50 | 感覚
脳細胞にもあてはまる「使わない刀は錆びる」
頻繁な精神的刺激がアルツハイマー病リスクの低下につながる
【2月1日】認知を刺激する活動に頻繁に参加することがアルツハイマー病(AD)リスクの低下につながるとの研究報告が、『JAMA』 2月13日号に掲載された。
「われわれは、この『使わない刀は錆びる』という格言に従って記憶を維持する方法について、常に質問され る」と米国立加齢研究所(NIA)アルツハイマー病センタープログラムのアシスタントディレクターを務めるElisabeth Koss, PhDはニュースリリースで述べている。「本研究は、認知活動の増加およびアルツハイマー病リスクの低下に関するある概念が存在するという重要な新しい証 拠を提供している」ラッシュ・プレズビテリアン聖ルカ医療センター(シカゴ)のRobert S. Wilson, PhDらは、現在進行中の加齢およびADに関する研究であるReligious Orders Study(修道会研究)に参加している約40グループからリクルートした、65歳以上の修道女、司祭および修道士801名を対象に研究を行った。参加者 は、研究開始時において臨床的に痴呆と診断されておらず、年1回の臨床評価および脳剖検を受けることに同意した。
研究開始時に、テレビを見る、ラジオを聞く、新聞、雑誌または本を読む、ゲームをする、パズルを解く、および博物館を見学するなど、情報処理に関係する7つの一般的な活動への参加頻度に関して、参加者を5ポイントスケールで評価した。
1994年1月から2001年7月までに、研究開始時から平均4.5年間の追跡期間中に評価が行なわれ、各参加者は約5回の認知評価を受け、111名がADと判定された。
ADを発症する相対危険度は、認知活動頻度の合成尺度が1ポイント上昇する毎に33%低下した。研究開始時の認知活動が10%パータイルの位置にあった参 加者と比較して、研究開始時の認知活動の頻度が50%パータイルの位置にあった参加者のADリスクは28%低く、90%パータイルの位置にあった参加者の ADリスクは47%低かった。
「これらの結果は、高齢者における頻繁な認知活動がAD発症リスクの低下と関連することを示唆している」と著者らは述べている。
「さらなる研究で、認知活動がADリスクを低下させることがより解明され、またその理由も明らかされるだろう」とKoss博士は述べる。
2002年2月19日、医療ニュースより引用、
日本には、多くの諺がある。「使わない刀は錆びる」「宝の持ち腐れ」など人の脳に関わる諺は多い。「三つ子の魂百までも」という諺などは脳生理学から来ている諺である。
先ほどのように使わない刀は錆びるは脳細胞に当てはまる。人の脳の特徴に20歳を過ぎた頃から毎日10万という数の脳細胞が死滅して行く、ところが一生の間では、全体の4%程度の死滅だからたいしたことは無いように思えるが、記憶力や主に記憶の引き出し(思い出し)能力が低下するので、記憶力や脳の低下を実感することになるのです。
脳細胞が死滅するとは脳細胞は使わなければ、また、刺激を脳に送らなければ、瘠せて剥がれ落ちるといった表現が合うのだが、ニューロンネットワークを繋いでいる、樹状突起が死滅して行くと、髄鞘が瘠せて剥がれ落ちることにより、伝達の速度や情報量は低下し、よって記憶力や引き出しの能力が低下するので、益々ニューロンネットワークは、情報の伝達が鈍くなり、記憶力や思い出しの能力が低下するのである。
これが使わなければ刀が錆びるといわれる由縁である。
人の脳の特徴に悪いことばかりではない、確かに20歳を過ぎた頃から毎日の10万という数の脳細胞が死滅するが、五感をフルに活用することで、脳に五感から多くの情報をインプット(記憶)させることで脳細胞は甦る脳力をもっている。
この脳力を「可塑性」という、樹状突起を伸ばし、脳を鍛錬することで髄鞘を太くし、伝達速度や情報量を増やすことが可能になるのです。
脳細胞が錆びるという現象は、丁度電線のカバーが剥がれ、ショートしたような状態になり、伝達が悪くなるのです。
刺激を送らなければ脳細胞はすぐに瘠せて剥がれ落ちるのです。この状態が錆びるということです。
ですから、五感をフルに活用し、五感から脳に情報をインプットすることです。特に、視覚以外の感覚から情報を送ることです。人の脳は五感からの情報を「計算」「判断」「決定」しアウトプット(行動)するのです。この一連の計算や判断、決定を瞬時の内に行うのが人の脳の役割です。ところが、普段から脳に刺激を送らなければ、脳細胞が錆びてしまい、計算、判断、決定も鈍り、誤った判断や行動になることが起こるのです。
例えば、健康のために定期的な運動をしましょうとありますが、これは実は脳の活性化に関係しているのです。「健康脳」のために運動が良いわけなのです。
身体を動かしたり、手先を器用に動かすことは何より脳に刺激を送り、活性化に繋がるのです。現に、脳卒中などでの後遺症のリハビリの第一歩は手足の運動から始まる。とくに指や手の運動から開始することが多いのも脳の刺激に関係している。
このように人の脳は使わなければ錆びるし、新鮮な酸素や栄養素も必要とする臓器である。なんと身体の酸素の内40%、栄養素も20%も必要とする最もエネルギーを消費している臓器なのです。
すべては脳で始まり、脳で終わると言っても過言ではない。
身体や見かけが若い方は実は「脳が若い」と言えるのである。脳が老けると身体の姿勢や思考や創造性まで老けるのです。脳の錆びは身体の錆でもあることを私から提唱致します。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、



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