今月、六本木で消えるもの「ロクプリ&1」

2006-12-24 00:00:06 | MBAの意見
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原因と結果がどこにあるのか、よくわからないままになった西武グループの解体再構築の一環で、プリンスホテル多数が閉鎖または売却されている。

先日、酷評を書いた元幕張プリンスホテル(現APAホテル&リゾート東京ベイ幕張)はAPAグループに転売になったが、バブルの象徴とも言われた美しいパティオ型プールは六本木プリンスホテルの住友不動産への転売価格に上乗せされることはなかった。約500億円といわれる売買金額は、土地代マイナス解体費という査定だったようだ。2007年問題と言われる都内の新築ホテルラッシュの中では、事業継続困難と判断され、事業用ビルに建て直されるようだ

しかし、とはいっても売ってしまった後は、相手が用途を決めるのだから、やはりホテルが足りないとか言って、そのままホテルとして使ったりすることはないのだろうか。まあ、あまりあくどいことはしないとは思うが、ちょっと懸念。

実は、この売り物のパティオ型プールだが、プール自体がガラス張りの金魚鉢型(マカオのではない)。美しい人魚とそれを鑑賞するマッスラー限定といいたいところだが、今までに何度もプールサイドのレストランに行ったことがあるが、人魚どころかサンマもマグロやカワウソはじめ、いかなる生物も泳いでいるところをみたことがない。

e37f6e95.jpgそして、うっかりしているうちに、早くも全館閉鎖日が近づく。「12月25日のチェックアウトをもって営業終了となります。」ということ。あわてて、プールサイド2階の和食店「江戸」にランチのテーブル予約をとるが、早めの時間に来るように電話越しの弱い圧力を感じる。そして、開店時間1分前に店に入ると店員すら誰もいない。11時半からしか給料を払わないのだろう。一回、外に出て、1分後に再度のれんをくぐると、マジックショーのように店員が総揃いになっている。

これで最後と思い、天麩羅、寿司の両方注文。昼間なりの大枚を使って、いい気持ちになる。思えば、バブルの頃に着ていたイタリア製のスーツや靴なんか、いつ頃捨てたのだろうかなどと、わけのわからない感傷が蘇ってきたりする。

そして、小一時間の後、店を出るとゾロっとお客様の待ち列ができていた。そういえば、事前に調べてみたら宿泊の方も、12月の22日、23日、24日は予約で満室だった。なんとなく日本橋東急デパートの閉店バーゲンを思い出して、嫌な気分になったが、こちらはバーゲンではなく正規料金を払っているのだから、と思い直して上を向いて歩くことにする。

そして、このホテルの目の前にあるナイスママのいるスナックバーにもよく通っていて、世界貿易センターが崩れる場面を米系エネルギー会社の日本人と写りの悪いポータブルの液晶テレビで見ていたことを思い出した。幸い、バーはまだ存在しているようだ。

さらに、ついでにもう一つのサヨナラ物件まで歩いてみる。「velfarre」。「12 years dream 1994-2006 great thanks」とは言うが、こちらは1994年から12年の歴史にピリオド。12月31日25時まで。12月25日には、1995年にここからデヴューした「MAX」が緊急出演ということらしい。「葬儀委員長」という言葉が思い浮かぶが口にはしない。

e37f6e95.jpgところが、残念ながら昼間のvelfarreには、何一つ御威光は感じない。昼と夜の温度差。案外、欧米的というのではなく、「アジアの熱気」だったのかもしれない。こちらも、あと1週間、毎日ビッグイベントが入っているようだが、何か、昨年の「サヨナラ!吉野家の牛丼」というノリのような気配も感じる。

そして、もうすぐ2007年。  


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