テルマエ・ロマエⅡ(2014年 映画)

2024-05-16 00:00:23 | 映画・演劇・Video
2012年に第Ⅰ作が上映され、2年後に第Ⅱ作になる。ラッセル・クロウが主演のローマ史劇『グラディエーター』を観た後に、そういえば『テルマエ・ロマエ』の第Ⅱ作を観ようと思って忘れていたことに気付いた。

そもそも、『グラディエーター』はシェークスピアの史劇群のようなスペクタクル映画で、戦闘シーンとコロシアムでの剣闘士の殺し合いのシーンが売り物なのだが、いうまでもなく『テルマエ・ロマエ』シリーズはタイムスリップを使った大喜劇で、比べるのはおかしいが、戦闘シーンは互角。コロシアムでの剣闘シーンは、迫力はグラディエーターよりもエグイ。地下にはライオンの檻まで用意されている。

要するに、日本の温泉や、健康ランド、力士部屋の大浴場、銭湯、といったレジャー設備をローマ時代に持ち込むわけだ。主演は阿部寛で助演が上戸彩。第一作と同じだ。

一応、ローマの歴史に乗っかって脚本が書かれている。戦争の時代、そして平和の時代。ローマは元老院と皇帝という対立軸が長く続き、民衆がいずれを支持するかというニセ民主主義に陥って、滅びていった。公衆浴場というのも人気取り政策の一環だったわけだ。民主主義の欠陥(衆愚政治化)は改善されることなく現在に至っている。

公衆浴場という概念は、古代ローマと日本以外には聞かないが、他の国にとってはホテルのプールのようなものだろうか。主演のローマ人ルシアス(阿部寛)は上戸彩が現代日本に帰る前に「3ヶ月後に温泉工事中に落石事故で亡くなる」と予言されたにもかかわらず、古代ローマに留まることを選ぶ。三作目はお断わりということなのだろう。