らくだ(落語 演:柳家さん喬)

2024-05-22 00:00:50 | 落語
噺すのが難解な落語として有名な落語。真打になりベテランになり、ようやくたどり着くのが『らくだ』。登場人物が次々に登場し、さらに酒を飲んで性格が変るところもやらないといけない。

主要登場人物は、屑屋(廃品回収業者)の男、らくだと呼ばれる大男(ただし、登場した時には死んでいる)、らくだの知人のやくざ者。(らくだというのは体が大きいが役に立たない男のこと。文久年間に江戸の見世物としてラクダがやってきて、それ以降、グズ男の総称になったそうだ。ある日、屑屋がらくだのいる長屋の前を通ると、やくざ者から声を掛けられる。友達がフグを食って死んだということ。

ところがヤクザは貧乏なので葬式が出せない。屑屋を脅して、長屋の月番、大家に金や酒を持ってくるように頼み行かせる。

そして、酒を飲みだすと、屑屋が元気になり、ヤクザに対し逆に上から発言を始める。

さらに、漬物樽にらくだを押し込んで江戸の西北方面の落合にある火葬場に向かうが、これも途中で死骸を落としてしまうという大失態。

余りに長い(約1時間)ので、前半と後半と別に仕上げる噺家もいるようだ。

「屑屋」「かんかんのうの踊り」「桶で死骸を運ぶ」というような江戸の風習は、もはや現代の東京には残っていないので今後心配だ。枕の部分で補足しておかないといけない。

ところで、最後にらくだを運ぶ先は落合の葬儀場。実は現代の落合にも焼き場の付いた葬場がある。偶然なのか、あるいは江戸時代から続く場所なのか、気になる。