終活シェアハウス(御木本あかり著)

2024-05-10 00:00:08 | 書評
『終活シェアハウス』 著者はシニアレディの方で、本作が二冊目ということで、どちらかというと本作は社会小説というのかな。作家の名前よりも推薦者の坂東眞理子氏や樋口恵子氏の文字のサイズが大きいのが不思議だが、出版社の余計なお世話なのだろう。



小学校の同級生四人が68歳になり、それぞれ別の理由でシングルレディになっていて、150平米の神奈川県東部の富士山の見えるマンションに同居している。(神奈川県内の100平米のマンションに住んでいたことがあるが、上の方の階は富士山だけではなく新宿の高層ビルや房総半島まで見えていたので、特にそこに感想はないのだが。)

それぞれには、68歳に至るまでに壮絶な黒歴史があり、同居するようになってから、次々と過去や現在から疫病神のような男たちが現れるわけだ。つまり全体的な流れは喜劇のようで悲劇のようで、最後はどうなるの?というような流れが4人分楽しめるわけだ。喜劇が好きな人も悲劇好きな人にもマルチ対応ということ。

販売価格は税込み1980円と、マーケティング的価格だが、コストを下げるためにページの余白を少なくして文字数を増やし、288頁に収めている。背表紙も表紙と統一デザインで華やかなので書棚の色どりにも最適と書いてみる。