カワサキにとって水冷エンジンはかの”飛燕”以来というらしいのですが、後の900ニンジャからウオーターポンプはユニット化されているので、今から見ると”ビルトイン”は珍しいものと言えるでしょうか。
前回に述べたように、事前にリサーチするとウオーターポンプだけをオーバーホールするのはかなり難儀するようなので、どのみちエンジン全体を分解する予定なのでこのまま作業を進めます。
シリンダーヘッドを外すには通常の作業で問題ないのですが、シリンダーは後部にタイミング アドバンサーが鎮座しているので、これを外してからでないと(隠れボルトがあるので)シリンダーは抜けません。
タイミング アドバンサーユニットの位置はW1以来の伝統なのか、キャブレターの幅を狭くするためのインテークマニホールドの形状により生まれたスペースを利用してウオーターポンプも一緒に組み込んだのか、いずれにしても凄く複雑なシリンダーヘッドです。
もちろんシリンダーもヘッドに負けずに複雑にできています。
インペラーはシャフトにスナップリングで固定されていますが、インペラーには引っ張るための手がかりがないので車載状態では外すのは困難でしょう。
インペラーの反対側のベベルギアを固定するナットを外せば、シャフトとともに抜き出すことができました。