◇ クラウドファウンディングのページ・
日本のモモせん孔細菌病の被害を安全に最小限にくいとめたい(山梨大学教授 小谷信司)
専門はロボティクスになります。特に画像処理・画像認識に興味があり、視覚障害者の方を安全に目的地まで誘導する歩行ガイドロボットの研究をしてきました。
私が山梨県内の桃農家さんとの関わりを持ったのは平成22(2010)年のことです。山梨県から台湾に向けて輸出された桃からモモシンクイガの幼虫が発見されたことで、山梨県から台湾への桃の輸出が禁止になりました。
目視検査で輸出桃がモモシンクイガの幼虫による食害を受けてているかを100%検出することは難しいので、山梨県からの依頼を受けて、X線を利用したモモシンクイガ被害果検出システムの研究開発に取り組みました。
2019年、日本列島を2つの大きな台風が襲い、山梨県も集中的な降雨、強風に見舞われました。その影響で山梨県内全域で桃のせん孔細菌病が発生していることを知りました。
せん孔細菌病は、結果枝、葉、果実被害を伴うため、農家の大きな減収に繋がる深刻な病気です。山梨県内の桃の販売量は、2018年度は18,338トンでしたが、2019年度は14,242トン(前年の約3/4)に激減しています。
せん孔細菌病は薬剤だけでは抑えきれないため、耕種的防除(被害枝の切除・剪除、被害葉の防除、被害果の摘果)が必要になります。
耕種的防除を行うためには、被害状況を確認することが必要です。高所の枝、葉、幼果の被害を確認するためには、昇降機や高い脚立での作業が必要になります。
農家の方の高齢化が進み、高所作業での事故が非常に増えています。そのために、高解像度ビデオカメラを搭載したドローンを利用したシステムを構築します。
農家の皆さんの役に立つとわかっていても、大学の研究費を確保することが困難な状況であるため、クラウドファンディングに挑戦することにしました。
長文の説明なので、一部分の引用です。多数の写真と詳しい説明をご確認ください。桃農家が受ける被害は桃盗人だけかと思っていた私は全く物知らずです。
クラウドファンディングについては、
「クラウドファンディングとは」 のページがこのサイトにありますから、初めての方はご参照ください。 このプロジェクトの寄附募集は 6月30日(火) 午後11:00までです。
地域の名産品を保全する為に行政が動かないのは何故だろう、などと野暮なことは考えずに・・・研究のご成功を祈りたいと思います。
2020.07.01 1,750,000 で終了を確認・祝!