いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

5月10日

2019-05-10 13:59:18 | 特選いぶたろう日記
夢を見た。
またしても、小学校時代の夢を。

その後はけっこう幸せに生きていると思うので、
別に現在どうこうということはないのだけれど、
いまなお夢に見るくらいだから、相当根深く心に刻まれたトラウマであるにはちがいない。

ただ、面白かったのは、細部までリアルに再現された小学校時代の教室風景
(同調しないぼく→やり玉に挙げる先生→一致団結して異端者を火あぶりにするクラス→孤立するぼく)
でありながら、今回は若干12歳の僕に44歳の知恵と理屈、
そして長年に亘り熟成された反骨精神が憑依していたこと。

いつもの調子で勝手な理屈でやり込めようとする先生を、
ありとあらゆる理屈で切り返し、完封する。
一方で(ここがいやらしいところなんだが)周囲にも配慮した言い方で、
クラスの同情・同調を集め味方につけるテクニックも駆使する。

果たして少しずつクラスの空気が変わりざわつく中、
「文句あるなら出ていけ」と定番の決め台詞(思えば人生で様々な人からこの台詞を何度聞かされたことか…)
を喰らった僕は、自ら荷物をまとめて出ていこうとする。
昔の僕は実際にキレた先生に机やイス、カバンから何から全部廊下に放り出されて
出て行けと言われたことがあったが、実際に帰るまではできなかった。
無理もないか。
でもいまならできる。
なんたって44歳、あれほど頑張っていたバンドも会社も辞めた男だ(笑)。

帰ろうと席を立ったそのとき、クラスメイトのひとりがぽつんと、一言漏らした。
おそらくそれは、当時の孤立しきった僕が心から渇望していた一言に違いなかった。

「帰っちゃうの?学校辞めちゃうの?居なくなったら寂しいよ、みんなで一緒に卒業しようよ」

夢はここで終わったが、目覚めた僕はなんとわずかに目を潤ませていた。
自分でも驚いた。

たぶん僕は反抗したかったのではなくて、わかって欲しかったんだと思う。
みんな一緒でなきゃいけない、という小学校での「当たり前」がどうしても苦手な子も居る。
思考停止や予定調和がとことん苦手な子だって居る。
先生の物差しに合わなければすべて一律に否定される環境の中で、
ひとりでもいいからわかってくれる人が欲しかったんだと思う。

思えばその後の人生でも、安易に同調しないスタイルを貫いたために、
随分いろんな所で揉めたり孤立したりを繰り返したもんだった。
だけど最終的に孤独に陥らなくて済んだのは、いたずらに自分を否定して歪めてしまうのではなく、
理解者に出会えるのをじっと待ちながら、
得意な分野で自分にできるベストを尽くしてきたからだと思う。
自分を歪めて手に入れたものは長続きしない。その後もずっとガマンを強いられる。
自然体の自分を認めてくれるものであれば、ずっと気持ちの良い関係でいられる。

数の多寡は問題じゃない、「わかってくれる人」という存在がどれほど大切か。
身に染みたその感覚こそが、「先生」という役割で多様な子供達に接する上でも大きな助けになっている。

と、思えば今日は、そんなワガママ放題の僕のバンド時代に、
最大の理解者のひとりだっただろう、大事な友人が亡くなった日だ。
夢の中で僕に声をかけてくれたクラスメイトは、名前も顔もおぼろげで、
実際の小学校にはいなかった架空の人物だったけど、
あの声や語り口、ひょっとしたら彼女であったかもしれない。
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