いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

憂き世。

2003-05-10 03:35:12 | いぶたろう日記クラシック
「事実は小説よりも奇なり」と言うが、
最近もう世の中はフィーバーしすぎである。
ほんとーに飽きない世の中である。
タマちゃんに釣り針が刺さったと言うだけで一日中そのニュース。
世界中で一日に何万匹の魚が釣り針にかかったあげく窒息死することか。
白装束の軍団が山を占拠。
理由は「電磁波にやられるから」。
おまけに教祖は数年前にシャワーの湯が染みたとかで、
以来シャワーには悪魔だか毒だかが含まれてるとか言って風呂にも入らない。
この白装束とタマちゃんのニュースが、
往復ビンタのように繰り返し繰り返し流されるんである。
かと思えば松浪とかいうヤクザ議員は、
あの鬱陶しい髷を切ったと言うだけで何故か責任をとったことになり、
かと思えば新潟じゃあサスケが覆面を脱ぐ脱がないでもめている。
みんなほんとに正気なのか??

ちなみにこの覆面、俺はもちろん取らないでいい派だ。
だってそれで選挙勝っちゃったんだもん。
素顔じゃなきゃダメだってんなら、
厚化粧のババア議員も、ヅラかぶってるオヤジ議員も、
当然すっぴんで来て貰わないことには納得がいかねえ。
議会の品位がどうたらなんてちゃんちゃらおかしい。
今さら誰も議会が品位のある場所なんて思ってないって。
息のくさそ~な、見るからにヒステリックな、傲慢な、尊大な、
ありとあらゆる欲望が限界まで肥大した、
品位のかけらもない中年と老人の満員電車の攻防の如き空間。
これで選挙に出たんだから、これで通したいという、
サスケの言い分の方がよっぽど爽やかだ。

人材は尽きない。
豊郷町というのを覚えているだろうか。
小学校の建て替えを巡って町長リコールにまで発展した町だ。
この町長というのがまた時代劇に出てくるような典型的悪人顔。
リコールに成功したと思ったら、またすぐ当選してやんの。
理由は、反対派の内紛。情けない。
かくして伝統ある校舎は町長と建設会社の癒着の前に崩れ去る。
現実世界ではやはり悪の方が圧倒的に強いんだな~。
そらそうだ、欲望のエネルギーは無尽蔵だもんな。
イラクの略奪横行の例を見るまでもない。

そのイラク。
先日の朝日新聞によればなんとウランの詰まったドラム缶まで持ち出されたという。
「イエローケーキ」と呼ばれるウランの粉末、もちろん放射性物質である。
イラクが核開発のために十数年前に輸入したものだという。
別に何処かの国の特殊部隊とか、国際テロ組織とかじゃなくて、
中身が何かも知らない一般民衆によって持っていかれたらしい。
彼らの目的は、ウランなどではもちろんなく、ドラム缶。
彼らは中身を川や森にひょいと投げ捨て、
空いた缶で飲料水や油を溜めておいたり、風呂や洗濯にも使うそうだ。
何と恐ろしい……。
彼らの多くが数年のウチにガンや白血病に倒れることだろう。
自然環境中に多く棄てられたということは、そこからの影響も計り知れない。
「知らない」というのは本当に恐ろしいことだ。
日々の困窮が、それが何であるかを考える余裕すら奪ってしまったのだろう。
まこと同情に堪えない。

もうひとつ。
今日、ニュースを見ていて爆笑してしまった。
「三浦和義、本屋で万引きし逮捕!」
……………………ぶっ。
あの三浦である。
ロス疑惑以来、その強烈なキャラで一躍有名になり、
ひょっとしたら無実かもしれず、
だとしたら奥さんを殺された気の毒な人であるにもかかわらず、
ダーティなイメージ故に多くのマスコミと国民のほとんどを敵に回してしまった、
あの男だ。
十数年にもわたる裁判を戦い抜き、やっとのことで無実を勝ち取った。
そうして出てきたシャバでいきなりこれか。
しかも逮捕って…。
好きだねえ。

日本の夏は今年も暑くなりそうである。

痛くない歯医者

2003-05-08 03:32:11 | いぶたろう日記クラシック
嵐のような2ヶ月だった。
3月中旬のツアーから始まって、signalの急ピッチ制作とレコーディング、
すぐにまた大きなイベントライブ、終わるとまたレコーディング。
気がつけばスギ花粉の時期も過ぎ、はやGWも終わってしまった。
よーやくここに来てひと息つけている。

生まれて初めての歯医者なんかも行ってみたりして。
俺は恥ずかしながらこの年まで歯医者に行ったことがないのだ。
小さい頃から不思議と虫歯が無く、そのせいで歯が痛くなってもこれが虫歯だとは思わず、
これはきっとちくびかびん…じゃない、「ちかくかびん」だと決めつけて、
日々うららかな陽射しの下でダンシングエブリデイだったわけだ。
が、その間にも病魔は俺の口の中を侵していった訳ですなこれ。
幼い頃より脳裏に焼き付けられた虫歯の絵、すなわち矢印の形した角としっぽの生えてる、
ダイゴみたいな顔した黒~い奴が、フォークみたいの持って、
俺のキュートなさくらんぼみたいな口の中で暴れ回ったかと思うと恐ろしくてご飯もノドをごっくんだ。
てか、よく噛まないと羊飼いのペーターに叱られますよ。
教えておじいさん。クララが立ったあ!!

生まれて初めての虫歯の激痛、
これはもう頭の中で湾岸戦争が始まったかのごとき地獄だった。
歯だけじゃなくて目玉から首からぜーんぶうずくうずく。
寝るに寝られないし、歯磨いても何してもおさまんないし、
このまま頭がくす玉になって割れてしまえばいいのにとすら。

んでどーにも泣きそうなので、さすがの俺も歯医者に行く決意をした。
とはいえ、飛び込みで行くのはためらわれる。
初めての歯医者で辛い思い出作ると後が続かなくなっちゃうからなあ。
ネットで「いたくない歯医者」と入力して検索します。ヒット!
さっそくアクセスしてみると、レーザーによる無痛治療を謳うホームページ。
しかもウサギちゃんのイラストが踊る踊る。
これは痛くなさそうだ!すぐに電話して予約。
さあイブキ人生初めての歯医者セッション。
いかなる戦いがイブキを待つのか!戦慄と緊迫の次号に続く。

…と思ったがきっと明日になったら覚えていない。今日書こう。
MCなんかでもネタにしたけれど、行くまではほんっと~にブルーだった。
削る時がどうとか、麻酔がやばいとか、神経抜いたとか、
文字どおり「無神経な」メンバーによってもたらされる歯医者体験談。
それらはたかが一医療機関に向かうだけのことを、
あたかも猛獣や毒蛇の待つ人跡未踏のジャングルに臨むかのように演出し、
この俺に相当の覚悟を植え付けたもんだった。

ところが。
神はやはり俺のことが可愛くて仕方ないようだ。
どんなに怠けてても、どんなにほったらかしでも、
最後には絶妙なタイミングの神風によって、
奇跡的に帳尻が合うという痛快な人生をたどってきたこの俺。
受験でも進級でも健康でも人間関係でも、常にそう。
今回もまた超人間的な力に救われたのだ。

それは「時代」。
つまり、単に怖くて行かなかっただけのことなのだが、
それが結果として技術の進歩を待つことになり、
ほったらかしで悪化し、従来の歯医者で味わうべき塗炭の苦しみとは無縁のウチに、
最新のレーザー治療と無痛技術によって、
爽やかに、健やかに、美しく終わったのだから。
歯医者さんもとっても丁寧で、親切に説明もしてくれた。
「ちょっとでも痛かったら手を挙げて下さいね」
こういうのって、痛いって言ってんのに
「大げさだよ~痛いわけ無いでしょ~」
とか言われるんじゃないかと思ってたが、
ほんのちょっぴりしみたときに、思わずしゅたっ!と手を挙げたら、
すぐに治療を中断して、麻酔を少し足してくれたりして、
もう信頼感抜群なんである。

さすが。
「痛くない歯医者」とネットで検索した俺に応えただけのことはある。
思えばこの「ネット」というのも時代の産物だ。
これがなければ俺はきっとこの歯医者とも出会えず、
地元の適当な歯医者によって業火で焼かれたであろう。
ああ、俺万歳。
明日も行くからね!