いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

邂逅

2003-01-14 22:40:39 | いぶたろう日記クラシック
人は誰しも、自分の道を自分で選ぶことが出来る。
誰かに従い続けて今があるという人もいるかもしれないが、
それは自分の人生に責任をもつ勇気を持てないまま、
大人になってしまったということであり、
それもまた一つの「自分の選択」といえるかもしれないのだ。

どういう道筋を選んだかによって、
どこへ行き、誰と出会うかということも大いに変わる。
俺の場合は、音楽を続けていたことで、
得たものと失ったものとがそれぞれあるわけだ。
失ったものを数えていても仕方ない。
収入、安定、計画性。
そういったものにはいまのところ縁のない選択である。
しかし、自由だ。

安定は束縛とウラオモテ、自由は不安定とウラオモテ。
俺は後者を選んだわけだが、後悔する気持ちはあんまり無い。
俺にとって、「先の見える人生」「同じことを繰り返す人生」こそが、恐怖なのだ。
コンビニでレジを打ちながら思う。
これから死ぬまでこの店で働くとしたら。
身がすくむ。
「生きるために生きていく」ことが怖いのだ。
多くの人は「先の見えない人生」が怖いんじゃないかと思う。
俺はそちらの方が楽しいのだ。

行く手に何が待っているかわからないからこそ、面白い。
闇の中を手探りで進む。
すぐ前には落とし穴があるかもしれない。
しかし、自分さえ頑張っていれば、なにかすごいものに出会えるかもしれない。
自分次第で色んなものが見えてくるはずだ。
気持ちの上では常に希望を持っていられる。
けれどこれがもし真昼のただひたすらに伸びる一本道であったなら。
この「何もなさ」が永遠に続くのかと思うと気が狂いそうになる。
昔からずっと俺はそういう感覚なのだ。

音楽という選択肢。
この道は実に多くの人々に出会わせてくれた。
いい人ばかりでもなかったが、悪い人ばかりでもなく、
退屈な人が少ない。とかく個性的だ。
普通では出会えないような人もいる。
こういう人に出会えたとき、自分が選択した道に感謝する。
そして、これからに対しても新たな希望が湧くのを覚える。

昨日、水木一郎というアニメソング界の神とも言うべき人のライブに行ってきた。
12月以降、Rebirthが縁をもった事務所とのつながりの延長で、
「関係者席」で見ることが出来た。
素晴らしかった。
ゲストにこれまたアニソン界の双璧ともいうべき堀江美都子が来ていた。
俺はアニメの世界に詳しい知識はないが、
子供の頃夢中になって見ていた珠玉のアニメや特撮作品たち、
そのほとんどの主題歌をこのお二方が手がけられているのだ。
幼稚園や小学校へ行く道々、一生懸命書き取った自作の歌詞カードを手に、
ふんふんと歌っていたあの名曲の数々が、
今、眼前で本物によって生で歌われているのだ。
感動。

あまつさえ、終演後はお二方にご挨拶する機会を得た。
水木一郎、堀江美都子、そして俺。
この夢のようなトライアングルは5分ほど続いたであろうか。
緊張しっぱなしだった。
お二方とも実に丁寧な方で、
「僕らは後輩を大事にしたい、君も頑張ってね」
というような言葉をいただいた。
最後は握手してもらっちゃった。

いやあ、要はね、コレを自慢したかっただけなのよ今日の日記。
あ~~~頑張って音楽続けててほんと~によかった。
神様は時にこういうご褒美を落としてくれる、ニクいやつである。

霜柱

2003-01-08 09:06:43 | いぶたろう日記クラシック
今年の冬は、寒い。
いや、実はこれが久々にやってきた普通の冬なのかもしれない。
近年は暖冬続きで、今年もそうだろうとの予想が出されていた。
しかし既に2度も都内が積雪するという意外な結果に。
気象庁も頭を抱えていることだろう。
当たっても評価されないのに外れるとぼろくそ。
占いはこの逆で商売しているからキライさ。

何でもこの誰も予想し得なかった厳冬に、原発事故の影響が重なって、
都内の電力需要が賄えず、大停電もあり得る状況なのだという。
こわいね~。見渡せばみんな電気で動いてるからね~。
俺の部屋だけでも…
パソコン、スタンド、ポット、加湿器、エアコン、空気清浄機、充電器、コンポ、テレビ、ビデオ、ゲーム、電灯、掃除機。
う~んやばい。何がってこのタコ足配線ぶりが。
待機電力だけで何ワット使ってんだこの部屋。

ともあれ、寒いんである。
この寒い朝に最近、俺の夜勤明けの帰り道の楽しみが出来た。
それは「霜柱を踏んで歩くこと」である。
これが、楽しい。
土がこんもりと盛り上がっているところを踏みしめる。
するとむぎゅっという何とも言えない音と感触。
見ると無数の霜柱が倒れているのである。
黒い土に白い足跡が残る。このコントラストがまたいい。
新雪を踏むのと似た楽しみだが、この感触がより楽しい。
足で土を振り払うと、下からは一斉に水晶のような霜柱が表れる。
仙台の子にもらったアメに似たのがあったな。
とかく、いたくお気に入りなのである。

子供の頃は感性が豊かで、周りのものすべてに耳目を奪われて、
大人が日々に眩んで見失っているものにまで何かを見いだすと言う。
そしてそれは大人になると同時に鈍りゆくものだとも。
しかし俺の場合は逆のようだ。
子供の頃何にも気にしなかったものに深く興味をそそられるようになった。
植物、動物、風景、至る所で色んな発見をしてしまう。
なんでこんな面白いものをみんな見過ごしているのだろうと思う。
大人になれていないだけかもしれないが、
自分としては結構これで楽しいから万歳なのである。