いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

お世話になった人へ

2005-04-25 03:43:27 | Rebirth歴史資料館
Rebirth退散を決めたあと、こんなメールで報告をしたのでした。
今読むと、涙がちょちょぎれるなあ^^

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ibukiです。
既にお聞き及びのこととは存じますが、この度Rebirthは事実上の解散を迎えることとなりました。何分僕自身も頭の中が整理できていなかったため、メンバーでその結論を得てから日数を経てのご挨拶となりましたこと、ご容赦下さい。

まずはRebirthが力及ばず、ご期待に沿えなくなりましたことを深くお詫び致します。本当に申し訳ありません。実は僕としても、今後もそれぞれが今まで同様アーティストとして生きていくことを考えるなら、いまRebirthを解散することには何のプラスも見出せないでいます。Rebirthは個人単位でとらえたなら全員がミュージシャンとしては半人前で、もしRebirthに魅力があるとしたら、それは絶妙のバランスで半人前が結集した総合力にあると思うからです。しかしそれをキープし続けるためにはメンバー間の意思疎通と深い相互理解が不可欠で、Rebirthはそれを保てなくなったということなのだと思います。

思えば、ここ一年半ほどはそれぞれの価値観も意思もバラバラで、しかもそれを埋めるための努力もできないできました。みんなこのままじゃいけないと解っていて、でも向かっている方向はバラバラでした。そんな中で、僕のバンド外で抱えている仕事が時間的な制約を生んでしまい、それがメンバー達にはバンドがうまくいかない全ての元凶と捉えられてしまった側面もありました。「イブキがバンドに集中しないからRebirthがうまくいかない」ということです。僕は曲がりなりにも10年近く続けてきたバンドを自分から投げ出すのはイヤでした。しかし、自分の家の経済的事情を考えると、高い評価を戴いてまとまった額の給与を得られることとなった職場を辞めることは出来ませんでした。なので、仕事かバンドかの二者択一を迫るメンバーに、
「職場を辞めることは出来ないが、それでも僕というボーカリストを立ててやっていくことに価値を感じてくれるなら、今の条件でも良ければやっていきたい。しかし最早ガマンできないというのであれば脱退もやむを得ない」
と伝えたところ、
「ボーカリストを交代してバンドを続けた方がよい」
との意見が3人から出されました。シュンスケは
「少なくとも今の状況のままでRebirthを続けるのは苦しい、もっと音楽に特化できる環境でやりたい」
との意見でした。僕の見るところ、彼は他の3人に対しても音楽的な不信感があったようです。彼の頭にはボーカリスト交代でRebirth継続、という思惑はないようでした。そのため、他の3人とは一線を画し、自らも脱退という選択をするに至りました。

僕はメンバーに価値を認めて貰えない以上、一緒にやるのは難しいと考えました。シュンスケは僕には価値を認めてくれていたようでしたが、僕の望む雑多な要素を含むエンタテイメントより、純粋に音楽を追求するスタイルでやりたいという考えでした。それは僕も理解できるところだったので、尊重しました。あとの3人はシュンスケ残留をあてにしていたようでしたから、やや戸惑った様子でした。ジュンイチとイチは新バンド結成に向けて動き出すそうですが、イサキはシュンスケ不参加を聞いて立場を翻しました。新バンドには見切りを付けて離れるようです。

僕はRebirthのフロントマンとして、それなりの自負を持ってやってきたつもりだったので、メンバーのこの決定には少なからず悔しさもありましたが、実際に物理的に迷惑をかけてきてしまった以上、言い返すことはできませんでした。また、「俺抜きでRebirth以上のものが作れるというならやってみろ!」みたいな感情もあり、この結論自体にはもう未練はありません。
ただ、期待して下さった多くの皆さんを裏切ってしまう形になることがとにかく心苦しく、最後のワンマンまでどう過ごすか、そのことで今は頭がいっぱいです。

僕は有名になりたい、金持ちになりたいという欲得よりは、自己表現をしたいという一念と観客へのサービス精神だけでバンドをやってきた所があります。だから、最初から必ずしも手段はバンドでなくてもいいという思いはありましたし、公言することもありました。思えば、それが詰めの甘さにもなり、意識のズレにもなり、反感を買う要素になったのかもしれません。仕事にしても、将来の保障とか目先の収入というよりは、自分の力で人の関心を引き、人に喜んで貰う実感のある仕事をしたくて選んだというところがあります。だから他のメンバーとは根本的に考え方の相違があったのは間違いありません。詰まるところ、僕は純粋な「ミュージシャン」ではなかったのではないか、ということです。どちらかといえば「芸人」に近いものがあるかもしれません。今後についてですが、Rebirthという場は失いますが、その後もバンドとか音楽だけにこだわらずに何らかの形で自己表現は続けたいと思っています。

以上、長々と申し述べましたが、これが少なくとも僕から見た今までの実情と、素直な僕の気持ちです。
本当にありがとうございました。とりあえずは7月のRebirthファイナルまで、集大成のつもりで全力で取り組みたいと思います。よろしくお願いいたします。

ibuki
Rebirth

たった一言でいいから

2005-04-08 02:34:03 | favorite songs
僕のとても大好きなバンドの、一番好きな曲の歌詞です。
残念ながら二度と見られないバンドになってしまいましたが、
すげーカッコいいバンドでした。曲もすっごくいいけど、歌詞がとにかく泣かせるんだよね。
無許可ですが載っけてしまいます。


たった一言でいいから  / Black-Sheep Galley

「お前は他にすることがねえのか?」
どっからともなく 声が聞こえる
ツイてねえ日々に ため息をついては
お前のカラダに 手を伸ばす俺さ

「こんな夜がお前に何をくれるんだ?
逃げ出したいなら はっきりそう言ってみろよ」
耳をふさいでも 声は止まらない
でもやっぱり、
お前のカラダに 手を伸ばす俺さ

ヤニ臭い息で お前の胸に沈んでく 俺は
でっち上げの神様にすがりつく 信者たちの様さ

とびきりの殺し文句で 俺を騙してくれないか
騙されたフリくらいなら 付き合ってやれるだろうから
言葉なんか信じちゃいねえけど 俺を丸め込んでくれないか
誰よりも優しい台詞で きっと何もかも忘れさせてくれるから

「独りで眠るのは そんなに怖いのかい
独りよがりだけは誰にも負けないくせに」
忘れちまいたいことが 一つ増えるたびに
バカっ面ぶら下げて お前を求めてる

言い訳を見つけては お前の中に滑り込む 俺は
イカれた幻想の中で 歌うブルースマンの様さ

たった一言でいいから 俺に教えてくれないか
時が変わっていくことは 悪いことばかりじゃないって
ほんとのことはどうでもいいから 俺に信じさせてくれないか
明日の朝に目を覚ませば きっと何もかもがうまくいくってことを

士は己を知るもののために死す

2005-04-05 03:37:40 | いぶたろう日記クラシック
という。
誰しも自分のことを本当に理解して評価してくれる者のためならば、
死を賭してとは言わないまでも、そこに人生を賭けようと思うものだ。

周囲にとって都合のいいところだけをもてはやすのは誰でも出来る。
大切なのは都合の悪いところ、
すなわち欠点とされるところを、どう理解してくれるかだ。
「欠点の理解」とは「コレさえなければイイヤツなのに」では、ない。
人間には誰しも欠点があるということを前提に、
その人ならではの長所に目を向けてその価値を認め、
欠点を補完するものとして捉えることだ。
それが本当の友情とか信頼というものだ。
自分にとって都合のいいパートナー像を一方的に押しつけるのとは、本質的に違う。

自分を客観視することは難しい。
人の欠点をあげつらう者は大抵自分の欠点に気付かない。
しかし本当の信頼関係があれば、お互いに欠点を持つ人間であるという前提で、
耳の痛いことを言い合えるものだ。
「人の欠点を言う前に自分のことを何とかしろ」
これは一面の真理ではあるが、
分別くさいオトナのフリをしたがる者の常套句でもある。
互いに指摘を加え、磨き合い、切磋琢磨してゆくのが理想の人間関係だろう。
陰口をたたいたり、これ見よがしに避けたり、つるし上げにしたり、
うまくいかない何もかもを誰かひとりの欠点や失敗に託けてかりそめの結束を手にしたり、
信頼というものが醸成できていない環境ではそういう風に、みえる。
違うと言ってもそう見える。
それはお互い様だろう。

花粉症。睡眠不足。深夜。過労。経済事情。
あるべき論を歪める現実的なマイナス要因は多い。
こういう場で心情を吐露することを批判する者には、
こういう場でしか吐露できなくなっている状況にあるのだということを、
理解してはもらえまい。

「誰もが出来るわけではないこと」を得意とするが、
「誰もが出来ること」を苦手とする、そんな人間もいるのだ。
誰もが持っている当たり前の何かが欠けている。
だからこそ、その人にしか出来ないこともある。
それを「欠点も多いが他に代えの利かない奴」と見るのか、
「非常識で迷惑な一発屋」と見るのか。
ある方では前者、ある方では後者の評ばかり。

だからだ。

「士は己を知るもののために死す」
俺もまた、そうだ。