いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

あーあ、サントリー。

2022-05-29 22:34:22 | 超・いぶたろう日記
長年愛飲してきたファンの一人として、こういう報道が出たのはとても残念。
飲み物は風味が大事、安倍の臭みが移ってしまっては、
これまでのようにサントリーの商品を気分良く飲めなくなってしまう。

いや、不買「運動」なんてもんじゃないですよ。
誰でも買いたいものを買い、飲みたいものを飲めばいいわけで、
他者の動向には関知しません。

ただ、個人的には、新浪サントリーはちょっと買う気になれないなあ。
東京五輪で下品な広報活動に終始したコカコーラ社は、
先に永久不買にしたんだけど、別に好きなのないんで平気だった。
だけど、サントリーは愛飲してたのが多いから痛いなあ…。
さよなら伊右衛門、ダカラ、BOSS…。

…とまあ、こういうこと書くと、
また蒼臭いとか子供じみてるとかバカにされたり、
キレイにスルーされちゃったりするんだろうけどね。

でも、企業としての遵法モラルが曖昧で、
こういう線引きがきちんとできない経営陣だと判ってしまった以上、
当然そこの製品に対しても安心して口にできるのか?と思ってしまう。
コンプラ意識が希薄で、会社的にオイシければ法的にグレーでもやっちゃう、
だけど品質管理だけはちゃんとやってますから…なんて、
ちょっとムシがいいように聴こえてしまう。
そこは安倍ベッタリの社長のせいで、
現場で真面目に働いてるサントリー従業員が気の毒にも思う。

だけど、やはり僕は気持ちよくサントリー商品を口にできなくなってしまった。
代金のうちほんの数円でも、
安倍やその信者の飲み食いに使われたとしたらこんな不快なこともない。

大袈裟かな? 子供じみてるかな?
でも、こうした問題への感度の低さを
「もののわかった大人」と言い換えちゃうのもどうなんだろう。

「多かれ少なかれどこでもやってることだよ」
「経営には政治との付き合いもあるんだから仕方ないよ」
「過敏だよ、潔癖だよ、不買とかオトナゲナイよ」
「おまえが買わないくらい、痛くも痒くもないよ」

そんな定型句で思考を止めちゃう主権者ってどうなんだろうか。
文句も言わない、異論も唱えない、怒らない、とにかく波風立てない、
権力者に都合のいいだけの存在が「社会人として一人前」なんだろうか。

ダメなものはダメ、って、結構大事なことなんじゃないだろうか。

というわけで、新浪社長在任期間中は、僕はサントリー商品を私は買いません。
矢野が監督やってる間は阪神ファン休業、と同じようなもんです。
現場の従業員や選手の苦労を理解しないわけではない、
けれど僕の中では疎かにできない一線をということです。

キリン、アサヒが良心を示してくれたことで、
これからもこの二社は愛飲しようと思う。
午後ティーも十六茶も大好きだし。
そして何よりまだ僕には信頼と実績の伊藤園がいるじゃないか。
ここはまだ旗幟鮮明にしてないけど。

というわけで嫁よ、お土産のプレモルは今度から一番搾りかスーパードライ、
たまにヱビスになるからよろしく。

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30年ぶりの……

2022-05-23 23:32:39 | 超・いぶたろう日記
刈り上げくん。
あんまりロックじゃないけど、思った以上に快適。
もう人生後半戦はコレで行こう。

どうなってるのか見たくて撮ってみたんだけど、
さてこれは自撮りに入るのかどうか。

床屋をサボり、危うく日村になりかけてたので、サ
ッパリ切って難を逃れたつもりでいたのだが、
問題は下顎および下っ腹周辺にいまだ色濃くあり。

加齢による首元のイボもチャームポイント。
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通信簿

2022-05-23 23:23:58 | パパと呼ばれて〜親バカデレデレ日記

自分が「好いパパ」なのかどうか、自分ではよく判らない。
超がつく親バカなのは充分に自覚あるけど。

ただ可愛くて仕方がないというだけで、できてないこともたくさんあるし、
これが高じて過保護になって盲目になって…なんてことだってあるかも。

でもまあ、どうにかここまでは元気に育ってくれてるし、
虐待するよりは過保護なまでに溺愛してる方がまだマシだろうし、
親とはどうあるべきかなんてわからないけれど、
わからないなりに何とか「親」としてやれてはいるのかな。

これからも衣食住+学くらいは不自由させないように、
頑張って70歳😭まで働こうとは思う。
ただ、それはあくまで僕の個人的な目標であって、
一般に「親として当たり前」なのかどうかは、断言するのがちと難しい。
家庭環境であったり、経済状態であったり、
抱えた事情によってはそんなことすら絵に描いた餅でしかないのかもしれない。

僕も大した贅沢はさせてやれないかもしれないが、
何とか心身の危険からは守ってやりたい。
親の努力では及ばないような天災や事故・犯罪・病気、
そして戦争なんかには巻き込まれないよう、祈るばかりだ。
ウクライナで、シリアで、ガザで、イラクで、ミャンマーで、
どれほど子供の幸せを願っても踏みにじられ、血と涙が流されたことか。
戦地からの映像には、それがどこであれ以前にも増して心が痛む。

生徒たちも親戚の子も数多く見てきたし、
いままた我が子を2人授かってみて実感するが、
子供は本当にいろいろで、親との相性もまたさまざま。
「こうすればみんなうまくいく」
子育て論・指導法なんてのはちょっと信じにくい。
受け止める子供の感性・理解力・好き嫌い・得手不得手もさまざまなら、
発信する親の価値観・説得力もさまざま。
アプローチの仕方は無数にある。
誰しもたまたまウチの場合は、それもとりあえずいまに限っては、
という前提でしか語れない。
親がこれが奏功してる、と信じ込んでいるようなことでも、
子供からしたらてんで的外れだったりもする。

つくづく、親というものは難しい。
塾の先生なんかよりもよっぽど。
日々手探り。
きっとこれからどんどんそのハードルも上がっていくんだろうな。

こんな僕でもいっぱしの父親ヅラしていられるのは、
もちろん嫁さんの奮闘あってのことなのだが、もうひとつ。
とても僕のDNAを受け継いだとは思えないほど、
素直でおだやかな子供たちのおかげでもある。
少なくともここまでは、巷間耳にするような、
ひどく手を焼かせられるようなあれこれもなく、拍子抜けするほど順調に来た。

とはいえ、育児3年にも満たないんじゃあ、まだ何とも言えない。
いやいやまだまだこれから、もうじきいよいよですよ……なんて、
先輩パパママのみなさんに笑われそうだ。
そうだ、忘れちゃいけない。
この子たちは「あの」僕の血を受け継ぐ子なのだ…。
さながら時限爆弾のように迫り来る「因果応報」の四文字。
我が来し方を省みる度に背筋が寒くなる。
嫁さんの素朴な血でとことん薄まっているとよいのだが…。

そう、結局は育児なんて言っても、子供との協働作業であって、
親ばかりがアタマデッカチになって血道を上げたところで、
なーんか違うんだよな。
何歳であっても、まずは子供の顔をよーく見て、
話を聞いて、しっかり向き合うこと。
すべてはそこから。

結論ありきで近道しようとして、
親がおざなりの「正解」をお膳立てなんかしちゃダメ。
それは、うん、この仕事を20年近くやって来て、
ほぼ確信に近いものがあるなあ。

そういや、振り返りみて、僕の母も僕に何も強制しなかった。
それが良かったのか悪かったのか微妙だけど(笑)、
でもその点僕は母にとても感謝している。
父は当該期間、長期不在(笑)にしてたのでノーコメント。
僕はけっして不在になんかしないと強く心に決めているので、
反面教師としては…まあ…。

さあ、とはいえ、頭では解っていても…というのが親という生き物。
子供達からの通信簿は30年後くらいかな?
落第しないと良いなあ…。

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愛息2歳と7ヶ月

2022-05-16 22:03:53 | パパと呼ばれて〜親バカデレデレ日記


はやいもんで、夏が終わればじきに3歳。
1歳児は身体能力の獲得ペースがすごかったけど、
2歳児は語彙の獲得ペースに目を見張る。
「おお!そんな言葉をいつ覚えた?」という毎日。
赤ん坊が少しずつ人間らしくなっていく過程がとても興味深い。

お気に入りの動画やブルーレイを見ながら、ブツブツ台詞を繰り返していて、
ものによってはすっかり覚えてしまっているものも。
クルマが大好きで、ディズニーの『カーズ』が大好きなのだけれど、
ずっとキャラクターと一緒になって喋ってる。
英語学習である「シャドーイング」ってこういうことなんだな…と納得。 
歌も大好きで、何曲か歌える(もちろん歌詞はテキトー)。
動画でかかると楽しそうに踊りながら歌ってる。

とはいえ、まだまだ喋る方は舌足らずで、得意不得意があって面白い。
 「レッツゴー・レーシング!」が言えるのに、「てんとう虫」は言えない。「救急車」も「消防車」も「清掃車」も、「しーしーしゃ!」になる。
なのに、なぜか日産の車だけは(それも極めて精確に判別して)
「あっ!にっしゃんのくぅま!」と呼ぶ。
「あいがと!」「ごめんね!」「おやしゅいなしゃい」はひととおり言える。
朝は「おあよー!ぱっぱぁ!おきて!もう〜時だよ!」と来る。
最近は「ぱぁぱ、あしょぼ〜!」がたまらん。
自分の名前はうまく言えず「てゅっとぅん」になる。

こういうのがいちいち可愛くてもう。
ほんとあと10年くらいこのままでイイのに、と思う。
実際そうなるとおれ57だからキツいと思うけど。
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それはルッキズムというやつだぞ

2022-05-15 23:15:46 | 超・いぶたろう日記
日本人は特にその傾向があるらしいんだが、
だいたい久しぶりに会うと、必ず太ったの痩せたのと体型の話になる。
痩せてる方は気分よかろうが、そうでない側はそうでもない。
痩せてるからといって、なんで見下ろしてくるんだろう。
普段、いろいろ我慢して頑張ってる分、
ここぞとばかりに他者の不摂生を上からたしなめ、
健康を心配するフリして「歳の割にはイケてる自分」を遠回しにアピールし、
優越感に浸りたいのか。

「痩せてる、若い、変わらない」
みんなそんな風に言って欲しそうな顔だ。
「え〜、そんなことないよ〜、もう全然肥っちゃって〜」
帰ってくるセリフも決まってる。

でも正直、そういうやりとり、もう面倒くさいぞ。

もちろん、悪気はないのだろうけれど、
例えば子供を産んだりだとか、病気治療や投薬の影響だったりとか、
人にはそれぞれ事情があるので、
あんまり不用意に見た目だの体型だの、
無神経な話題は避けるべきではないのか。

だいたい、見た目しか話題がないなんて脳味噌貧困なのバレバレじゃねえか。
だいたい四十を過ぎて見た目どうこうなんてスケベ心、みっともねんだよな。
見た目の若さにしがみつこうだなんて落ち目の証拠だよ。
十代二十代から見ればただのちょっとイタイおっさんおばはん。
一部マニアを除きほぼ完全射程外。
斜め上からの自撮りとか、飛ばしまくったプロフとか卒業しなさいっての。

ついでに言うと、芸能人の誰それは何歳でもどうだの、
産後なのに細いだの、諦めちゃダメだの、アホかと思う。
そもそも比較対象がおかしいだろ。
商品価値の維持に全てのパラメータ振り切れる富裕層の経営努力と、
生活維持に疲弊し見た目など任意項目のひとつに過ぎない一般人を、
一緒にすんなと。

じゃあ何か、おまえは村田兆治を引き合いに、
還暦過ぎて135キロの直球投げられると思うのかと。
110キロ超のフォーク投げるのかと。
全員マストで三浦カズで山本昌かと。
えなりかずきは逆だろと。
白木みのるは…もうようわからんよと。

…ああ、もちろん、おれには考慮すべき事情もクソもないけどな!
ああそうだよ、タダの過食と運動不足だ!
…うるせえ!!説教すんじゃねえ!
この体型ファシストどもめ!
デブに人権を!

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さざなみ

2022-05-14 17:13:55 | 超・いぶたろう日記


千葉某所の自宅から、昔の仲間と会う高田馬場までの最速ルートを検索したら、
「特急さざなみ」をオススメされるの巻。
職場も千葉県内でしかもクルマ通勤、
滅多に都内にも出なくなったのであまり実感なかったけど、
かつては東西線で30分だった馬場まで行くのに特急となると、
さすがにどっぷり千葉県民を痛感するのねん。

バスが遅れて時間ギリ、特急券を買う間もなく、
車内でも買えるはずと信じて飛び乗った。
小心者の僕は車掌さん来るまでドキドキ。
来たら自分から手挙げて申告したりして。

しかし快適だなー。なんか小旅行気分。わるくない。
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会ったこともない人の気持ちなんてわかるかよ

2022-05-12 22:55:07 | 超・いぶたろう日記
本人にしかわからない痛みや苦しみというものはあるので、
あまりうかつなことは言えないんだけれど。
まあ、とにかく残念。

ただ、無責任で勝手な意見を言わせてもらうなら、
芸人として世に出た以上は、裏側でどんなに辛いことがあっても、
表向きはやはり最後まで笑いを貫いて欲しい。
これじゃあ、とても笑えない。
いままで笑わせてもらってたのは何だったのかと思えてしまう。
気楽に笑っていたことに一抹の罪悪感さえ覚えてしまう。

アニメやドラマの最終回で主人公に、
「これはアニメなんだ、マンガなんだ、フィクションなんだ、すべてはつくり話なんだよ、なに楽しんじゃってたの?」
と言われたような。
冷水を浴びせられたような。

そしていつもの通り、こんなことすらも商品化したくて仕方ないテレビ。
社会的な影響を考慮して、詳細については報道も自制するのが、
昨今の「モラル」(テレビにそんなもんあるのかと思うけど)らしいが、
各局とも「いのちの電話」を最後に紹介さえすればOKみたいになってる。
そして、皮肉なことに、詳細が報道されないと今度は、
以前の俳優の自死のときのように、
他殺だ陰謀だと喚くアホが湧いてくるという………。
はあ。なんとも。
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18年ぶりの優勝は19年も前になるのか

2022-05-09 22:51:11 | 超・いぶたろう日記
昔の写真を捜そうと田舎の蔵の中にトライしたら、
約20年前のタイガース優勝記念・トミカ選手コラボセットが、
良好な保存状態で発掘され、バス・トラック大好きな息子に引き継がれたの巻。

これはたしか、Rebirthのファンの方にいただいたのではなかったか。
実家を出る時まで飾ってあって、
それがまさか時を超えて息子の手に渡るようになるとはなー。
赤星、今岡、金本、片岡、井川…みんな引退しちゃった。
鳥谷も能見もまだいない。星野監督はもう故人だ。
どうしようもなく時は流れた。

とにかくクルマが大好きな息子、おもちゃ箱には大小数十台のコレクションが。
家中を「ぶううぅ〜ん」と走らせ、
しばらくするといつもこんな感じでキレイに並べてる。



よく見るとちゃんと種類別にしてある。
2歳半ってなかなか賢いなあ。
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晴遊雨読

2022-05-02 19:40:54 | 超・いぶたろう日記
GWは10連休。
独立してよかったなあ…と毎年我が身の幸運を噛みしめるこの時期。
かといって、別に人混みと渋滞の中、わざわざ遠出する気にもなれず、
晴れた日には息子と近くの公園やショッピングセンターに、
雨の日には自室で子どもを遊ばせながら好きな本を読んでいる。

いま読んでいるのは、
『「太平洋戦争」は無謀な戦争だったのか』(J.B.Wood著・茂木弘道訳・WAC'09)
出版社も訳者も右なので、タイトルは扇情的だけど、
アメリカ人原作者の冷徹な分析は興味深い。
(ちなみに原題は"Japanese Military Strategy in the Pacific War"

「日本陸軍は数々の重大な欠点を非難されている。攻撃至上主義、防御に対する蔑視、兵站学の無視、反合理的な思考、自殺的行為に対する狂信的期待感……派閥主義と競争への潜入的愛好、近代戦争を首尾よく戦うために要求されるべきことを、基本的に間違って解釈したことに加えて、不適切で、進歩していない産業的、技術的基盤があった。」

これ、よく指摘されることだけれど、
近年の自民党・日本会議の政治手法と似ていないだろうか。
彼ら大日本帝国の亡霊が、再び日本を衰退に導いているのが、わかるだろうか。
大日本帝国と現自民政権の大きな共通項は、
「反知性主義・非科学的姿勢」と空虚な父権的「権威主義」。
ただこれは政権だけでなく国民性に深く根ざしたものであるかもしれない。
インチキなスピリチュアルやマルチ商法の跋扈、
陰湿なセクハラ・パワハラ・いじめの蔓延、人権意識の低さ。
もう日本人の宿痾とも呼ぶべきものだ。
世界中どこにでもあるといえばそりゃああるけど、
そう強弁して反省も改善もしない態度こそが日本の課題じゃないのか。

日本はかつて中国に学び、ヨーロッパに学び、アメリカに学び、
見よう見まねでどうにか「追いついた」ことにして、
虚飾の「一等国」を自称してきた。
「科学」もまた、相反するようだが日本人にとっては一種の「信仰」のようなもので、
それも憲法や議会政治と同じく「一等国」に必要らしいからと、
欧米の猿真似でうわべだけなぞって取り繕ったものなのかもしれない。
だからこそ簡単に「宗旨替え」ができるのだろう。

この辺り、『近代日本一五〇年』(山本義隆・'18岩波新書)をひもとくと、
「殖産興業・富国強兵」から「挙国一致」「高度国防国家」「高度経済成長」を経て、
原発事故やコロナ狂騒に至るまで、日本人の心性が何も変わっていないことに驚く。
内田樹は『日本辺境論』で、辺境の島国に過ぎない日本の発展は、
常に世界の覇権国に学び続けた姿勢にあると看破したが、
果たして本当の意味で学べていたのかどうか。

『近代日本一五〇年』より。

「科学技術の破綻としての福島の原発事故、そして経済成長の終焉を象徴する人口減少という、明治以降初めての事態に日本は遭遇している。大国主義ナショナリズムに突き動かされて進められてきた日本の近代化を改めて見直すべき決定的なときが来ている」

…なのに震災後のこの十年、有権者はアベノミクスなんてペテンを信奉して、
ものの見事に国を挙げて貧しくなっただけ。
学びとは程遠い連中に政権を牛耳られ、コロナ禍でも右往左往・朝令暮改、
「反ワクチン」陰謀論者まで湧いて出て、
感染が収まっていないのにGWで通常モード強行。
「先進国」と名のることすらおこがましく感じられる昨今の迷走ぶり、
そしてそれらを「棄権」という形で無邪気に支持している有権者を見ると、
もう、嘆息しか出ない。
加えて世界的物価高と急激な円安にもまるで無策。
はい詰んだ、としか言いようがない。正に第二の敗戦。

先の戦争においても、

「日本にとって圧倒的敗北に取って代わるべき真の選択肢は、逆にその敗北に相当するような日本の圧倒的勝利にあるのではない。過剰な拡大路線を回避し、統合的な縦深的国防圏を構築し、消耗戦を戦うことを断固拒否し、もっと効率的な戦いをすることによってより長く生き延び日本に対して文句なく圧倒的完全勝利を収めるという敵の目標は、その甚大な対価に価しないということをアメリカに思い知らせることにあった。」(『「太平洋戦争」は無謀な戦争だったのか』)

そう、あの局面で決して敵にしてはいけない国と戦う道を選んでしまった日本は、
夜郎自大なメンツだけで非現実的な戦略で全面勝利を目指すのではなくて、
老獪に狡猾に、相手国を自分たちの得意な土俵に上げるしかなかったろう。
国土の荒廃と深刻な後遺症を招いてしまったので一概にお手本とは言えないが、
事実、圧倒的なアメリカの物量の前にも、ベトナムは負けなかった。
「知彼知己、百戦不殆」とは、こういうことじゃないだろうか。
日本は昔もいまも自国の特性や限界を見誤り、
無意味に肥大した自意識と無益な見栄と虚勢によって自滅する。

………なんてことをゆっくり考えられるのは、本を読む時間がたっぷりあるから。
GW最高。10連休万歳。
休みの日にまで強迫観念に駆られて無理に見栄えの良い観光地で疲弊したり、
拝金主義だらけのYoutubeなんか見てるより、
のんびり本でも読んでる方が余程心にもアタマにもイイよ。
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