いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

夢を見た

2007-11-23 17:10:43 | 特選いぶたろう日記
大阪の、北の外れ。
「奥座敷」とも呼ばれる緑豊かなその土地は、
僕が不遇な小学生時代を過ごしたところだ。
かといって僕はこの土地を忌み嫌っているわけでもなく、
むしろ少年時代をああいう環境で過ごせたのは幸せだと思っている。
この「不遇」の2文字は結局、学校と父親によるものだ。
とにかく学校が僕に押しつけるものは平等という名の不公平、
秩序という名の思考停止であって、
父親は僕にとっては権威と暴力の権化だった。
そんな中で自分なりの在り方を求めて、
何を言ってもやっても否定され続ける毎日が、僕を押しこめていた。

実際は違ったのかもしれない。
僕の主観による回想と総括であって、
傍目から見ればもっと違う風に見えているのかもしれない。
ただ自分の中でもうまく消化できない思いやわだかまりがあって、
それを上手に自制の利いた形で表現する巧さも持っていないから、
公立小学校教師や教師の忠実なるしもべであるところの生徒達には、
とにかく厄介な、秩序を乱す異端者であったには違いない。
先生にはとにかく嫌われたし、「先生支配」の王国の中では、
僕はまさに「非国民」であり、石をぶつけて蔑むべき存在だった。
「友達の友達がアルカイダ」じゃないけれど、
「非国民」の友達になろうなんて物好きがいるはずもなかったし、
「孤独」以外に自分自身を形容する言葉を、当時の僕は知らなかった。
いまなら、「孤高」と言い切る図々しさがあるけどね(笑)。
まあ、よくある話という風に片づけて貰って構わない。

父親は僕の心を感じようとはせず、
いつも上から目線で自分の主観をぶつけ、
ただ僕の未熟さを指摘し、怒鳴り、殴った。
そういう問答無用の厳しさが愛情であるとカンチガイしていたのか、
それとも彼自身もまた親の愛情に飢えて育ったがゆえに、
「親子」という経験値が乏く、拙かったのか。
はたまた「厳しい父親」を演ずる自己満足だけだったのか。
今となってはもうわからないし、
問うて語り合ったところで、
もっともらしい後付しかもたらされないかもしれない。

そんなわけで当時の僕には、学校も父親も監獄でしかなかった。
だから僕の悲願は「脱出」。
そう、僕の中学受験は決死の脱出劇だったのだ。
窮鼠猫を噛むのことわざ通り、追い込まれた人間は信じられない爆発力を生む。
それ以外にあの難関突破を可能にした理由が見当たらない。
今、自分の受験した年の入試問題見ても、なんで受かったのかよくわかんないしね(笑)。
だから、普通受験突破は人が過去の栄光として語る部分だが、
僕にとっては、今ある自分の全てのルーツ=「脱獄」なのだ。
いぶろぐの感想と思われる他のブログ記事で、
高学歴ゆえの低人格(笑)みたいな斬って捨てられ方をすることも少なくないのだが、
この点、よく知りもしない人に、
学歴社会の序列の中だけで価値を論じられるのは非常に不愉快だね。

さておき。

脱獄囚が自分の囚われていた牢獄を外から振り返りたくなることはあるだろうか。
僕はそんな心境でかつての土地を眺めに行くことがある。
むしろ、人よりもその傾向が強いかもしれない。
なんて言うんだろう、自分がかつて苦しんだ環境を、
余裕が持てる様になってから眺める爽快感というのか。
レベルが50越えてからスライムとか滅多切りにするのに似ているかな(笑)。
暗いなあ、オレ。

で、夢をよく見るのだ。
当時の夢だったり、大人になってから向こうを訪ねる夢だったり。
昨日は丘の上に立つ一軒家を訪ねる夢だった。
明らかにその土地の一角であることは判るのだが、
その丘と一軒家は架空だ。
そして僕は誰の家なのか知ってるはずもないのに、
なぜかためらうこともなく、インタホンを押す。
果たして出てきたのは小学校の隣のクラスの担任。

・・・なぜ(笑)。

もし、僕の通った小学校の6年2組出身の人がここを見ていたら、
大爆笑しているはずだ。
そう、あの女教師。
専制君主、独裁者の称号がぴったりくる、
それでいておそらく彼女自身の自認としては人情の、
典型的80年代地方公務員型公立学校教員。

全てが意のままに管理できないと気が済まない彼女は、
自分の構築する秩序を蝕む中学受験というシステムを毛嫌いし、
一方的な偏見と先入観とで僕や彼女のクラスの受験生を圧迫した。
僕はまだ顔を合わせたらイヤミを言われる程度で済んだが、
悲惨なのは隣のクラスにいた同じ塾のKだ。
彼は当時の僕の数少ない貴重な友人で、
幸い彼女の妨害にもめげず、その後灘中に進み、
今では世界を舞台に色んなことをやっている、実に愉快なヤツだ。
ヤツとは2年ほど前、実に15年ぶりくらいで会ったのだが、
その時にも話題に上るほど、僕らの間ではトラウマになっている存在だ。

そんな彼女が、出てきた。
年老いた容貌で、あのときの威圧感は失われていたが、
それでも往時をしのばせる乱暴な口調で、上から目線で話しかけるのだ。

「おう、なんや、イブキやんか。なんや、いまも東京でエラそうにしてるんか」

うーん。言うかなこんなこと。でも言っても不思議じゃないか(笑)。
そしてこのあと、問わず語りに彼女は言うのだ。

「昔は色々あったけどな、すべてはアンタらのことを考えた上でのことやで」
「アタシにも色々言い過ぎたとこあったけどな」
「世の中自分の都合だけで回れへんよ、っていうとこを教えたかったんや」
「せやからアンタらもなにくそ、と思うて結果出せたやろ?」
「別にアタシのこと嫌うのはかめへんけどな」

架空だよ、虚構だよ、夢の話だ。
でも、ありそうですっごくいや~な話だ。
全部、あとづけ。言い訳。正当化。自己弁護。
そういうことは教え子の方が自発的に悟ることであって、
教師がだらだら説明するようなことじゃない。
伝えることも教師の仕事。
伝わらなければいかなる思いの元になされた教育も意味がない。

まあ、僕はそんな風に後付で言い訳しなきゃいけないような教師にはなりたくないな、
そう思って目が覚めたわけです。

後味が非情に悪かったので、これから口直しにうまいもんでも喰って来ようと思います。
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あるまーにじゃなくてよかった

2007-11-16 02:29:58 | my lyrics
まいにちまいにち忙しい
心を亡くすと書いて忙しい
心を亡くすってどういうことかわかんないけど
とりあえずまだ俺の心は亡くなってない、か?
あるまーにじゃなくてよかった

おれがあるまーにだったら
何を描いてもデザインになっちまって
まるにちょんちょんとだけでも
値段がついちまう
そのくせ頑張ってもまあそこそこ新作で
いいとも悪いとも言ってもらえなくて
で、忙しそうにあちこちお偉いさんと会う
そのうちにそこそこ売れていく
そんなんで、いい感じで成り立ってしまう
心、亡くなってないか、それ

まつざかじゃなくてよかった
ちょっとずれたらちょっとじゃすまねえ
1億ドル払えないよ
ふじかわじゃなくてよかった
ちぎれるよ、腕
心、亡くならないと良いな

ぱばろってぃじゃなくてよかった
名前しか知らないし聴いてもないけど
その、聴いたことあるだけでエライみたいのやめてくれる
映画とかさ音楽とかさ
外人の名前いっぱい言えたらエライみたいなの
本棚ぎっしりで満足みたいなの
鼻歌で
サザエさん歌っても3大テノール
おさかなくわえた3大テノール
追いかけて
採譜忘れて
あと二人ってだれ?

ぷれじでんつじゃなくてよかった
押しちゃダメったら
押したくなるじゃん
どこまで押しても大丈夫かな的な
あっ、あっ、あっ

・・・いやあ、本当によかった

おれはおれでよかった
防衛省にいなくてよかった
民主党代表じゃなくて良かった
ねじれてなくてよかった
JACKJACKにいなくてよかった
力士の嫁さんと知り合わなくて良かった
ボクシングとか好きな親父じゃなくて良かった
人並みに空気読めてよかった
あいつじゃなくてよかった
あいつでもなくて本当によかった

心、亡くしてなくてよかった
よかったよかった
忙しいけど

まじで
忙しいけど
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毎年のことですが

2007-11-09 03:47:51 | いぶたろう日記クラシック
超繁忙期にさしかかり、連日忙しくしております。
受験生はいよいよ追い込みに入って相談や質問が増え、
一方で保護者会や個別面談も多く、
はたまた冬期講座の準備、そして新年度…と、
怒濤の日々が始まるわけです。
何より体調管理に努めないと乗り切れないんですが、
なっかなか風邪も治らず、体中バッキバキで、ちょっとブルーです。
最近はもう肩こりひどすぎて、咳しただけで肩胛骨が痛みます。

で、ここもまた更新が滞りがちなんですが・・・
まとめて、近況報告&雑感。

1)中日おめでとう
強かったすね。
もう、落合監督丸刈りの辺りからドラマ始まってましたね。
あれだけ見事な勝ち方されちゃあ、もう認めるしかないでしょう。
タイガースの猛追も、巨人の優勝もかすんじゃったね(笑)。
日ハムはやっぱり監督がアレじゃあ、ダメでしょう。
早々に退任表明して、日本シリーズ直前に渡米して次の契約行っちゃってんだもん。
でね。
今回一番イヤだったのは、例の完全試合を巡るスポーツ紙の書き方。
日本一決定の翌日の見出しはみんな、
「非情、オレ流」
「個人記録より優勝」
でさ、「完全試合潰すなんて夢がない」みたいな論調一辺倒だったでしょ。
何らかの事情があるかしれないのに、それを確認もしないでさ。
で、山井本人の希望であったこと、マメが流血してたこと、その辺が明らかになると、
あれだけ落合のことボロクソ言ってたくせに、謝りもしないで、新事実書いて終わり。
ヤナ感じだよな。
事実関係をきちんと確認しないで、
主観だけでものを言うとサムイという典型例ですね。

2)連休使って
浜松の田舎へ帰りました。
もう祖父母とも80歳越えて、ふたりとも病気抱えてて、
それでも昔と同じように一生懸命田舎の家を維持してて。
ふたりをずっとほったらかしているようで、
何だか申し訳ない気持ちがしました。
会えて嬉しいんだけども、もう一緒に過ごせる時間は、
残り多くはないと言うことを実感させられてしまい、
胸が締め付けられる感じもありました。
出来るだけ大切にしてあげたいと思います。
で、そんな二人と見た「昭和歌謡大全集」みたいな番組。
昭和20~30年頃の歌謡曲になると、祖父母とも目を細めて口ずさむんだよね。
心の片隅に遠い日の残像を思い浮かべながら、さ。
それを見て、歌の力の偉大さを痛感。
また、今は全然売れてなくても、オリジナルの歌い手として出てくる歌手達が、
みんな堂々としているのがまた、いい。
年老いていても、多少太っても、オリジナルが歌うから、いい。
その声で、その節回しで、歌に象徴される昔が鮮やかに蘇るんだ。
一度歌を世に出した人には、一生歌い続ける義務があるね。
そう思う。
Rebirthの曲にもそんな風に感じてくれる人、いるかなあ。

3)また太った
忙しくなると、筋トレやら散歩やらもサボりがち。
ストレス溜まるとバリバリ喰ってしまう私、
気がつくと、また太っていました(笑)。
70kg迄はさすがに戻らないけど、ちょっとこれじゃコワイよなー。
てなわけで、リトライです。
とりあえず、夜喰うのやめよう、ほんとに。

4)小沢ガンバレ
あんなにウェットな人だったっけ?
安倍と言い、小沢と言い、なんかみんなメンタル弱いなあ。
とりあえず、自民と民主で拮抗しないと面白くないぞ。
やめるって言い出すのも人間なら、撤回しちゃうのも人間だ。
叩くだけなら誰でも出来る。
今後の実績で何もしないくせにやたらと偉そうなマスコミを黙らせるんだ。
がんばれー。

5)飛び降りる時は
下をちゃんと確認しようぜ。

6)眠れない夜は
新・必殺仕置人だぜ。もっと眠れなくなるぜ。

7)最近読んでいる本
『憎まれ役』野中広務・野村克也
なんかよく解る。野中は小泉の陰で、野村は長嶋の陰で。
あまり深く考えることなく、派手なパフォーマンスで支持を集め、
何を言ってもやっても許され、愛され、ちやほやされる強烈な光。
それを遮る者はどんな正論を吐こうとも、拗ねてる、僻んでる、いじけてる、で片づけられちゃう影。
ともすると大政翼賛会になってしまう日本社会で、
嫌われようが憎まれようが、持論を貫いた彼らの陰が僕は好きだ。

『幼児化する日本社会』榊原英資
面白い。
ここんとこ僕の中でくすぶっていた、日本社会に対するもやもやが、
すべて明快に解かれ、整然と語られている。
読んでスッキリと頭の中が整理された感じ。
久しぶりだな、こういう爽快感。

8)眠くなってきた
ので、寝ます。おやすみなs
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