コンサル型思考というのか、何でもカテゴライズして、
お手軽にわかった気になっちゃう・させちゃうという手法に馴染めないでいる。
あの、すぐマトリクスとか書いちゃうやつ。
たしかに、多くの事象から共通点や質的な差を見いだし、
分類するというのは思考の整理には役立つ。
でもそれは主観的な印象やわずかな例外にとらわれず、
全体の大きな傾向を俯瞰してみるためのものであるはずだ。
マクロとミクロのバランスをとり、現時点でのより良い判断を導くための、
あくまでも途中経過であるはずだ。
なのに、それがあたかも完成された結論であるかのような、
万能の法則かのような錯覚に囚われている人が多いように感じる。
どんなことでも強引にいくつかのパターンやカテゴリーに振り分け、
「ああ〜○○タイプだね〜」などとわかった風な口を利く。
そしてそれ以上、対象を観察しない。
対象の言い分にも耳を貸さない。
自分の結論ありきになってしまう。
血液型占い(僕はこれが大嫌いなのだが)を思い浮かべるとわかりやすい。
何かあるとすぐしたり顔「ああ〜B型だね!」を言ってくるアレ。
だから君はこうなんだ、きっとこうでしょう、あの人もこの人も…などと、
自分の周囲数人に対する勝手な主観をぐいぐい押しつけてくる。
否定しても、わかってないんだな〜という顔をする。
反論すると「ま、考えは色々…」とお茶を濁す。
結局その程度なのだ。
自分で真剣に考えた分類ならば、絶えず例外的な事象にも目を配るべきで、
それが複数見つかったなら、そもそものカテゴライズの基準を見直すべきだろう。
そうして常に修正を繰り返していくからこそ、
正しい思考やものの見方につながっていくわけで、
牽強付会に当てはめていくだけというのはむしろ思考の硬直化でしかない。
もっとも、硬直しているからこそ、数年経てば陳腐化するわけで、
そしたらまた次の「公式」を売ればいい、
というのがコンサルの飯のタネでありビジネス書なのかもしれないが。
またそれをありがたがる人の多いこと。
他人のフンドシをそのまま…というのは、
もはや発見でも学びでも気づきでもなく、ただの信仰ではないのか。
とはいえ、僕のこういうコンサルに対する偏見、
あるいは無理解もまた是正されていくべきなのだろう。
しかし残念なことにいまだそういう言説・事例・人材・機会に恵まれない。
ただ、僕が知らないだけで、
本当のプロのコンサルタントはこんな低レベルな批判は当たらないだろうし、
コンサルに対する一般的な偏見や先入観も計算に入れて、
巧みなプレゼンや提言をするのだろう。
僕がイヤなのはコンサルタントという職業そのものでは決してない。
職業を問わず、そうした超一流のプロの仕事を安易に劣化コピペして、
あたかも自分に憑依させたかのごとく、人に説教して悦に入る、
自称コンサルタイプの人間が嫌いなのだろう。
でもそれは、塾講師にだって大いに当てはまるところではないだろうか。
…という自虐自戒だったりして。