いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

別れに贈る

2007-01-28 03:28:51 | 特選いぶたろう日記
…のはいつでも、ドーナツの穴の話。

僕が16で悟ったひとつの真理。
ドーナツの穴は何もないところを指して「在る」と言う。
何も存在しない空間に、
リングという自分自身で形作る枠があって、
初めて中央に何かがあるかのように感じられるのだ。

「神」でも「人生」でも「愛」でも「友情」でも
「青春」でも「過去」でも「未来」でもいい。
在ると信じ切るには苦しく、無いと思い切るには切ない、
そのすべてがそこにあてはまる。

「集まり散じて人は変われど」、
「仰ぐは同じき理想の光」と言うけれど。
しかし一緒にいる人や、共有する時代が変われば、
そこはやはり、違う場所になる。

何もなくなってはいないのだ。
何かに変わっただけなのだ。
なのに、
喪失感にとらわれてしまう。
そんなとき、思い出して欲しい。

僕らはみんなドーナツの環なのだ。

僕らが環である限り、穴は無くならない。
だから寂しくなど、ない。

いつかきっと、わかる時が来る。

オヤジ「炎上」

2007-01-20 11:27:42 | 似非哲学の部屋
弟からの情報で知ったのだが。
大阪でフリーアナウンサーをやっているオヤジの番組が、
どうもエラいことになっているらしい。

オヤジが番組内の1コーナー、
「吼えるコンちゃん」(まあ、だいたいどんなコーナーか察しはつくね)で、
「自分の素性を隠して、匿名であることを楯に他人のプライバシーを暴くような卑怯な人種、2ちゃんねるユーザーは人間として価値がない。みんな首くくれ!」
とやってしまったことに対して、
番組BBSに2ちゃんねるユーザーからの書き込みが殺到、
「炎上」状態になったのだそうだ。

いや、まあ、他山の石というか(笑)。

血のつながりというものは侮れないもので、
まあ俺も前にラジオやった時に
「些事暴論」という似たようなコーナー持ってたんだけども、
おんなじようなこと言ってるんだよね。
で、今回の主張も、言わんとすることはよく解る。
「2ちゃんねる」には閉口する部分が多いのには共感できるし。
あの独特の世界観や、言葉遣いに対しては抵抗が多い向きもあるでしょ。
しかし、公共の電波でこれだけ一方的に言い切ってしまうと、
当然のことながら手痛いしっぺ返しを食らうことは避けられないわね。

放送というのはやはり人の耳目を惹かなければならないわけで、
その点で大げさな表現や、刺激的な文句を好む傾向がある。
バイク乗りやクルマ好きが峠を攻めるような感覚で、
放送コードすれすれの所をスリリングに綱渡りしていくのだ。
自己満足・自己陶酔と、リスナーに対するサービス精神が、
境目なく入り混じっているそれは、
もはや講談師・放送人の本能とも言うべきものだ。
時に、興奮のあまり我を見失い、事故に繋がることもある。
オヤジほどのプロであっても、それは避けられないのだ。

放送人の錯覚、それは「全能感」にある。
あたかも、全てを知覚し、全てについて断罪できる、
そんな神のような感覚を覚えてしまうのだ。
しかし、今回の敵は「2ちゃんねる」だ。
オヤジは今回、事前の調査を怠った。
確かに、「2ちゃんねる」が話題になる時は
ネガティブなニュースであることが多い。
また、パッと見、匿名であるが故の生々しさ、いやらしさ、無責任さ、
剥き出しの人間性の醜さに満ちあふれている。
しかし、そのイメージだけで、自らの先入観や思いこみを修正せずに、
いつも通りの過激な演出で語ってしまうのは危険だ。
一言に「2ちゃんねる」といっても様々なユーザーが居る。
そのユーザー間で互いに煙たがっている向きもある。
なのに、十把一絡げに非難してしまうと、
その全てが連合してこちらへ反撃してくる。
非常に厄介なのだ。

匿名の不特定多数というのは最悪にタチが悪い。
自分の発言に責任を持たなくていい連中が群がっているのだから、
まずまともな理屈が通用しない。
賢い人間なら相手にしない。相手にしたところで一文の得にもならない。
そのことを考えずに番組内で不用意に採り上げてしまったこと自体、
「2ちゃんねる」を知らなかったということだろう。

本来、否定する価値すら伴わないものだ。
なぜならそれはまんま、実社会の縮図・投影図に過ぎないからだ。
他人の悪口、自分の不利益に対する一方的な抗弁、数の暴力、
匿名であるが故に全てが剥き出しにさらされている。
言ってみれば彼らもまた、インターネットという支配世界を携えた、
「全能者」を錯覚しているのだ。
非常に空しい争いといわざるを得ない。

親父は同じ土俵に載ってしまった。
これではプロとして失敗だ。
これからどう巻き返すか。
なかったことにするのか。
謝罪してみせるのか。
徹底抗戦に入るのか。
それ以外の解決策を提示できたら、凄いなと思うが。
徹底抗戦はおススメしない。
イラクの米軍みたいになるぞ。
ブッシュをよく批判しているようだから、
同じ立場になったここからが見物だな。

何も言えない

2007-01-18 05:29:31 | せんせいとよばれて
入試が始まり、教室には悲喜こもごも。

早くも合格を勝ち取った者は、信じられないといった表情で、
現実の感触を確かめるように飛び込んでくる。
共に苦労を分かち合った身、
しかも今年の中3は4年越しの付き合いだったりもするので、
感無量で何も言えなくなる。

惜しくも望む結果を得られなかった者は、まるで気にしてない風を装って、
無理に明るく振る舞おうとする。
だけどその眼は決して笑っていない。
ショックでないはずがないのだ。
自分が一番辛いはずなのに、
開口一番、「先生、ごめんね」と切り出す者もあり、
痛々しいまでに健気なその姿に、何も言えなくなる。

どちらにしても、言葉に詰まってしまう。

それでも、言葉を紡ぐのが俺の仕事だ。
ひとりひとり、その時もっとも欲しているであろう言葉を、
時にゆっくりと、時にあっさりと、
心を込めて贈っている。

辛いときもあるけれど、
衒いもなく、素直で直向きな彼らと、
正面から向き合えるこの時期は、嫌いじゃない。
なんとか、すべてを最後には良い形にしてあげたいと心から思う。
大したことは出来ないけれど、
俺は最後の最後まで応援しているぞ。

それにしても。
まだ帰れない我が身の上にも閉口してしまう。
明日…てか今日は朝から会議だというのに。
あまりに膨大な仕事量。
やっぱり、何も言えなくなるのであった。

哀れでならぬ

2007-01-17 02:05:41 | いぶたろう日記クラシック
誰しも他人の食べるものには寛容だ。
どこのレストランだって皿に付いた洗剤を流水できれいに洗い流し、
一枚一枚きれいに拭き上げたりなどしない。
時間の過ぎたご飯は新しく炊いたお釜に混ぜてしまうのが鉄則だ。
一方で、自分の食べるものには厳格だ。
1日でも新しい日付のものを買おうと、売り場では棚の奥に手を突っ込む。
味には大差ないとしても、気分の問題なのだ。

具材が余っていて、食べられなくもないのなら、
勿体ないから使おうと思うのが人情だろう。
ましてや定年後再雇用されたベテランの判断だ。
過信と一括りにするにはあまりに切ない。
「もったいない」
その本能とも呼ぶべき感覚、
腐ってもいない食べ物を棄てることへの良心の呵責に堪えかねて、
ついつい、本当についついなのだろう。
この飽食日本で、本当に罪深いのは従業員だろうか、
メーカーだろうか、消費者だろうか?
個人レベルであれば許されたことだ。
しかしそれが不特定多数の胃袋に収まるものである以上、
残念ながら断罪は免れない。
でも、同情します。

がんばれ、ペコちゃん。

大きな期待

2007-01-16 02:18:44 | せんせいとよばれて
わたくしの教室に、地元の大きな期待が寄せられております。
新年度外部向け説明会、その参加数がモノスゴイ。
ここ何年かで最大の反応です。

いや、嬉しいねえ。

言うまでもなく、僕だけの力ではなくて、
教職員みんなで勝ち取った、教室全体の成果。
嬉しいじゃないか。

でも喜んでばかりも居られないんだねー。
たくさんの乗客を乗せた飛行機のパイロットは、
全員を安全に目的地まで連れて行くことでアタマがいっぱいでしょう。
そんな心境です。

資生堂の社長が、化粧品の店頭販売員のノルマを撤廃して、
当然営業からは反発があったんだけど、
これからは「足し算の発想」を「かけ算の発想」に切り替えなければならない、
と諭したんだそうです。
要するに、売上げにしても、信頼感にしても、
プラスの項目を合算して、マイナス項目を減じて、
総計でプラスになればいいということではない、と。
信頼というのはかけ算であって、
どれだけ他で頑張っても、結局ひとつでもゼロがあれば、
それはゼロになってしまうということだね。

まさにどんぴしゃだよ。
どれだけ頑張って授業して、補習して、実績あげて、宣伝したって、
約束が果たせなかったり、無責任な応対してたんじゃ、丸つぶれ。
人数が多くなることで薄味になっちゃうようじゃ、
先も知れてるということだわな。
肝に銘じて、頑張ろう。

どれだけイイ曲書いて、イイライブやって、ツアーやプロモーションまわって、
メンバー・スタッフみんなで頑張ったって、
だれかがファ……あ、いや、なんでもないです。
あーいかん、忘れるんだった忘れるんだった(笑)。

まーとにかく、忙しくしています。
でも充実感のある、忙しさです。
今年もまた、一人でも多くの子供達と縁がつながって、
少しでもいい方向に引っ張ってってあげられたらと思います。

そういえば、早い人は今日から入試開始だな。
慌てず、焦らず、諦めず、ガンバレ!


南北問題

2007-01-13 07:39:26 | 特選いぶたろう日記
小豆を連れて、駅前に散歩に行った。
百円ショップを冷やかして、弁当屋でいつものお気に入りを買い、
そして家路につこうかというとき。
不意に、後ろのカップルの会話が耳に入った。
パチンコ屋の前で、ポスターに目をとめた彼女の一言から。

女「あっ!ケンシロウだ~!」
男「…は?」
女「見てみて~、ケンシロウ」
男「ケンシロウじゃねえよ、ラオウだよ!バーカ。」
女「…ちょ、何でそういう言い方すんの~?」
男「知らねえのに言うなよ、ラオウだっつーの!」
女「だから何でそういう言い方すんのよー!」
男「うるせーな、間違ってんのおめーだろ?!」

なんと、ケンカが始まってしまったのだ。
なんたる不毛な、そして無益な争い。
人類史上最もどうでもいいことで始まった諍いかもしれない。
いや、争いなんて大概はどうでもいいことが原因だけれど。

この大声で言い争いをしながら消えていったカップルに、
俺から聞きたいことと言いたいことがひとつずつ。

1 聞きたいこと。
「…てか、なんで付き合ってんだ君たち?」

2 言いたいこと。
「…これ、レイだよ。南斗水鳥拳の。」



「南斗水鳥拳」を変換するのにこんなに時間がかかるとは。
21世紀の変換技術もまだまだ、だな。


働けど働けど

2007-01-09 02:25:49 | いぶたろう日記クラシック
我が「仕事」、ラクにならざり。
じっと手を見る。
手相が変。

今日も2時オーバー。
てか、今年に入って2時より早く帰ったことねえぞ。

今日は模擬面接。
生徒たちが限られた時間の中で一生懸命、
自分なりに言葉を選んで、自分という人間を表現する。
毎年のイベントだけど、僕はこれが好きだ。
照れ隠しやごまかしなしに、彼らの真剣な言葉と向き合えるのは、楽しい。
能弁なヤツも、朴訥なヤツも。

ひとりひとり、コメントを加えてやる。
お辞儀の仕方から、発言ポイントの絞り方まで。
彼らの思い出の片隅にでも、僕の言葉が残るのだとしたら、嬉しい。

ラクじゃない仕事だけど、確かな手応えは、ある。
一生の仕事になるかどうかはまだ解らないけれど、
なかなか簡単に辞められそうには、ない。


あけよろ。ことおめ。

2007-01-01 23:47:19 | いぶたろう旅日記
あけましてよろしくおねがいします。
ことしもおめでとうございました。

…ってなー。

うーん、大晦日とか正月とか、年々実感失っていくなー。
昔は大好きだったんだけどなー。
30日まで仕事で、2日からまた仕事だったりすると、
ついつい、ただの2連休にしか感じられない。
哀しいオトナだなー。
世の中の感覚と完璧にずれちまっているのか、
周囲が大はしゃぎで見てるよーなテレビも、見向きもしないし。
てか、年末特番とかって、あれ、ほんとに面白いか?
ツクリゴトと楽屋ネタと偽善者とやっつけ仕事と…で、ニセモノ市みたいじゃん。
あんな中身のないもん、みんな楽しそうに見てるんだろ?
おれ、ほんっとつまんなくて見てらんないんだけどなー。

ま、さておき。

今年の年越しは富士山の麓へ行ってみました。
クルマで1時間半、山中湖まで行って、
2006年最後の晩餐はフランス料理フルコースを堪能。
そしてマイナス8度の気温の中、露天風呂で年を越し、その後は浅間神社に初詣。
教え子受験生たちの健闘を祈って、だるま買ってきました。
翌朝は初日の出の差し込むテラスで朝食をとり、
富士山を眺めに行きました。
そしたらあんた、鷹が飛んで来るじゃないですか。
ゆらりゆらりと優雅にまわる、まわる。
一富士、二鷹、揃っちゃった。
もう言うことナスだ。

……あっ。

…まあ、来月32ですから。すみませんほんと。
親父ギャグの似合うお年頃。

更に河口湖まで足を伸ばし、ほうとうに舌鼓を乱打し、
おまけに御殿場まで行って、アウトレットを仕入れてきました。
いやー、寒かったけど充実の年越しだったなー。

おととしは激動の一年でしたが、昨年は忙殺の一年でした。
あっという間もなく過ぎ去った感じ。
とにかく、仕事のことしか思い出せない。
充実といえばそうかも知れないけど、空しいといえる余地がなくもないなー。
この趣味人間がまっったく、何も出来ずに過ごした1年だったもんな。
仕事はすっごくやりがい感じてやってるけれど、
こんなに休めないとなると、ある日突然プツンと来そうだな。
人は仕事のみに生くるに非ず。
今年はもうちょっと色々楽しんで過ごしたいぞ。
いぶろぐも少しカラーを変えていこうかな。
一昨年を引きずっているかのようなのにはもう訣別、だな。
こんな状態でも毎日200~300人が読んでくれてるんだ、
もうちっと読み物としての充実を図ってみよう!…かと思い始めております。

しっかしなあ。
正月なんてとか言いつつも、
やっぱり新年を迎えるとあれこれ思いを馳せてしまうものだね。
去年の自分、今年目指す自分、その他諸々。
フセインはそのチャンスすらもらえなかったんだな。
何もこんな時期に執行しなくてもねえ。
気がつくと岸田今日子とか青島幸男とか丹波哲郎とか、
個性の強い面々が2007年を迎えずに世を去っているのだな。
そんな風に考えると、バイクで事故に遭うことも、また大病もなく、
こうやって無事に、当たり前に、新年を迎えていることの幸せも、
噛みしめなくてはいけないかな。

今年はもっと能動的に生きたいなあ。
去年はどこか受動的だったようにも思えるし。
とりあえず、10年かけてこさえた借金は今年の秋頃に清算できそうだし、
いっちょ、かっちょいいマンションにでも、引っ越すか!
ああ、こーいう目標も、いーかな。わかりやすい。
んで、ライブも出来るようだったら気楽にやろう。そうしよう。

そうそう、俺、ギター買いました。ぞーさん(笑)。
こんだけバンドやってたのに、ロクにひけないからね。
ヒマがあれば練習しています。
こんどはぞーさんもってステージ上がるかもよ。
持ってなかったら、ああ、まだヘタクソなんだな、と思ってください。

ではでは、みなさま…とはいわないまでも、
私をご理解・ご支援下さる不特定少数の方々、
またおつきあい下さることにもやぶさかでない特定少数の方々、
今年もよろしくです。

私は、今年も傲岸不遜です(笑)。
って、いい加減にしろよなー。