いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

職場の愚痴

2010-07-30 00:08:29 | 新・いぶたろう日記
ひょんなことから、ひょんな感じで、とあるブログを見ていてさ、
自戒を込めて、痛感したことがひとつあるんだけど。

職場のグチというものは、格好悪いもんですなー(笑)。


お前が言うなって?(笑)
ごめんごめん。だってそう思ったんだもん。
俺も格好悪かったんだなーってことだよ。

いや、俺ね、これもう絶対やめようと思った。
人間の小ささが浮き彫りになるね。
書いている本人はストレス解消でスッキリしていいのかもしれないけども、
吐かれた方(読者)からしてみたら、気分悪いわ。
喩えて言えば、痰を道ばたに吐き捨ててるトコに出くわしたような感じ。
俺もよく書いてたけどね、こうして人のものを客観的に眺めていると、本当に、ただのグチ。
主観の固まりでね、感情論でね、しかもなんら建設的な要因がない。

これはかっこわるい。

大なり小なり組織というものは矛盾を抱えているもんで、
そこで責任もって運営していくってのは誰にでもそう出来ることじゃなくてさ。
一方で責任のない立場から好き勝手に文句を言うのは誰でもできることだよね。
じゃあお前やってみろって、絶対できっこないから。
総理大臣でもそうだけど、「自分にもできる」と思うこと自体が、何も分かってない証拠でさ。
多数の人間の人生が背中に負ぶさってくる中、闘い続ける人間に、
てめえのことしか考えてない人間が、理想論振りかざすなんてのは、醜いね。
まるで社民党だね(笑)。

経営者を「オエライさん」と一言でくくり、
自分が評価されていない、自分の思い通りにならない、
そんな程度の理由で色々自分に甘~く言い換えた理屈をこねるなんて、
まんま、親に、
勉強したくない、進学なんかしない、家を出てひとり暮らししたい、
なーんてだだこねるガキと一緒だよね。
「オトナはわかってくれない」なんてさ。
「カイシャはわかってくれない」みたいな(笑)。

そもそも、組織の愚痴を言う人というのは、
組織の全体像が見えていない人とイコールなわけで。
上司の批判とかね、会社の方針への反発とかね、
かっこいいこと書いてるつもりなんだろうけど、
現実社会で口に出せないからこそ、こんなとこでグチグチ言ってんだろうし、
そこには男らしさのかけらもないよね。

それでいて、俺は出世とかなんて興味はねえ、とかなんとかカッコつけちゃったりして、
あえて出世の道を選ばないのと、単に出世できないのとは違うのよ(笑)。
なんで自分が出世できないか、その理由もわかってない感じだね。
「自分は自分」?「会社なんてどうでもいい」?
違う違う、「空気読めてないから」ですよ(笑)。
自分は何を求められているのか。
何をしたら組織がうまく回るのか。
相手や周囲の人間の立場や気持ちを汲んで、自分の言動をコントロールすべきところで、
ことごとく自分の独善的論理や、個人的利害へ傾いたからこそ、
誰からも信頼されてないんだよ。

いや、よーっくわかった。
他山の石としよう。
仕事のグチや、どうしようもない職場批判なんて、あほらしいから、やめ!

なんてーこたーないんだが

2010-07-29 01:09:30 | 新・いぶたろう日記
15~6年前かな。
大学に入った最初の夏で、色んなことがあって、楽しかったな。
僕はそういう思い出が結構いっぱいあって、幸せなことだな。
金がくさるほどある人生というのも魅力的だけども、
でも僕はやっぱり思い出がいっぱいある方がいいな。

時は過ぎて、三十路も半ばの夏。
そんなことを何気なく、思いながら職場に向かった今日も、仕事は山積み。
天性の気分屋と、尻に火がつかないとやれない習性と、
タヒチでいよいよ開花したアイタペアペアな生き方が、
最近の僕からすっかり「テキパキ」を奪ってしまった(笑)。

締切も近く、間に合わないぞと急かされ続け、
しゃーないのでようやく手に付けた、しかし気乗りしないのでなんだか、むふんふふー。
ふへえ、とため息ついたところを、通りかかった中3女子生徒に見られまして。
「だめだよー、オヤジになっちゃあ。」
と声をかけられる。
「しょーがねーじゃん、もうオヤジだもんよ-」
なんて、言い訳してみると。

「いや、私ね、なんか先生だけにはオヤジになって欲しくないんだよね-。」

グッと来ること言いやがる(笑)。
なんてこたーないんだけれど、生徒がそんな風に思ってくれるのが嬉しくて、
ここに書き残しておくの巻(笑)。

あの子も小6から教えてるんだもんなあ。
するってーと4年か。
僕がオヤジ化していくかどうかの分岐点をちょうど見ているわけだ。
わかったよ、体力つけるよ(笑)。

思えば、あの夏って、この子が生まれた年くらいのことだったんだよなー。

我が心にうつりゆく由なしノスタルジーをそこはかとなく踏みにじられければ

2010-07-25 00:10:03 | 新・いぶたろう日記
「宇宙戦艦ヤマト復活編」を、買ってしまった。
旧作よりいいはずがない。
残念な思いをさせられるのは間違いない。
わかりきっていたはずなのに、
35歳という年齢が持ち始めた重厚なノスタルジーには勝てなかった・・・。
ましてや、石原慎太郎がなぜか絡んでいる。
となればもうそれはそれはライトな作品になっているはず。

一言で言ってしまえば、最低でした。
思い出を汚された、と言って過言ではないでしょう。
必殺ジャニーズに匹敵する陵辱ぶりです。

ヤマトの音楽がかかり、真田さんや佐渡先生の声が聞ければ、
おお、ヤマトだ~なんて、錯覚してしまうのですが、
実際は似ても似つかぬ三流アニメでした。
「ヤマト」の看板でなければ見もしなかったのは間違いない。

以下、箇条書き。
【嬉しかったこと】
・真田さん(青野武)佐渡先生(永井一郎)ゴルイ提督(伊武雅刀)の声が聞けたこと
・最近のCG技術で描かれた(であろう)リニューアルヤマトの絵はかっこよかったこと

それだけ。

【悲しかったこと/腹立ったこと/笑っちゃうこと】
・キャラクターの絵がものすごく淡泊。表情がない。人形みたい。
・特に敵役の宇宙人はふた昔前のセンス。
・キャラクター設定が軽薄で、まったく魅力を感じない。
・ストーリーに深みがなく、展開もありがちすぎて、すべて読める。
・伏線張るだけ張っておいて、進行は乱暴、感情移入できない。
・年輪を重ねたようにはとても見えないばかりか、ほぼ別人と化した「古代進」の設定
・ヤマト復活を何の感動もなく淡々と受け入れるシラけきった進行
・ユキ失踪の伏線は完全放置
・よくある仕事に没頭する父と犠牲になる娘、対立の図式をだらだら書いた割には、どさくさで解決
・ご都合主義が露骨すぎ
①散々殺し合っておいて、突如「相手の正義」を汲み取り、攻撃を辞めるゴルイ提督
②いくら悲惨な攻撃を喰らってもほぼ無傷なヤマト
③悪天候の中、飛行機が墜落してもただ一人生き残る古代の娘
④見ず知らずの他の星(地球)の人のために、自ら進んで犠牲になって死んでいく宇宙人がやたら多い
・波動砲6連射のインフレじみた安っぽさ(小学生みたい)
・最大の問題点(移動性ブラックホール地球接近)のクリアの仕方が、あまりにもあっけない
・理由もない安易な神風特攻が多すぎる(そのくせ命を粗末にするなとかなんとか)
・艦長は軽率に動き回り、部下は独断傾向、艦内の規律はゼロ、まるで子どもの遊び場
・自己顕示欲の強すぎるプロデューサー「西崎義展」のクレジットが画面の半分を占拠
・石原慎太郎の原案参加(だからカミカゼが多いのか)
・よその星の文化設定がどうみてもいい加減な外国へのイメージを使い回したそれ

実際この年になってアニメで楽しめるわけもないんだけども。
子供時代にたくさん夢をもらったアニメだったからね。
ついつい、見ちゃった。
やられたよ。子供時代の思い出につけ込まれて小銭巻き上げられちゃった。
西崎もまあ松本零士と同じ、ただの誇大妄想症だからね。
それでもまだ、松本の画だったらもう少し愛着持って見られたんだが。

久しぶりにとても残念な思いをさせられましたね。
まあホント、買って損しました。
どうして必殺といいヤマトといい、
みんなして僕の子供の頃の思い出をぶちこわすのであろうか。
亡くなった富山敬とか阿久悠、宮川泰らに「捧げ」られていたが、
こんなの見せられたら怒ると思うよ、みんな(笑)。
しかしなあ。
どうして誰も止めなかったんだろ、これ。

日本へ

2010-07-17 14:28:00 | いぶたろう旅日記
FAAA国際空港を後にして、エアタヒチに乗り込みます。
来るときにはあんなに感動した風景が、
あんなにワクワクしながら乗り込んだ乗り物が、
どうして帰るときにはこんなにも寂しく感じられるのであろうか。
タラップを一段一段、後ろ髪を引かれながら登っていきます。
周りの風景を動画に収めながら。

すると、カメラに映り込む人影が。
「ビリー」と名乗る、めっちゃくちゃ陽気な外国人でした。
何人か聞くの忘れたけど、これからパリへ行くんだって言ってたなあ。
フランスなまりもなかったように思うけど、何人でしょうね。
とかく陽気で色々話しかけてくれて、座席まで案内してくれて(笑)。
座席が離れちゃったのが残念だったけど、
この後もロスの空港で僕の姿を見かけるや声をかけてくれて、
キゲンの悪そうな空港係員が早口の英語でまくし立てて、
どこへ行ったらいいのかよくわからんなー、
という時にも取り次いでくれました。
ありがとうビリ−。今頃パリにいるのかな。
まさかスイスの山には行ってないだろうな。
そして、やっぱり寒いエアタヒチ。
クーラーきかせすぎなのか、外気から守り切れてないのか(笑)。
機内はブルーとグリーンでまとめられてて、雰囲気はすごくいいんだけどねー。
寒い(笑)。
となりにいたフランス人はがたがた震えてました。
この人は英語ダメで、フランス語オンリーだったから、
コミュニケーションとれなかったんだよね。面白そうな人だったんだけど。

さて、いつでもどこでも寝られるのが僕の特技です。
というわけで寒い狭いエコノミーでも、僕はしっかり眠れます。
読みたい本を7~8冊持ってったんだけど、向こうではそんなの手に取りもしなくって、
もっぱら飛行機の中で読みました。
でも、読んでるウチに気づくと寝てるんだよね。
で、飛行機ってとにかく食べ物出してくるのね(笑)。
なんかずっと腹一杯だったような気がするよ。

てな感じで目覚めるとロサンゼルス。
行きはもう嬉しくって嬉しくって、着陸まで動画まわしてたくらいなんだけど、
もう飛行機もこれだけ乗ると、どうってことなくなりますね。
ロスの町にも出てみたかったんだけど、なんせ空港だからね。
周りには何があるってわけでもなし、時間もそんなにない(3時間って半端だね)、
てなわけで空港内散策です。

まずは本場のマクドナルド。
食べてみたかったんだけど機内食でお腹いっぱい(笑)。
でかいと噂のバーガーを見てみたかった。

そしてこんなコーナーも。
さすがに21世紀と言うべきか、そんなに誤解もなく、普通でした。
しかし、こういうの見ちゃうと普通に高速のサービスエリアだよね(笑)。

でっかいグリルで直火で焼いてます。
こういうの見せてくれるのがイイよね。

これは全日空かな。ジェットの吸気口にうずまき書いてあるのがおかしくて、一枚。
ショップを冷やかして、ドルをちびっと使う楽しみを味わって、
いよいよ帰国の途につきます。

行きと同じシンガポール航空です。
あとで旅慣れた人に聞いたら、評判のいい航空会社のようです。
実際、機内食も美味しかったし、添乗員も丁寧だったな。
制服が独特でキレイですね。

乗り込めば、また機内食が待ってる(笑)。
でもシンガポール航空のはうまいんだよね。完食しちゃった。
読んだり寝たり食べたりしているウチに、日本が近づいてきます。
帰ってしまえば、再び日常の怒濤が押し寄せてくる。
そう思うと退屈な飛行機の中の時間すら、いとおしく思えてしまう。

・・・さて、このまま帰っていいものだろうか。

こんな気持ちのまま帰って、僕は世知辛い日本のどこに身を置けばいいのだろうか。
「人間に主体がなく、時間に隷属するかのような」人生。
それはよく国語でも題材になるテーマだけども、このところ何となく感じていた部分。

この旅行ではっきりとした。
僕は、渇いている。

生きているという「感触」もなく生きている。
生きるために生きざるを得ず、やむにやまれず生きている。
やりたいこともやらずに、常に人の顔色を窺い、
「前年同期比」なんて冷たい数字に一喜一憂しながら、
他人の要求や無責任な期待に応えてばかりいる。
そしてそれが「オトナだね」なんて賞賛されてしまう、
そんな日本社会で送る人生とはいったい。
「スポンサーは絶対です」なんて、鬼の首とったような顔で下卑たことのたまう
(というかこれたぶん「クライアント」のまちがいだと思うんだけど)
歪んだ消費者主権意識に凝り固まった、
くっだらない連中の相手をしなければならない空虚感はどこに行けば逃れられるのか。
身にしみて感じる。

もっとも、人生なんて言ってみたところで、
その実、生まれてきてしまった存在の、死ぬまでのヒマつぶしに過ぎないわけで、
人生の意義がどうのこうのと考えるまもなく、
飢え、渇き、間引かれ、殺され、病に倒れ、他人の都合に巻き込まれ、
思いがけずに短い生を終えた人も多くいたわけで。
オンボロ戦闘機や魚雷に積まれて自爆させられた人だったりね。
あるいは、天寿を全う出来たとしても、
カチコチの男尊女卑社会にあって、一生を夫と子どもの世話に費やした女性とか。
平凡な人生の中に安心を見いだしたり、空虚を感じたり、
波瀾万丈の人生に後悔を残したり、充実感を抱いたり、
色々言い出したらきりがないのはわかってる。

でも、僕の人生なんだ。
誰との比較も意味がない。
1回しかない人生で、残りもせいぜい50年くらいだとすれば、
何も考えずに生きるよりは、何かを胸に秘めて生きていた方がいい。
それが許される時代だ。
自分に何ができるか、まだまだ考えてみたい。
夢とうつつの間をさまよっている間に、
飛行機は着実に現実社会へ僕を導いて、気がつくとそこは成田。
なんだかんだ言っても、こんな表示を見ると嬉しくなる。
そうか、もう一生懸命英語に置き換えなくてもいいんだ(笑)。
元気で帰ってきました。
帰りの空港リムジンバスから見る夕焼けです。
日本のそれも、棄てたもんじゃあ、ない。

素晴らしい旅行だった。
明日からはまた、日常だ。
とても幸せなことに、
僕には僕を待ってくれている家族がいて、仲間がいて、生徒たちがいる。
彼らがいる限り、僕の生きる意味も決して小さくはないのだろう。

人生至る所に青山あり、とか。
どこにだって苦しみがあり、楽しみがあるはずなんだ。
僕は世界というやつを垣間見た。
僕はまだまだ、日本でやっていないこともあるし、
世界で見なければならないこともたくさんある。
この気持ちを失いさえしなければ、どこにだって行ける。

こんなに大きな世界の中の、こんな小さな日本で、
何があったって、折れるものか。
生きていくんだ。

最後の夜

2010-07-16 14:26:59 | いぶたろう旅日記
最終日まで遊びつくして、ホテルに帰ると荷物整理。
とうとうモーレア島ともお別れです。
絶対また来るぞ!の誓いを胸に、しみじみモードでポーターを呼んだら、
やって来たのが陽気なタヒチアン。
この人は日本語もいくつかしゃべれて、
上手だねって誉めてあげたらすっかり上機嫌。
「コマネチ」「アイーン」と知ってる限りのギャグをやってくれる(笑)。
何を教えとるんだ観光客(笑)。

チェックアウトを済ませ、ピックアップに乗り込みます。
今度こそしみじみくるかな…と思ってたら、
またこのピックアップのドライバーのおっちゃんがナイスキャラ。

運「あなたは英語の発音上手だね?」
息「まじっすか」
運「どうやって勉強したんだい?」
息「イヤ、洋楽好きでよく聞いてたし、歌ってたから、そのおかげかな…?」
運「それはグレートな方法だ。だけどもっと簡単な方法があるんだぜ」
息「どうすんの?」
運「簡単さ、ガールフレンドをいっぱいつくるのさぁ!」

こんな感じ(笑)。

運「俺はアメリカに行ったとき、毎週ガールフレンドをつくってたぜ!」

で、高らかに笑ってんの。憎めないやつだ。
んで、これは行きに続いて2回目なんだけど、
「ちょっと待っててくれ」って、民家の前で停まって、
なんだろうと思ったら家族が乗ってくる(笑)。
この時は息子さんが乗ってきて、しかもDS持参。
なんでもゲームを買いに行くんだそうだ。
このノリ、日本ではあり得ないよね(笑)。
しかもこのおっちゃん、事業家らしくって、いくつかオフィス持ってるって、
あっちこっちの建物指してあれも俺のだとかって言うんだけど、
だったらドライバーなんてやってないよなあ(笑)。

で、とどめが

運「家が6つくらいあってね、ワイフもそれだけいるってことさぁ!
・・・・おっと、こいつはいけねえ、おい、母ちゃんに言うなよ!」

って子どもをこづいてんの(笑)。
この頃には僕も多少は英語になれてきて、
たどたどしいながらも会話が成立するから楽しくてしょうがない。
まだまだ、最後まで何があるかわからんね,この旅行。

で、このおっちゃんにモーレアの空港まで運んでもらって、
手続きしてたらまた野良犬(笑)。
年取った雌犬で、エサくれ~って観光客の間を歩き回るの。
世界中でそんな空港ここだけじゃねえか(笑)。
夜の空港は滑走路がキレイだよね。
地面に並んだ光の列に、行きと同型のタヒチ行きプロペラ機が降りてきました。
これに乗ってまずはパペーテに戻ります。
パペーテについたのは19時くらいで、国際線の出発は23時。
時間がたっぷりあるんで、もう一回ルロットへ行ってきました。
タヒチ最後の食事だし、タヒチらしいところでね。
こないだと違う店を選んでクレープをつまみ、
また店を変えて人なつこいタヒチアンのいる中華の店へ。
中華焼きそばと
山盛りの鳥の唐揚げです。
やっぱり、案の定、期待に違わず、ウマイ(涙)
腹一杯になって、港の周りを散歩します。
夜の港は雰囲気最高ですね。
ルロット近くの広場では、子どもが走り回って遊んでます。これも日本ではこの時間には見ない光景だね。
出発2時間前になって、泣く泣くファアア国際空港へ。帰りたくねえよお(涙)。
搭乗手続しようと思ったら長蛇の列で、しばし空港散策。
これ、タヒチのパトカー。威圧感ないね~(笑)。
非常灯はヒビ入ってるし、あちこちこすった後あるし(笑)。
これが男女トイレの表示なんだけど、わかりやすいよね(笑)
ほんとにこんな人が空港でドラムに合わせて踊ってたりすんだぜ。
これは何かの懸賞かな?
東芝のテレビ、任天堂Wiiなどなど、日本製品ばっかしなのにビックリ。
母国製品があこがれの対象ってのは、悪い気しないよね。
ほんとに、名残惜しいんですよわたし。
だけどしょうがないね。
後ろ髪をまとめてつかまれながら、楽園を後にしました。
うへー、また19時間飛行機に乗るのか(笑)。

山もあるのさ

2010-07-15 22:55:23 | いぶたろう旅日記
ついにこの朝を迎えてしまった・・・。

今日の夜にはこの夢のような島を離れ、
喧噪渦巻く世知辛い日本へ帰らねばならないのです。
う~ん、ツライ。
でもまだまだここにいるわけで、最後の最後までしっかり楽しんで帰ろうと思いますけども。


最終日は何をしようか。
考えた末に、海はだいたいひと通りやれたので、
今度は山へ行こうと言うことで、
ATV(All Terrain Vehicle=全地形対応車両:四輪バギー)ツアーを申し込みました。
スタートは2時半ということだったので、
それまでお世話になったインターコンチでゆっくり過ごすことに。
プールサイドのレストランで朝食です。

お約束だぜポワソンクリュ。
それに「sushi」を見つけたので試しにオーダー。
あとはスモークサーモンだったかな。
スシはやっぱりイマイチ(シャリがダメなんだよね)だったけど、
それにしたって魚がうまい。
そして何と言ってもパンがうまい。
俺、この島来てからウマイしか言ってない(笑)。

その後はビーチに出てみると、浜辺でなにやら作業中。
近づいてみると、手作りパレオを染めているのでした。
オーダーメイドで、好きな色と材質の布を選び、
染めた後に抜きたい柄のパーツを置いて、日干しすると完成。
説明を聞いているウチに欲しくなってきて、
しかも手作りなのにお値段も安い(土産物屋で6000~9000XFPするのが2000~3000XFP)
ということで、僕もオリジナルパレオをオーダーしました。
巻きはしませんが(笑)カベに張るにはいいよね。
大好きなワインレッドをベースに選び、そこに皆既日食のイメージで染めてくれないか?
と聞いたら大喜びでやってくれることに。
まずは絞り染めで日蝕の形を作ります
こんな感じになるわけですね。
で、そこにパーツを置いていって、太陽にさらす。
今回体験した色んなことを象徴するパーツを置いていきます。
するとこうなります。
これ、イイよね、モーレアの太陽に焼き付けられてさ、最高じゃない?
20分ほど待って、できあがったのがこちら。
すっかりお気に入り。
帰ってリビングに張ろう。
さて、時間になったので集合場所へ。
待っていたのはこれです。
これに乗って山を、川を、森を、パイナップル畑を駆け巡るのです。
操作方法も至ってシンプル、国際免許も不要でした。
すんごいパワフルでね。急坂でも岩場でも川でもぬかるみでも、みんな走破しちゃう。
エキサイティングの一言。
操作をだいたい覚えたら、ガイドについて出発です。
途中のなんてことない景色がいちいちキレイなんだよ。
やがて舗装道を抜けて、いよいよ山へ入ります。
こんな感じの道が続くんだよ。
川だって越えちゃいます。
パイナップル畑…というかプランテーションだね、間の道を抜けていきます。
赤ちゃんパイナップルってこんなんだよ。
で、これが現地の硬貨のデザインにも採用されている、バリハイ山。
ゴーギャンがかつて「古城のようだ」と形容したという、
形の変わった山がたくさんあります。
これなんかはよく見ると「穴」が空いてるんだよ。
(穴あき山のデザインのお土産もある)
本当に走っていて気持ちいい風景が続きます。
ちょこっとデジカメ向けて撮っただけなのに、市販の写真集みたいでしょ。
ぶたさんもいます。
森の中の川に辿り着きました。
のら犬もいます。多いんだよね。空港にもいたし。
年寄り犬も多いところを見ると、島のみんなで飼ってる感じかな?
だいぶ登ってきました。絶景です。
みんなで記念写真。サミットみてえ(笑)
そしてとうとう、島で見る最後の夕陽です。
この次に入り日を見るのは日本なんだよなあ。

これ何かの映画じゃないの

2010-07-14 22:34:23 | いぶたろう旅日記
夢のような日々が過ぎ去っていきます。
何ものにも追われず、時間の流れは確かにゆっくりなんだけど、
不思議なくらいあっという間。
夢の中なんじゃないかという感覚がいちばんしっくりくる。

昨日までの何もかもが素晴らしすぎて、これ以上ないんじゃないかと思ったけれど、
まだまだあったんだねー、これが。
とにかくこの旅行中は1日たりとも、ほんの1時間ばかりも、
ムダな時間、つまんない時間、退屈な時間がなかったよ。
完全にストレスフリーの毎日。こんなの何年ぶりだろうね。
何度も言うけれど、本当に贅沢な時間でした。

で、今日はと言えば「ヒルトンにお呼ばれ・その2」です。
今回残念ながらヒルトンに泊まれなかったんだけど、
そのことをとっても気にして下さってて、
よかったら一日ヒルトンで過ごしませんか、と言って戴いたんですね。
僕は僕でインターコンチも気に入ってるんで、どうということもないんだけど、
せっかくのお誘いだからと思って喜んで受けました。

ヒルトンはもうね、完璧に洗練されたホテルだね。
隅から隅まで上品なつくりになっていて、落ち着ける雰囲気。
朝起きてしばらくしたらピックアップが来てくれて、
ついたらまた出迎えてくれて、シュノーケルのセットを貸してくれて。
ヒルトンの敷地内に、モーレア島でも指折りの美しいラグーンがあって、

絶好のシュノーケリングスポットがあるんですよ。

シュノーケルなんてやったことないし、基本マリンスポーツは苦手だったんだけど、
せっかくのチャンスだし、何事も挑戦でしょ。
意を決してチャレンジしましたよ。

そしたら!!

いやー、やっぱりなんでもやってみるもんだね。
世界観が変わってしまいました。
最初はおっかなびっくりで、足のつくとこですら水飲んで大変だったんだけど、
慣れたらコツがつかめてきて、そうしたらもう楽しい楽しい。
僕は泳ぎは不得意なんだけど、泳げなくてもOKね。
浮いてるだけで楽しい。
そこら中に珊瑚礁があって、色とりどりの魚たちがつっついて食べてるんだけど、
近づいても全然逃げないの。
こっちをじーっと見てるヤツもいて。
なんだか生徒に似てるヤツもいて(笑)。
僕が泳ぐと影が出来るから、その下を群れなして泳いだりするんだよ。
何これ。まんまディズニーの世界(笑)。
係留してある船の下とか、橋の下には陽射しを避けて無数の魚が居て、
眺めてるだけで楽しい。
2時間以上ずーっと浮いてました。

泳いだらお腹も空いてきて、ビーチに備え付けてあるリクライニングに戻ったら、

なんだかメニューが置いてある。
何の気ナシに眺めていたら、ビーチボーイがそれに気づいて、注文取りに来てくれた。
え?てこた、このままここで食えるの??
これまた贅沢だよね。
で、お気に入りのポワソンクリュと、
エビの串焼きと、


でーっかいハンバーガーをオーダー。


したら「ポテトはいかが?」なんてマックみたいなセリフがあって、
もちろん戴きます。

ご存じの通り、マックみたいなバーガーとポテトじゃなくて、
お皿に載って出てくるのね。
小瓶に入ったハニーマスタードとケチャップも付けてくれる。
これがまたうまいんだ。

一品1500~2000XPFと値段も張るんだけど、それに違わぬ美味しさです。
またビーチで食べるから一段と、ね。


うまそうに喰ってると、羨ましそうにニワトリが(笑)。
ビーチにニワトリ??
ま、いーかと思ってパンくずをくれてやりました。
屋根の上にはこんなゲストも。
もうホント、「楽園」だよね。

たらふく食べたら眠くなって、少しまどろんで。
今度はプールで泳いでみたり、あちこち歩き回ったり。
これがタヒチのシンボル、「ティアレ・タヒチ」です。

桟橋がずっと海に続いてて、
その先にいくつもの水上バンガローがつながってる。

先の先まで行くと絶景のポジションがあって、

ここで夕陽見たら最高だな、と思ってベンチを動かして、ずっと海を眺めてました。

そしたら、この夕陽ですよ。最高ですね。


日本人も何人かいて、日蝕ツアーの人もいたんで、
イースター島はどうだったみたいな話を聞いてました。
海外で日本人に会うのイヤがる人もいるけれど、僕はそうでもないな。
なんてーかな、日本人を厭がるのって、結局それが「ザ・日本人」なんだよね。
卑下することも勘違いすることもなく、ひとりひとりが毅然としてればいいんじゃないの。
ただ、気さくに陽気に話しかけてくる外国人を見ていると、
確かにだまーってる日本人って、何考えてるかわかんないように映るかもしれないやね(笑)。
「Hello」とか「How are you?」とか「see you」にぴたり来る日本語がないのがいけないのかも。
敬語の存在も距離感を保つよね。
文化の問題だから一口に良いの悪いの言えないけれど、
若いウチにこういう文化に触れておくことは、グローバル時代ではきっと大きな意義があるだろうね。
外国へどんどん行けば良いんだよ。航空料金も思い切って安くしてさ。
またはひょっとしたら、関西弁を標準語にしたら全部解決するかもしれない(笑)。
東京の気取り文化、よそ者文化がよくないんだきっと(笑)。

ヒルトン滞在中もミホさんがあれこれ気を配ってくれて、
帰りのピックアップもばっちりでした。
もうほんと、至れり尽くせりです。

早いもので、本当に早いもので、今日はモーレア島最後の夜。

たくさん泳いだから疲れてはいたんだけど、名残惜しくてしょうがなくて、
いつまでもバンガローの周りで月と星を眺めて、
遠くから聴こえるタヒチアンダンスのドラムに耳を澄ませ、
最後の夜を噛みしめていましたとさ。

「こんなの初めて」と「予想外だ」のてんこ盛り

2010-07-13 00:34:50 | いぶたろう旅日記
目覚めると午前5時。
♪時間はふったりをぅ朝にしてぇ~♪
はモーニングムーンだっけ。
本当にこっち来てから目覚めがイイ。
時差がちょうどいいのかしら。
今日も気持ちよく目覚めて、ふと見ると夜明け前。
全面に広がる水平線の彼方が赤く染まって、
やがて一筋の光が差したかと思うと、つい2日前に派手なショーを演じた太陽がお目見え。
あんまり気持ちいいんで、テラスで朝食をとることに。

夕べお土産でもらったパイナップルをつつく。
これが信じられないほど甘いの。
同じくだものとは思えない。芯まで食えちゃう。
カルフールで買ったパンがあったから、チョコペーストやチーズクリームを塗ってぱくつく。
うまいんだこんなのが。
そもそもパンがうまいんだよね。
海辺の朝を楽しんでると、食べ終わったパイナップルを、
小鳥が分けてくれ~と飛んでくる。

なんともディズニーの世界(笑)。
それを横目にテラスで読書。これもぜいたくだよね。
そんなこんなで午前中をゆーっくり過ごす。

飽きたら海に飛び込んで、シャワーにかかって、
さて今日はどうしようかな、とパンフレットを眺めてたら、
ホテルの用意したいくつかのアクティビティがあって、
その中に水上スキーを発見。
これはやってみたいぞ。
ということで、マリンスポーツ食わず嫌いのこの私が、
南国の空気に浮かれ果ててジェットスキーにチャレンジです。


コンシュルジュに聞いたら13時半からなら予約が取れるっていうんで、
それを頼んでホテル内を散策。
賢いイルカに拍手を送り、

砂浜をほてほてと歩き、

もうただここにいるだけで楽しいのね。

ビーチの受付へ行くと、何度教えても僕のことを
「ケンドー!」
と呼ぶ(ケンコバかわしゃ)陽気なタヒチアンのとこで受付を済ませ、
さわやかナイスガイな「アモウ」という名のインストラクターに案内されてジェットへ。
YAMAHAって書いてある安心感(笑)。
いや、日本って偉大ですよ。至る所で日本メーカー見るもん。
タヒチでもモーレアでもクーラーはダイキンと富士通だし、
車はTOYOTAだし、テレビはSONYだし。
みんな日本のは性能は最高だけど高いって言うね。
だから車はヒュンダイに乗るんだって。
中国製のはやっぱし評判悪い。「ちょっと乗るとアイヤイヤ~」って言ってた(笑)。
だから日本にはリアルなイメージこそないものの、
日本製品を通じて何となくイイ印象はあるみたいだよ。

で、操作方法聞こうと思ったら、
「OKOK.it's so easy!」の一言。
で、乗れっての。マジか。
でも、確かに簡単なのね。シンプルな操作体系。
スイッチ入れてレバーを引いたら…
ぐおぉぉ~~~ん!
最初はびびったけど、そのうち慣れてきた。
塩水もはねまくり。波に乗りまくり。最高。これ楽しい。
残念ながらさすがに写真は撮れなかったんだけど、
これは目から鱗でしたね。楽しすぎる。
何でこれ今までやんなかったんだろう、と思った。
本当に海の上を滑るように進んでいくんだよ。
海の上から見るモーレアの全景やクック湾、バリハイの山や、
水上バンガローの景色がもう言葉に出来ないくらいキレイなの。
1時間のセットだったんだけど、あっという間だったね。

帰ってきてからはプールで泳いでたんだけど、

ここでスーザンと名乗る、年配の女性に話しかけられて、
そのグループと友達になった。


スーザンはカリフォルニア大の案内員をやっていて、
日蝕が大好きでかれこれ7回目になるんだそうだ。
ものすごくフレンドリーで、にこやかで、ゆっくり話してくれるから会話もしやすい。
英語でこんなに長いこと話したの初めてじゃないかな。
色んな話をしたよ。
シュワルツェネガー知事はどうだ?とか、ダメよアレは、とか。
ビートルズ好きだとか、じゃあ一緒に歌おうとか。
歌は話が早くていいね。やっぱり音楽こそ共通語ですよ。
一緒にビーチでパイナップル食って、
無数に転がる巨大なナマコをつっついたよ。
何とか言ってるのがどうしても聞き取れなくて、何度も聞き返してたんだけど、
「cucumber」だった。
ナマコさしてキュウリみたいって言ってんのね(笑)。
こういう基本的な単語でも、会話にすっと混じってるとわかんないときあるね。
耳を鍛えたいねー。

夕方になって約束の時刻になったので、スーザンたちに別れを告げて、
バンガローで着替えます。
久しぶりの襟付きシャツに、クツっぽいサンダル。
南国ドレスコードはネクタイやスラックスは要らないんだけど、
短パン・サンダル・TシャツはNG。
で、なんでこんなコトしてるかと言えば・・・

ヒルトンにお呼ばれしちゃったのです。

ブッキングのことですごく気にしてくれてて、
部屋にも高そうなシャンパン入れてくれてたんだけど、
俺、飲めないじゃん(笑)。
そんで、夕食どうですかってんで、お呼ばれされちゃったんですよ。
嬉しいじゃないですか。

6時のピックアップでヒルトンに向かうと、
そこではきれいな日本人女性のスタッフさんがお出迎え。
そらまあ、恐縮しますわね。
この人、ヒルトンのアジア地区の営業部長さんなんだけど、
昔、僕の親父とこちらで一緒にお仕事されたそうで、とってもよくしてくれました。
で、どこに案内されたかと言えば、ビーチ。
見てびっくりよ。

ビーチにテーブルセットが置いてあって、周囲はトーチですよ、
そこでフルコースってんだからこんちきしょーい。

何?俺?なんちゃってセレブ?うわーい。
これはすごかったですねー。
しかも途中でテーブルに総支配人まで出て来て挨拶されちゃうんだもん。
なんちゃってVIPじゃないですか。マジですか。どっきりでしょこれ。カメラどこ。
いやー、何もかもが予想外。予告無しだもんな-。
しかも、出てくる料理がうまいのなんの。

バチ当たる、俺、絶対バチ当たる、帰り飛行機落ちるんじゃないか、人生最後の思い出ならいっか、
そんなことばっかり考えてました(笑)。

親父の昔話とかも聞けたんだけど、
ホント、タヒチではかなりの有名人らしいです。
タヒチで旅行関係の仕事やってる日本人で、知らない人はいないんじゃないかって。
僕はその頃の親父とはあんまり連絡とってなかったから、新鮮でね。
人から伝え聞く父親の横顔ってのは面白いですよ。
不思議と誇りにも思うしね。
まあ、僕の場合は、父譲りの反骨心か、単なるへそ曲がりか、
「父親が偉いからって、その子どもがエバルのはイヤラシイ」
ていう自制の念が先だって、気を遣ってしまうんだけども。
やっぱしね、そう見えちゃったらそれこそDAIG○みたいでものすご~~くイヤだから、
そこは注意してたつもりなんだけど、
でもやっぱこの雰囲気の中メシもウマイとなると顔はゆるむよな~(笑)。

まあ、もろもろお話しているウチに、僕の人柄も解ってもらえたみたいで、
リラックスして楽しく過ごせたからよかったですよ。
ミホさんというこの女性、英語もフランス語も堪能で、
すごく上品な物腰の方なんですが、全然気取ったところがなくって、
さばけたところもあって、とっても話しやすい、いい人です。
ソフトなイイ声してるんですよ。
したら、昔はメタルのDJやってたとか(笑)。
何と言ってもホルモン(焼肉のね)好きってのがいい。何者なんだアンタ(笑)。
タヒチアンミュージックのことも少し話題に上ったんだけど、
ちゃ~んと覚えててくれてて、帰国後に職場に入ったら、
ヒルトンの封筒でCDが届いてた。
やるなあ~ミホさん、ニクイよなぁ~~。
もうどうお礼をしたらいいかわからないよ(笑)。

昨日とは対照的に楽しい夜を過ごして、宿に帰ってみると、水の中になんかいる!

なんと見渡す限りウニ(笑)。

すげー。超贅沢。喰いてえ。
タヒチアンはウニ喰わないのかな。
元々、土の恵みも豊富な上に、簡単に魚がたくさん捕れるので、
争いがなかった土地だったと言うけれど、これなら納得だよね。
そして部屋に入ってみると、今度は天井になんかいる!


gecko、ヤモリですね。
もう、毎日毎日予想外でたまんないよ(笑)。


遙か海を越えても、そこには歌があるのだった

2010-07-12 17:57:39 | いぶたろう旅日記
目覚めるとまだ午前3時半。
日本時間では夜の10時半。
もうよくわからない睡眠リズムです。それもいつものことか。
翌朝はモーレア島に向けて発つので、ごそごそ荷物整理を始めました。
ふと気づけば、明日は親父の誕生日。
でも日本時間ではあとちょっとで終わり。
てなわけで国際電話にトライ。
この旅行のために携帯買い換えたんだもんね。
で、親父にお祝いとお礼の電話を。
昔と違って、もうなんか構えずにこういうことができるのが嬉しいね。

さてなんやかやしているウチに夜も明けて、8時半にチェックアウト。
ラディソンは素敵なホテルだったけど、
今回は日蝕がらみで実質2泊しかしていないし、
ほとんどここにいる間は寝てたからなあ。
今度来ることがあったら、ゆっくり過ごしてみたいホテルだね。

今度の滞在地はモーレア島です。
タヒチの姉妹島で、すぐおとなりにあるハート型の島です。
船でも行けるんだけど、しばらく船は乗りたくない(笑)ってことで、
「エア・モーレア」という国内線でひとっ飛びです。
国内線の空港は手作り感満載で、イイ味出てます。

プロペラ機は初めて…かな?幼いときに乗ったかも知れないけど。
飛行機って意外と手軽な乗り物なんだな~とか思ってしまう。

んでもってのんびりしてるかと思いきや、結構速いんだよね。10分くらいで着いちゃう。
高度がちょうど良くってね。景色がキレイに見えるんだ。

飛行機から眺めた海がこんな感じに見えて最高。

モーレアの空港からは送迎のバスに乗って、

こんな眺めを楽しみながら海沿いにホテルへ向かいます。
中でイタリア人のハネムーンカップルと知り合って、盛り上がっちゃった。

タヒチアンもイタリアンもみんな英語で話してくれるんだけど、
やはりお互い母国語じゃないからていねいで、聞き取りやすいんだよね。
でもフランス人の英語は別ね。
早口で発音もはっきりしなくて、とにかく聞き取れない(笑)。
最終日、帰りのエアタヒチで隣になったフランス人なんか典型的。
名前聞いたら「スチューピッド!」
・・・stupid?「バカ」じゃねえか(笑)。
何度聞き直してもわかんないのね。
他の単語でスペル聞いても「ウー」っていうでしょ。
俺知らなかったんだけど、「E」をそう発音するのね。
うーん、わからんよフランス語。第二外国語とらなかったしなあ(笑)。
ともあれ、イタリア人はめちゃくちゃイイヤツでした。
イタリアについてもあんまし知らないんだけど、
「サンタルチア」歌ってやれば良かったかな(笑)。
「かぶきあげ」を「Japanese rice cracker」とかいってあげたら喜んで食べてました(笑)。

でね、ホテルに着いたんですけども。

またこれがヤバイ。ヤバすぎる。むちゃくちゃ素敵。
ヒルトンの予定だったのがオーバーブッキングとかで、
インターコンチネンタルになったんだけども、
僕はこっちがすっかり気に入ってしまいました。

すごいでしょ?はっはあ、リゾートってこういうことなんですかあ、って感じ。


ちょうど今月の初めにリニューアル工事を終えて、プールが新しくなったんだとか。
いやあ、僕のために悪いねえ(笑)。
日本人スタッフがいるとのことで油断してたんだけど、
レセプションで聞いてみたら水曜まで休みだとか言うじゃないか。
とにかく何とか頑張って英語でチェックインしましたよ。
困ったら「あいたぺあぺあ」言いながらね。
やればできるじゃないか俺(笑)。


でね、ポーターが来るんだけど、これがどっからみてもタヒチアン。
日焼けして、精悍な顔つきで、たくましい肉体で、笑顔がさわやか。
ゴルフ場で乗ってるような、ミニカートに乗ってバンガローに案内されます。
で、たどり着いたのがここ。No.618。

うわ~お。


もう大はしゃぎですよ。
半分が水上でね、テラスがついててさ、そっから直で海に入れるんだぜ。

しかも、足下には色とりどりの熱帯魚がフツーに泳いでる!


テラスからの眺めはこんな感じ。一望の海。



そしたらこんな感じになっちゃうでしょ?


すんごい贅沢な時間を過ごせちゃうよこりゃ。
もう楽しくて楽しくて、あっちこっち散策しちゃう。

亀さんもいます。
こいつ、やるせねえんだ。
金網の所でずーっとごじごじしてんの。


ラグーンから敷地内まで浅瀬がつながってて、どこからでも海に入れる。

あっちこっちで記念撮影。貧乏性だね俺も。


しっかし、こんな贅沢許されるのかね。
いや許されなくてもするけど(笑)。
同じ地球の上でね、こんな世界があるなんてね。
今まで僕は何やってたんだろ、て思うよそりゃ。
狭い日本で、何でもわかった風な気でいて、
ここ数年で何やったかって仕事だけじゃない。
仕事か音楽かなんて、もうちっぽけなことですよここまで来たら。
とにかくこういう時間が欠けてたんだね、僕は。



僕の中で何かが確かに変わったね。

あっちゃこっちゃ歩き回って、イルカにも会って、
バンガローに戻ったら、とりあえずテラスから飛び込んでみました(笑)。

海の水も温かいね。
しかもフツーに周りを魚が泳いでる。
海で泳ぐのなんて何年ぶりだろう。海パン自体何年ぶりって感じだし。
海が似合わないことで有名な僕ですが、すっかり堪能しました。
海の水ってこんなにしょっぱいのね~。

やがて日が暮れて、夕べ最高の演出をしてくれた月と再会。

これまたキレイでねー。
もうありがとねー!って感じ。

6時の約束でピックアップが来て、夕食に出ます。
川口さん(ツアーの社長さん)と色々見てて、
ここ面白そうだね、と決まったのがレストラン「AITO」です。
川口さんも音楽が大好きな方で、僕ともそれですぐ盛り上がったんだけど、
(Pink Floydが決定打だった(笑) 思えば就職もクリムゾンで決まったんだった。プログレはいいのう)
「jazz,rock,blues…ライブミュージックの店」みたいなコピーで、
川口さんも行ったことないって言うから即決まり(笑)。
オーナーがここらあたりでは変人扱いされている人らしくて、あだ名が「キ○○イ」(笑)。
ホテルの人は「日本人の方にはあまりオススメしませんが…」みたいなこと言ってたらしいんだけど、
もうそれ聞いたらますます行きたくなっちゃってね。

ホテルからクルマで15分くらいかな。

ここなんですが、これが大当たり。
浜辺に面したものすごい雰囲気のいいお店。

砂浜の上にテーブルセットが出されてて、
すぐそこに打ち寄せる波の音を聞きながら料理が楽しめる。


もちろん、こんなゲストもいます(笑)。



こちらが川口さんです。もう、すんごい楽しい人。

でね、店はもうタヒチアン気質全快。
メニューにあるもの頼むじゃない?調子よく聞いておいて、
しばらくしてからトコトコやってきてさ、
「いやあ、アレなかったよ」とかいうのよ。笑顔で。
タヒチ語って「ごめんなさい」に相当する言葉がないのね。
眼と表情で気持ちが伝わるからだって言うんだけど、それもよくわかった(笑)。
で、代わりのもの頼むじゃない。
したら「まかしとけ、それもウマイぞ」って感じで行くんだけど、
またしばらくすると「それもちょっと今日はなかった」みたいなこと言うわけ(笑)。
逆にエビはないとか言ってたのが、「やはりあった」みたいな(笑)
世知辛い日本では考えられないこのユルさが最高。大好き。
で、紆余曲折の末に出てきた料理がこれ。

もんのすご~く待たされたんだけど、もんのすご~くウマイ!!
腕は確かですよ、うん。
でもグラスの大きさが不揃いなんだよなあ(笑)。
しかも出すのは遅かったくせに、皿の回収は早いの(笑)。
食べ終わるかどうかのタイミングで、「finished?」って、おい。
皿が足らないんじゃないか?って笑ってたんだけど。

で、音楽なんですが。
月曜日は「タヒチアンミュージック」の日だそうで、
年配の女性(?)がハワイアンウクレレとギターで歌ってくれてる。
まあ、これはこれで実に味わい深いし、そうそう楽しめないしね。
で、なんで(?)をつけたかというと、
タヒチ独特の文化で「マフ」とか「レレ」ってのがあるからなんですよ。
「マフ」は女性として育てられた男性で、「レレ」は 女装する人のことでね、
なぜか長男を女性として育てるという伝統があった名残なんだそうです。
非常に細やかで働き者、ポリネシアの文化では尊敬の対象にもなって、
いまでもサービス業などではよく見られるとか。
なんか、そんな感じだったんだよね。
優しい、いい声でね。楽器も上手。
しかも音感・リズム感が抜群にいいんだ。
楽譜もないから幼少期から耳で覚えていくスタイルだもんね。

タヒチアンミュージックは本当はタヒチアンウクレレを使うそうで、
それも聴いてみたかったんだけどね。残念ながらお店になかった。
8本の弦で、開放で「ソドミラ」になるというチューニング。
「タヒチくん」においてあったから少し弾かせてもらったんだけど、
バンジョーに似た感じの音でしたね。
基本的にタヒチの楽器は手作りで、弦は釣り糸だそうです。
ほかにもバケツにほうきを差してひもを張ったベースだとか、
スプーンを合わせて打楽器にしたりとか、イイ味なんですよ。
こういうの見てると日本のバンドマンがエラソーに、
楽器の鳴りがどうだの、機材がどうの、周波数がどうの、知ったかぶったり
コンディションがなんとか、やれRECモードだライブモードだと言い訳したり、
自分のへたくそ棚に上げて屁理屈こねてるのが恥ずかしくなりますね(笑)。
彼らは本当に楽しそうに歌うんだ。
これでいいじゃない、他に何がいるの?って感じ。
売れるとか売れないとか、コンセプトがどうだの、くだらないなあと思うよね。
音楽をビジネスにしなくて本当に良かったと思う。
タヒチが観光地化されなかった方が幸せだったかも知れないように、
音楽もビジネス化されないでいた方がもっと楽しいのかもしれないよね。

そんなこんなで食べ終わり、ちょっと話しかけ、
気がつくとセッションしてました(笑)。

川口さんもギターもって、タヒチアンからスタンダード、
最後は日本の歌「瀬戸の花嫁」教えてやる!とかってさ(笑)。

でもこれをすぐ覚えちゃうんだ。で、合わせてくる。
すごいよね。
僕もギター弾きたいけどほとんど弾けないから、
打楽器ないか?って聞いたら、出てきたのがこれ(笑)。

スティックはドラムのなんだけど、調理場から鍋やらボウルやら次々出てきて、
これもどうだ、これもいけるかとどんどん増えてくんだよ(笑)。
適当に並べてリズムパターンつくってたらみんな喜んじゃって、
もう大盛り上がり。
楽しい時間を過ごしてしまいました。

もう次も絶対ここね。

ホテルへ帰ったらまた夜景がキレイでね。
星もものすごい数。
「天の川」の意味が初めてわかったよ。ああこれか、確かに川だわ、って。
テラスでごろっと寝転んで、星と月を眺めてるウチに寝てました。
幸せです。




夢の風景

2010-07-11 17:56:34 | いぶたろう旅日記
さあ、いよいよ今晩は日蝕に向けて出航です。
今回はタヒチ島そのものは皆既帯のちょこっと外なので、
クルーザーで6時間ほど外洋に出て、
船上から観測するというプランです。
しかしまだ実感がない。
朝起きてまずびっくりしたのがテラスからの眺め。


前日夜に到着したときは真っ暗闇だったところに、
真っ青に澄んだ海!
この寝起きの悪さで有名な私が、
ベッドから跳ね起きてテラスへ一直線。
もう気に入っちゃって気に入っちゃって、

いぶろぐもここから更新です(笑)。

さて、この日は社長さんと、もうお一方、
現地にお住まいのコーディネーターさんと食事に出ました。

中華だったんですが、これが実にウマイ!

タヒチ、メシウマイです。メシウマイとこは良いとこです。

「ダリア」ってとこね。地元の人にも評判のお店です。
基本、フランス語じゃないと通じませんが、オススメです。

南太平洋、フランス領ポリネシアでなぜ中華?と思うかも知れませんが、
実はチャイニーズも結構多いんだそうです。
で、チャイニーズが「ツケ」文化を持ち込んで、
純朴なタヒチアンは後先考えずに使っちゃうもんだから、
いわゆる「カード破産」的なものが続発して、
次々チャイニーズにとられていっちゃったんだとか。
うーん。かつての我が身に照らして同情するなあ。
タヒチアンってほんっとに人が良いんだよ。
陽気でいつもニコニコしてて、親切で。
彼らがヨーロッパや中国と出会ったから、
タヒチが世界的な観光地として有名になって、
おかげで俺もこうして来られたわけだけど、
でも出会わずにおれたら彼らはもっと幸せだったかも知れないよなあ。
そのあたり、複雑です。
あ、いや、考えない考えない。
タヒチアンに教わった中で一番お気に入りの言葉を紹介しましょう。
こういうときは
「アイタ・ペアペア~!」
「気にしない気にしない」です(笑)。

親父の話題で盛り上がりながら、たらふく食べて、
食後は「タヒチくん」という日本人女性が経営するお土産屋さんに寄りました。

事前にネットで見つけてコンタクト取っておいたんですが、
実はここの女性店主も親父の友人であることが判明(笑)。
なんでも昔、親父がお好み焼きの鉄板をプレゼントしたんだとか(笑)。
そんなこんなで話も弾み、あれもいいこれもいいとなってしまい、
パレオ、コーヒー、タペストリー、モノイオイル、黒真珠等々、
総額12万CFPもの買い物をしてしまいました。
店主さんも人は良いんだけど、びた一文まけないんだもんなー(笑)。
しっかりしてるわ。大阪のおばちゃんだね(笑)。

そのあとはカルフールへ寄って買い出し。

ショッピングセンターなんて万国共通だけども、
これがまた楽しい!
服なんかサイズ超でかいの。XXXLとかあるんだぜ。
果物がみんなおいしそうでね。あとパンがうまい!
食材もいろいろで、豚の丸焼き用のパッケージもありました。

お茶が飲みたいんだけど、さすがに「おーいお茶」はない。
でも紅茶とかジュースは甘いんで、こうなると基本、水です。
水のうまさを知りました(笑)。

さて、このあとホテルに戻り、少し休憩。
ガーデンに降りてみました。

ちょっと空に向けてカメラを構えただけで、こんな映画みたいな写真がとれちゃう。



手入れの行き届いた、きれいな庭です。


夕陽が照りつけたりなんかしちゃって。


さて、準備を済ませたら、いよいよ港へ向けて出発。

夜11時に出て、現地到着は朝5時頃、日蝕観測は8時半頃、
というタイムテーブルです。

こーんなでっかいクルーザーに乗っていきます。
南十字星も初めて見ました。上の写真に写ってるんだけど、わかるかな?
北斗七星ほどはっきりわからないんだね。
右向きに倒れてる感じです。

500人乗りクルーザー「アレミティ」を、100人足らずで占めちゃうという、これまた贅沢な。
張り切って乗り込もうとしたら、
「酔い止めは飲んだか?」とのこと。
割と乗り物酔いには強い方なので考えもしなかったんですが、
船は相当きついそうなので、素直に錠剤を飲みました。
準備万端で意気揚々と乗りこんだ船内では、
タヒチアンが現地の音楽で歓迎してくれ、レイもかけてくれました。
日本人が全体の半数くらい、あとは世界各国から、って感じ。
やっぱり前回(日本・トカラ列島)のリベンジ組が多いのね。
やがて出港。
最初は波も穏やかで、なんだ大丈夫じゃん、と拍子抜け。
とにかくでっかい船が嬉しくて、船内あっちこっちうろうろしてました。

ところが!!
1時間ほどで事態急転。
外洋に出ると、もう、揺れる揺れる。
この時期特有の季節風が向かい風になるもんだから、
次から次から波がやってくる。
船内は縦に横に数メートルの上下動。
これが大げさじゃないのよ。ものすごいんだから。
船内まともに歩けないんだよ。トイレなんて至難のわざ(笑)。
次第にきつ~くなってきて、やっぱり猛烈な吐き気に襲われ、
身動きとれなくなっちゃった。
だからこの間の写真もないわけです。
もうデジカメ画面なんてのぞいたら即アウトですよ。
周囲ではもう人目もはばからず、嘔吐・嘔吐・嘔吐の世界。
「お~うと、おうと、お~うと~♪」(ロート製薬の感じで)
でした。
もう、そんな中、吐くのが苦手でどうしても吐きたくない私の取った作戦はひとつ、
目をつぶり、「マリオカート」の画面を思い浮かべ、
「自分でこのアップダウンを運転してる気になること」でした。
これが非常に有効で、そのまま夢につながり、眠りに落ちました。

目が覚めたのは朝5時半。
デッキから日の出が見えるというので、
飛び起きて向かいます。
デッキに出ると、これが信じられないような風景。

360度全部海で、東の空にオレンジの光。

海もこれが本物のマリンブルーだ!って感じで青、蒼、碧。
それ見ちゃったらもう気分スッキリ、昨日の地獄がウソのよう。
そのままデッキで日蝕までいることにしました。

船内で出会った人々といろんな話をしたり、
周りの風景をカメラに納めたり、
何をするでもなく、でもまったく飽きない時間を過ごして、
7時をまわった頃だったかな。太陽が欠け始めた!

日蝕グラス、双眼鏡(特殊フィルム仕様)、簡易イス完備の私は即スタンバイ。

もうそこからは釘付けね。
時間をかけて徐々に欠けてゆく太陽、
かなり欠けてからでも、肉眼ではわからないんですが、
日蝕グラスで見るともう月の形そのままみたいな変な太陽。
だんだん周囲のテンションも上がってきます。
僕の双眼鏡(手製のフィルターがはっつけてある)に興味を持った外国人が、
入れ替わりに見せてくれないかと言うので、
「of course!」てなもんで貸してあげたら、大喜びでした。



なんでも奥さん(モデルみたいな金髪美人)が日本の音楽好きで、
「ガクト」ファンなんだとか(笑)。
僕は君の国のエアロスミスが大好きだ、って話したら
住んでるところを交換しようとか何とか(笑)。

やがて少しずつ陽射しも弱まり、気温も少しだけ下がり、
太陽が細い三日月ほどになった頃、不意に周囲が暗くなりました。

ところが、皆既に入る直前に意地悪な雲が来襲。
そこに向かって大きな外国人(さっきの人だった)が絶叫。
「Come on!! Blowing!!Come on!!」
と叫んでフーフー吹き出した(笑)。
これでみんな乗って、みんなでフーフー(笑)。
すると気圧が変化したのか(?)、さらりと雲が抜けて、
抜けたと思ったら光が一瞬ぱっと光って、ダイアモンドリングに。
そこからはもう、筆舌に尽くしがたいとしか言いようがない、神秘の光景。
ダイアモンドリングの光がすーっと引いていったかと思うと、
黒真珠のように丸く艶やかな黒が太陽を包み、
実に、実にあっけなく、自然にそれは始まりました。

もう、呆然自失。

動画も写真も途中で放ったらかして、ただただじーっと眺めてました。
幼い頃から一生に一度は見てみたいと憧れていた日蝕、
そのきっかけはやはり幼い頃に親父がくれた天文の本だったでしょう。
やがて親父とは生き別れたものの、大人になって再び語り合えて、
そしてその親父がかなえてくれた、この日。
生まれ故郷から遠く離れた海の果てで、万感こみ上げてきちゃったのね。
涙こそ出ないけれど、全身が震える感じ。

永遠にも、一瞬にも思える3分間が過ぎ、
再びダイアモンドリングの輝きを見せ、太陽はいつもの輝きを取り戻す。

写真でもテレビでもネットでもない、リアルな皆既日食。
これは経験した者じゃないとわからない、ほんとその通りだね。
何十万円払っても、一生に一度は見るべき価値があるよ。
僕はこの経験を通して、残念ながら人生観は変わらなかったけど(笑)、
日蝕は決して特殊な超常現象というわけではなくて、
たとえば朝日が昇り、夕日が沈み、月が満ちて欠けるように、
この地球上でごく当たり前に起きる、
自然な現象のひとつなんだ、という「実感」が持てました。

そのことは、たとえば今回の旅行に通底するテーマなのかも知れなくて、
僕が親父と会おうと思ったことも、
ここへ来ようと思ったことも、
意志の力で自然なことにできた、特別なものだったのかな、と。
自分の知らない世界には、
こういった「一見特別に思える自然なこと」がたくさん散らばっていて、
それらに出会えるかどうかは結局自分の意志次第なんだね。
それはわかっているつもりではいたけれど、
実感する機会には乏しくて、
その意味では僕の人生観は変わったのかもしれないのです。
まあ、少なくとも仕事ばっかしてちゃだめだな、とは強く思ったな(笑)。
ま、仕事頑張ったおかげで、会社にも認めてもらえて、
ここに来られたんだけどね(笑)。
バンドを失ってこの方、ずっと漠然とながら感じていた、
「自分は何のために生きているのか」という疑問、
答えはこういうことかもしれないな、というこれまた漠然とした感覚。
別に仕事棄てて趣味に生きるとか、
いっそここで暮らすとかそういう大げさなことじゃなくて、
何を求めて生きていくか、自分のやりたいことって何なのか、
そのために日々をどういう気持ちで過ごしていくか、
そんな感じ。
仕事のために仕事する人生じゃなくて、
何のために仕事を頑張るか、というポイントが定まった感じだね。

午前中の早い時間に日蝕観測は終わり、
帰りの船は順風で非常に穏やかでした。
船酔いの心配もなく、デッキの日陰で昼寝をたしなんでいると…
「Excuse me」
と話しかける声が。
なんだ?と思って目を開けると、
テレビカメラを持ったにこやかなドイツ人。
彼の話では、今回の日蝕ツアーに来ている人々にインタビューをしていて、
日本人ではぜひあなたにお願いしたいと思った、とのこと。
なんでまた俺に。双眼鏡か(笑)。
もちろんそういうのはキライじゃないので、二つ返事で…
といきたいのだが、なにぶん英語が心許ない。
とんちんかんな解答で世界に恥をさらすのもなあ…と、
「答えてあげたいけど、実は僕は英語に自信がなくてね…」
みたいなこと言ってたら、天の配剤か、
なんとそこにこれ以上なく強力な助っ人が登場。
Mさんと名乗る年配の日本人女性、彼女はなんと元プロの通訳!!
帽子にてるてる坊主をつけたかわいらしい人です。
よかったら私がお手伝いしましょうか、とのことで、
万事オーライになりました。
いやー、やっぱし俺「もって」ますねー。

いくつかの質問に答える形式で始まったんだけど、
もう全部日本語でいいということなので、
それはそれはドラマチックにここまでの経緯を語ってみせ、
インタビュアーを喜ばせてしまったのでした。
この辺は親父譲りです(笑)。

連絡先を交換し、できあがったら送ってくれるとのことで、非常に楽しみです。

…と思ってたら、なんと同行した日本人ツアー客の方の証言により、
夕方のニュースで俺の映像が出ていたことが判明。
タヒチでテレビデビューしました(笑)。
日本ではテレビの仕事取るのにあんなに苦労したのになー。
接待ゴルフも制作協力費もいらないじゃーん。
いやー、ほんとになんか「持ってる」な-、俺。
まだまだいけるかなー。

その後、軽食を取ろうと食堂へ向かったら、
どうやら僕あたりが最後だったらしく、
陽気なタヒチアンの係員が、あれもこれもと持ってきてくれました。
しかも刺身にはわさびまで(笑)。
こっちの刺身は醤油じゃなくてココナツミルクとか、
ちょっと甘めのタレにつけて食べるんだけど、

こあれがまた絶品。でも食いきれないよこんなに(笑)。
もりもり食っているウチに船は島へと近づき、

ようやく揺れない地面にたどり着きました。

いったんホテルに戻るも、爆睡。
揺れない地面のありがたみをかみしめつつ、
ベッドに身を沈めてそのまま失神(笑)。

2時間弱かな。
今度は近くにルロット(屋台)がいっぱい出てるというので、
晩飯はそこにしました。5つ星ホテルで一食も食べてない(笑)。

かつては20以上あったのが、欧米の不況で店じまいが相次ぎ、
いまは7つ程度が残るばかりとか。
でもそれって、ウマイとこが生き残った、ってことだよね。
行ってみるとなかなかどうして賑やか。
生まれて初めて本物の「豚の丸焼き」を見ました(笑)。


あれこれ迷ったんだけど、僕らが選んだのは「Chez Marie」。
豚肉とパスタ、チャーハン、春巻きをオーダー。

「春巻」って英語でなんていうか知ってる?
「springroll」って言うんだぜ。まんまじゃん(笑)。

まーとにかくこれらがまた、ウマイ!!
この旅行中、食い物は全くハズレなかったな~。
ご一緒した社長さんと、ツアー参加客の旅行好きの女性と、
世界中のあちこちでどこが楽しかったか、で盛り上がる。
僕も次の候補地が増えました。
あーでも、しばらくタヒチタヒチって言ってるかなー(笑)。

ルロットから帰って、また爆睡。
考えてみれば飛行機~船~日蝕であんまりまともに寝てないんだよね。
とろけるように眠りましたとさ。
もちろん、夢でも見ましたよ皆既日食。
あと船酔い(笑)。

楽園へ

2010-07-10 17:58:02 | いぶたろう旅日記
さあ、いよいよ人生初の海外です。
35歳で?みたいに意外に思われるかも知れませんが、
ずーっとバンドやってたし、お金もなかったからね。
僕は海外へ行くんなら、自分のお金でと思っていた
(親に行かせてもらうのなんてダメだと思ってた)ので、
なかなかチャンスがなくってね。
30で一度バンド退散してからは、今度はヒマがなくて。
時間のあるときはお金がなくて、お金があるときは時間がない。
人生思うに任せないものだ。
でも、結局今回のように、意志ひとつなんだよね。
本気で行こうと思うかどうか。
会社には色々迷惑かけちゃったけど、無理言ってでも決めて良かったな、
と思える旅行にしたい。
そのためにはもう、何から何まで楽しみ尽くすのだ。
まずは緊張しながら飛行機に乗り込みます。
お、お、落ちたりしないよね・・・?

浮いてるよ、これ、浮いてるってば。
そんなこんなで、成田から飛行機に揺られること11時間、
生まれて初めて日本を出て、太平洋を横断し、
あこがれのアメリカ、ロサンゼルスに到着しました。
ここでトランジットなのですが、
初の海外上陸地がアメリカというのはグっと来るものがあります(笑)。


すげー。かっこいー。
welcomeとか言われちゃね。
初の入国審査も指紋登録とかあって緊張してたんですが、
入国審査官が日本語のわかる、気の良いおっちゃんで、
「ヨーコソー、アメリカヘー」てなノリだったんで楽しかったです。
まずは英語の肩慣らしに、ホットドッグの注文にトライします。
なんか、どれもやたら美味そうに見える(笑)

成功。ウマイ。
上機嫌のうちに空港のあっちこちで遊びはじめます。


さて、また色々と面倒くさい手続きがあるんですが、
僕にとってはそれすら新鮮(笑)。
幸い、金属探知機ブーブー鳴らすこともなく、別室に連行されもせず、
無事にエアタヒチに乗り換え。

さらにここから9時間近く乗ります。
日本からタヒチへは、直行便が週3便あるんだけど、
今回は日蝕の関係で全部満席。
ということでロス経由になったわけですが、
なんだかんだで20時間近く乗るわけです。
もちろんエコノミー。
もうあれだね、あのスペースで、機内食ばっかだされてると、
気分はすっかりブロイラーだね(笑)。

とか何とか言ってる間に(壮絶に長かったけど)
赤道を越え(日本語表示になるんだよ!)、
南国の楽園タヒチに到着しました!
飛行機のこういうタラップ降りたのも初めてだよ。
来たよ来たよ来た!
見てこれ、すんごい名前でしょ。
「ファアッア」て読むんだって。


降りてすぐに入国審査所があるんだけど、
そこに並んでる間に歓迎のタヒチアンソング!
すんげーウマイんだよ。

空港は人でいっぱい。
でも不思議と日本みたいに人混みが殺伐としてない。
空気が違う感じだね。

さっそく、両替してみます。
絵柄がカラフル!
やがて現地のコンダクターさんとも合流し、
ホテルまでマイクロバスで移動します。
夜の空港、島の景色、右側通行のハイウェイ、何もかも新鮮。
いやーもう、初日からやばいです。
最高です。

そして着いたホテルがまたスゴイ。





リゾートっすよ、リゾート!!
いや−、映画みたいだ。
この世にこんな天国みたいな場所があろうとは。

まあ、もちろん気楽な観光客にとっての天国であって、
生活してる人にはそりゃまあ色々あるんでしょうけども。
ま、そこはせっかくの長期休暇だ、カタイこと言いっこなし。
こちらタヒチはただいま冬ではあるんですが、
気温は20度を下回ることはないので、まあ常夏です。
陽射しはきつめですが、木陰にいると風がさわやかで気持ちいい。
上陸して最初の感想が、
「絶対また来よう」だもん。最初からですよ。

今日は疲れてはいたものの、興奮冷めやらずで、
ホテル内を散策することにしました。
改めて歩き回ってみると、このホテルがホントすげーんだ。
「Radisson Plaza Resort Tahiti」っていうんだけど、
絵に描いたような高級ホテルですよ。


もうただびっくり。
日蝕さえ見られれば、と思っていたのがこの贅沢。


一生分の運を使い切ってしまうんじゃなかろうか。
まあ、思えばここ5年は仕事ばっかしてたからなー。
たまにはこれくらい贅沢してもバチあたらんかなー。


いよいよ明日は日蝕です。
人生観変わるだろうか。
すでに変わりつつあるのが否めないが(笑)。


p.s.
離島なのでインターネット環境もあまりよくなく、
ロビー近くのバーで15分450円でつながります。
しかもおっそいの(笑)。
写真上げられるかなあ。
またチャンスがあったら更新します。

空港です

2010-07-09 16:19:58 | いぶたろう旅日記
いよいよほんとに行ってきます。
準備に6時間かかりました(笑)。
巣作り名人の私ですから、荷物もすさまじい量です。
搭乗口で止められないことを祈ります。
成田は見送りでしか来たことないから、
ここからは未知のゾーンです。

まずはロスへ向かいます。
この言い方、ヨ○キぽくってどうかと思います(笑)。
11時間のフライトです。
そっからタヒチです。
何もかも初めて尽くしで、高揚しております。

で、空港で何やってるかと言えば、
仕事の仕上げです(泣)。
今日までに仕上げなきゃいけないファイルをなんとか仕上げて、
さっきメールで送りました。
空港ってフリースポットないのね。
500円取られたよ。
24時間使えるとかって、そんないねえっつうの。

ともあれ、行ってきます!
写真はお見送りのまいまざーです。
リバっ娘にはおなじみ、Steven Tylerと同じ誕生日の、のりこです。

行ってきます

2010-07-08 03:55:42 | 新・いぶたろう日記
ただいま午前4時。
よーやく、不在中の仕事の引き継ぎ準備が終わりました。
なんせ職場を10日も空けるの初めてだから、
あれやこれや不安になっちゃってねー。
でも、幸いいまウチの職場は戦力が揃っているので、
みなさんの厚意に甘えて、心置きなく旅立たせてもらえそうです。

明日は日中の会議に出て、そのあと荷造りです。うへー。

ともあれ、行ってきます。
子どもの頃から憧れた皆既日蝕、本当に、楽しみです。
人生観、変わっちゃったりして(笑)。

あさってには出発だってのに

2010-07-07 01:08:35 | 新・いぶたろう日記
仕事が終わら~~ん。
もう、出発までぎっちり、
下手したら向こうでも仕事さす気じゃないかってくらいだ。

しないけど。

仕事ってのはアレですね、
これは放っておいたらまずいぞ、何とかしておかなきゃ、
と思った人の負けですね。
仕事が増える人ってのはだいたいそのパターン。

しかし今回俺は鉄の意志で仕事を放り投げていくのだ。
だってまともにやってたら、行けない。
保護者会とその資料作りとパワポ作りと保護者面談と授業とテストと人事考課とフィードバックと合宿準備と夏期講座準備と全て同時にやれなんてそりゃ無理ですよ。
だからもう最近の私は、あえて、わざと、やりません。
昔は寝ないでやったけど、そんだけ頑張ったって状況は良くならないからね。
やんないとマズイのだけ、何とか間に合わせて。
そんくらいでないと仕事とうまく付き合えないよなー。

てなわけで、まだ帰れないのですけども、
遊びに行くために頑張ってる、てのは、そう悪い気がしない。
いつもこうだといいんだが。