いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

悩める胸の内

2004-10-01 13:11:01 | Rebirth歴史資料館
退散(当初は脱退)決定半年前のメンバー宛メール、発見。
辛そうだなあ…

ーーーーーー

Subject:ありがとう
Date: 2004年10月1日 11:53:33:JST
From:ibuki
To: member

メールありがとね。
まずは俺の本音から言うと、ここ1年のRebirthには不満だらけだったんだ。
メンバーにとかスタッフにとかいうよりも、バンドの流れ方について、かな。
「売れるため」「メジャー感」という言葉にごまかされながら、
Rebirthがどんどんアイデンティティを失っていく感じがしてて、
Rebirthでなきゃいけないものを提示できなくなっていく、そういう不満だね。
不満があると顔や態度に出さずにいられない、
それを汲んで貰えないとあからさまにやる気をなくす、
これが俺の最大の特徴であり最大の悪い所(笑)。
これが幾多の迷惑をかけているわけですね…(笑)。

何でもかんでも事務所の顔色気にしてて、どうせ彼らは責任なんかとれないのに、
結果が良ければ事務所のおかげ、悪ければバンドのせい、
そういう構図もずっと早くから見え見えでバカバカしくって。
だけどそれについて不満を言うのは「子供」で、
どんなにバカにされても「事務所は味方だから」「敵に回してもしょうがないから」
なんて、格好のいいこと言って収められれば「大人」みたいな、
メンバーの言い方にもかなりうんざりしてた。
確かに外部に対してはある程度本音を包み隠して接していかざるを得ないだろうけど、
バンド内でガス抜きすることさえ許されないのか?と思ったね。
「息吹の言うことはテンションが下がる」とか言われてクチを封じられちゃうと、
こんなにひどい現状を不満に思ってるのは、
バンド内で俺だけなの?っていう気にもなって来ちゃう。

俺の考える理想のロックバンドてのは、
まず何よりも自分なりの主義主張が先に立つべき。
もちろんそのまま100%を世に出せるとは思っていないけど、
Rebirthは新メンバーで始動してからというもの、
自分たちのやりたいことがなんなのかをぼやかしたまま、
とにかく事務所にOKが貰えるものを、追っかけてきたでしょ。

ここに加えていくつものエピソード。
6/29のワンマンが、あんなに盛り上がったのに頭ごなしに否定されたこと。
anotherの歌詞がガ★★★★の独断でいいようにかきまわされて、
あげくどっかの誰かが書いたのとまぜこぜにされて、
まったく訳の分からんものにされたこと。
アルバムの歌詞でも俺が全く納得のいかないものを、
俺がいない時に「俺以外全員賛成」で決めてしまったこと。

これらによって俺は、
もはやRebirthにクチ出ししちゃいけないんだな、と思ったのね。
クチ出ししちゃうとねじ曲げられたりバカにされたり無視されたりで悔しいから、
もう一切黙ってようと思ったんだ。
Rebirthというバンドのカラーは俺が作ったっていう自負があったんだけど、
それはもうこの先「売れる」という目標に向かっていく中では必要ないんだな、と。
もうRebirthは俺のやりたいバンドじゃないな、と。
そんな風に思ってて、
アルバムのレコーディングが終わったらバンドやめようかと思ってたんだ。
初めてのことだよ。

それがアルバムが出て、夏ツアーに出て、
バンドの活動が軌道に乗ってくる中で、
それまでのことも自分なりに色々と考え直してみて、
ライブラッシュの中で徐々にテンションを取り戻してきた矢先に、
あの魚民(注:打ち上げと称して吊し上げ裁判が行われた)。
確かにみんなの言うことも解るんだけど、
俺、あの場で言われたことには未だに納得してない部分が多くあるのね。

無論、遅刻、欠席、時間の融通、それらについて言われるのは仕方ない。
実はどれもRebirthに対するモチベーションが低下してたからこそなんだけど、
それを言い訳にしてもしょうがない。
だけどこんなことまで言われなきゃいけないのか?ていうのがあった。
その最たるものが、

1)「イブキはMCに過剰な自信持ってるけど、否定的な意見も俺のとこにはいっぱい
来てる」
俺は一度も、自分のMCに自信があるなんて言ったことないよ。
対バン、客、ライブハウス等々、周囲がそう評価してくれたことはあってもさ。
なぜ、目立つ要素をRebirthのカラーとしてとらえずに、
自分のとこに来た数えられる程度の取り巻きの声を根拠に、
さも「一般ウケ」が悪いかのようにいって潰そうとするのか?
最大の武器である「個性」は最大の弱点にもなりうるのは宿命的なもので、
いちいち無難なもんにきりかえていたら、「どこにでもあるバンド」にしかならないよ。

2)「気持ちがあれば何でも出来る、なければ何も出来ない」
気持ちはもとより重要だけど、
それだけで何でも叶うなら日本は戦争でアメリカに勝てたはず。
成功は運と才能と努力のかけ算。精神論だけでやっても窮屈だ。
「CDを売ろうと本気で思えば、売れるはず」
「売れようという気持ちが足りないから売れないんだ」
「売り方だのPOPだの小細工は要らない」
だなんて、
正気で言ってんのこの酔っぱらい?と思ったよ。悪いけど。

3)「イブキは敵を作りすぎる、言いたいことをガマンしてでも売れるためにオトナに
なるべきだ」
文句を言わない、エライ人の言うことは何でもはいはい言うこと聞く、
そのくせ陰でグチグチ言う、それってオトナなの?
事務所の言いなりになってれば売れるという保証はあるのだろうか?
やりたくないことやらされ続けて、
売れなかったら誰が責任とってくれるのか?
自分で責任を追うのだから、モチベーションは常に自分から発するものでありたい。

まあ、***と※※※※※だわね(笑)。
彼らと俺の考え方や物の見方、好みなんかはまったく正反対なんだよね。
彼らは分別くさい一般論がいつでも先に立って、
具体的・現実的な解決策とか自分なりの意見が出てこない。
いつでも同じフレーズの繰り返しで、頭使ってないんだよな。悪いけど。
それでも俺は彼らの考え方はメンバーとしてそれなりに尊重してたつもり。
それが***はいきなり、本当にいきなりキレて見せたでしょ。
あれで俺を脅してるつもりなんだから呆れちゃうよ。
あれで俺、一気にシラケちゃって、
「ああ、バカにされてるなあ」と思ったのね。
キレたら本音?キレたらびびる?
バンドごっこやってんじゃないんだからさ。
ナベさんが「Rebirthはメンバー間の尊敬が感じられない」と言ったそうだけど、
なんて的確な表現なんだろうと思ったなあ。

俺にしてみれば、彼の意見は非常に「業界ずれ」してる様に感じるんだ。
なんかメジャーとか業界とかってものを知り尽くしてるかのように錯覚してて、
それらを意識しすぎてて、バンドで一番大切なはずの主義主張がない。
確かにやりたいことだけやれるなんて都合の良いことあるわけないけど、
なんのメッセージも個性も放たないバンドなんて誰が好きになるだろうか?
で、多分ここがみんなと一番の違いだと思うけど、
そんなバンドとして売れたって俺は嬉しくも何ともないし、
それを強制されるなら、窮屈なだけだから例えメジャー決まったって辞めると思う。

で、あの話し合いで俺が感じたことは、実は、
もう俺はRebirthのボーカリストとして必要とされているワケじゃないな、
てことなんだよ。
俺じゃなくて、もっと人の言うこと素直に聞いて、売れるためと割り切れて、
格好つけんのがうまくて余計なこと言わないで時間にも正確な(笑)、
そういうヤツを入れればうまくいくじゃない、と思ったね。

で、その後は、もう俺はRebirthの根幹に関わるのはやめよう、と。
streamの歌詞がそうだったように、
自分が一生懸命書いたものを無神経にいじくり回されるんじゃなくて、
全部人任せにして自分は歌うだけの人、って割り切っちゃえば心苦しくもないし、
言われたことだけやって、ライブだけ一生懸命好きにやれればいいや、と。
「ライブがやれればそれでいい」人になってましたね…。
売れたら売れたでいいし、クビならクビでもいいし、
なるようになればいいよ、そんな風にも思ってたなあ。
だからミーティングとかでもほっとんど発言しなくなったでしょ。
俺が何か言うとまたヤナ顔されて波風立つからやめとこう、と思ってんだよね。
リハに行くのも足が重くてねえ…。バイト行く感覚と変わらなくなってる。

でもこれが最近ちょっと変化しててね。
事務所が最近手のひら返して冷たくなったでしょ。
これでメンバーも気付いたというか、大人ぶっていられなくなったというか、
ようやく俺の痛みを共有出来るようになったというか。
ガチャロウが来なくなったことでステージも自分らで考えるようになって。
営業回りとか看板作りとか、
事務所と疎遠になってからのRebirthの雰囲気は好きなんだよなあ。

まあ、そんな感じなわけです。
精神的に非常に不安定だけども、ライブにはプライドもって臨んでる。
で、メンバーは俺をいい目で見てないだろうな、という先入観も持ってる。
まあ正直なとこ、ツライんですよ(笑)。
独りきりで一生懸命モチベーションの種をさがしてる。
だから、今回のメールで

「息吹の言動とか怒ってることとかって、理由を聞けば一番納得するのよね。
だからこそ、今までちゃんと話してなくて、ちゃんと理解してない事がいっぱいある気
がしてもったいなく思ってね。」
「息吹が良い歌歌ってたり、良いステージングだったり、いいMCだったりの時って、
やっぱり客にダイレクトに反応がでるしね。」

こういう風に言ってもらえたのは非常に嬉しい。
これは涙なしには読めないなあ(笑)。

俺は確かに悪い冗談が過ぎる時も多いけども、
主張や怒りは筋を通して、必ず合理的に話すようにしてる。
ハナから「オトナになれよな」ていう烙印を押さずに聞いてさえくれれば、
例え賛成は出来なくても理解はして貰えるはず。

Rebirthで果たしてる俺の役割についても、
やっぱりRebirthの顔として客を沸かせるのは俺だ、ていう自負もあるし、
それをメンバーに認めて貰えるのはこの上なく嬉しい。
6/29以降、否定されてばっかしだからね(笑)。
どんなに一生懸命考えてやっても、うるさい、長い、重い、格好悪い。
ウケても沸いても面白くても、何も言われない。
こういうの、俺、弱いんだよねえ(笑)。

でね、俺がバンドやってる理由てのもさ。
バンドじゃなくたって別に良いんだ。
自己主張・自己表現が出来るなら、演劇でも演芸でも文芸でも、
それこそ「教育」でも構わないわけ。
バンドっていうフィールドはもっとも自由度が高くって、
しかも環境や出会いに恵まれたからここまで続いてきてるんだよね。
だけど表現方法に制約が増えて、しかも認めて貰えないとなると、
常識や分別に縛られたくなくてバンドやってんのに、なぜ?と思うね。
他のフィールドへ行こうかな?と思えて来ちゃうんだよ。

まあでも、恐らく残り限られた時間での勝負になるだろうから、
あんまりグズグズも言ってられないよね。
俺も悔しいし、せっかくバンド主体の活動形態が戻ってきてるから、
ここらで俺もやってみるよ。
営業とか、ライブハウス・対バン事情とかには全く疎いのでどうしようもないけど、
Rebirthの作るもの、に関しては持てる余力の全てを傾けるようにするよ。
頑張ろう。
ありがとね。


息。

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この後、O-WESTのライブで劇的な「復活」。
アンケートには「あの息吹さんが帰ってきた気がした」との文字。
何も言ってないんだけど、伝わるもんだなあ、と納得。
しかし舞台裏では某メンバーと決定的な亀裂。
それをも耐え忍んで年末の4daysを大成功に導く。
最終日、シュンスケのスピーチで初めてRebirthの危機が語られ、
でも乗り越えたという希望を共有して2004年が終わる。
実は、ここで燃え尽きていたのだけども。