赦す

自分では絶対に正しいと思っていたことが、
あとで大きな間違いであったことに気づいたり、
逆に自分では不本意だとか恥ずかしいとか思ってたことが、
あとで正しい方向に導いてくれることなんてのが、ままある。

つまり、最終的な価値や是非は時が経ってみないとわからないし、
それはどのくらいでわかるのかと言えば、
これはもう自分自身の年輪の重ね方による。
何かに囚われ思い込んでいる限りはいつまでも盲目だろうし、
それでいて人はいつも自分は冷静で客観的だと信じたいものだから、
たいてい、取り返しのつかないことになってから
深く悔やんだりすることになる。

人を赦すこと。
自分を赦すこと。
これだけが人の心を自由にするコツだろうと思う。

アルバムの中の一葉の写真のように固定された過去なんてのは、
枠内に写っていない何もかもを都合よく忘れた思い込みで、
もっと色んなものが混じり合っていたはずだ。
そしてすべては今に続き、未来へと流れている。

変わらないものなど何もないし、
みんななくなったように感じていても、
形が変わっただけかもしれない。
赦せないのは他人ではなく、
何かに執着し続ける自分の中にその種子があるのかもしれない。

結局すべてはみんな、自分が幸せになりたいというだけのこと。
幸福はただの欲かもしれないし、欲は錯覚かもしれない。
人の言葉は嘘かもしれないし、嘘は思いやりかもしれない。
思いやりは自己満足かもしれないけれど、その連鎖が絆を生むのかもしれない。
絆とかそんなので彩られた人生も長くて短い夢なのかもしれない。

中也は「喜びすぎず、悲しみ過ぎず」と言い、
井伏鱒二は「サヨナラだけが人生だ」と言った。

僕はここに
「ガマンし過ぎず、適度に忘れ」
「ゴメンね」と「もういいじゃんか」、
そんなのを付け足してもいいのではないかと思う。

赦す。
誰かが、誰かを、ということではなく。
誰もが、誰もを、なのだ。

安保法制、反対。

僕は権威とか権力というものにとことん懐疑的なので、
安保法案の現時点での可決には反対です。
左翼だからでも、中韓の手先だからでも、
反日だからでも、平和ボケだからでもないです。

安全保障の必要性はともかく、
こういう論法でこういうやり方をする安倍政権や
日本政府が信用に値しない、というだけです。

賛成派の人々のうち、
ちゃんと知的根拠をもって理性的な主張をされている人々ほど
安倍政権は知的でも有能でも理性的でもないし。

賛成派の人々のうち、
根拠もなくおよそ盲目的・暴力的な主張を繰り返している人々には
まったく共感持てないし、そもそも関わりたくもないし。

反対派の人々にも、
まるで鏡像のように盲目的・非知性的・暴力的な人もいるし。

僕個人として反対だというだけなんで、
賛成している人についても反対している人についても
どうこう言うつもりはないですが、
互いに無知だのバカだの揚げ足取り合って、
ボロカスに言ってるツイッターとかＦＢとか見てると、
何か心がどろっとしてきて、実にイヤなモンです。
最近は際限なく汚い言葉でdisり合ってるようなのは
片っぱからブロックしてます。目の毒。

権力不信という立場から、
憲法違反を何とも思わない政権には、
余計にその不信が募ります。
違憲じゃないなんて黒を白と言いくるめる政権が信用できますか。
安全保障について徹底論議の上、必要があるなら改憲すべきでしょう。

中国の脅威を米国追従の隠れ蓑にして、
自ら戦争の危険をアオリながら「国民の命を守る」
なんて言う総理大臣を、僕はちょっと信用できません。
保身第一で、党内に一切の異論もない不自然な政党も、信用できません。

あくまで僕は、です。
無知でも、惰弱でも結構。
必要なら憲法違反もＯＫなんて、訳がわからないよ。
何世紀だ、いま。

やるじゃん

例えば自分が同じ年齢でその立場に置かれたら、
彼ほど堂々とその役目を務められるだろうか？
自分の方が年長である、
あるいは社会的ステイタスがあるというだけのことで
彼を見下してみせる連中の醜さったらない。

やれ青いだの薄っぺらいだの勉強不足だの、
トシとってアタマ固まってるだけのくせに、
その自覚もない中途半端な社会人とか不勉強な中年が、
エラそうに言うなって。
嫉妬してるようにしか見えないよ。

ヒゲをそれだの身だしなみがどうのと、
どうしようもないケチをつけるに到っては、
もう論外だね。
良識を気取る差別主義者。
とっても気持ち悪い。

この国は自称オトナが一番みっともないね。

置き換えてみるとわかるんだけど、
例えば大学生の文化祭のバンド観て、
やれヘタだのパクリだのわかってないの、
楽器や衣裳が安物だの言ってるのって大人げないと思うんだよね。
ましてそれがプロのミュージシャンの言だったら、
なおさらカッコ悪い。

プロ（それでお金をいただく）の世界に飛び込んできたのならまだしも、
彼は少なくとも現時点では政治家ではなく、
あくまでも一市民、一学生として活動しているわけだし。
それに専門家並みの知見や、
百戦錬磨の国会議員並みの四方八方気配り発言を求めるなんて、
どうかしている。

「背伸び」した甘酸っぱい若者にしかできないこともあるし、
「年輪を重ねた」つもりのオトナには感じ取れなくなっていることもある。

こき下ろして悦に入って、なに、自分の優位性を誇示したいのかな。
つまり、アイドルを観てこんなの若いだけでチヤホヤされて
内面の魅力がないとか言ってるおばちゃんと同じってこと？

それとも色々あきらめた自分の後ろめたさを正当化しているのかな。
つまり、学生野球の選手をスポーツだけで常識がないとか
この程度じゃ喰ってけないとか決めつけて、
脳みそ筋肉呼ばわりしてる元補欠のおっさんと同じってこと？

てこた、やっぱり単にヒガんでんだろうな。
羨ましいんでしょ。
本当の自信がもてない中途半端なオトナたちなんだろ。
偉そうに人に勉強不足とか言う人に限って、
大して勉強してないし、
偏った知識や思想に凝り固まってるしょーもないヤツだったりするんだよね。

若者の政治活動、デモ、大いに結構！
無関心装って、黙ってるよりはるかにイイ。
失敗、脱線、やり過ぎ、大いによし！
僕は温かく見守りたい。

まさか、に思う

昨夜、犬の散歩で歩いたウチの近くの旧江戸川河川敷。
水路のようなこんなとこでさえ、濁流が溢れたらしく、
うっすらだけども汚泥が遊歩道を埋め尽くしている。
川面には上流から流れてきたと思しきゴミがプカプカ漂う。
鉄柵には増水時の水位を物語るように同じようなゴミが引っかかる。

こんなもんが家の中になだれ込んできたらたまらんよなあ。

鬼怒川決壊で家を流された映像も、
あれが思い出の詰まった自分の家だったらと思うと言葉もない。
愛車もドロに浸かったり、愛犬が流されて溺れたり。
とても堪えられないことだよ。

つくづく、被災者の皆さんの心中慮られる。

オバケの国にも帰れないし

何というか、うまく言えないけれど、
たまにこの劇画オバQのQちゃんのような気持ちになるときがある。

まあ、僕が留年しっぱなしみたいな感じで生きてるせいだろうけど。

平和ボケ

日本という国をどう護るか、
ということから目を背けてはいけないとは思うよ。

だけどね、これほど乱暴で独善的で、
何かとお粗末な安倍とその取り巻きに、
あれほど恣意性の高い安全保障関連法制を与えちゃっても、
「大丈夫でしょ」「戦争にはならないよ」「徴兵制なんてあり得ない」
なーんて思ってるんだとしたら、
それこそ立派な「平和ボケ」じゃあないのかな。

会社ごっこ

上司を「さん付け」すると怒りを買う職場の閉塞感
（DIAMOND ON LINE：高城幸司氏 [株式会社セレブレイン 代表取締役社長]）

いやあ、これ、わかるなあ。

一般論ですけどね。
斜陽の零細企業、立て直すためにみんなでアイデア出して、
活発に意見交換して、フットワーク良くどんどん手をつけて…
という時には、互いに役職名なんかで呼んでも空々しいので、
普通に名前で呼び合ってんだよね。
いろいろ大変だけどみんなひとつのチームって感じで、
短期に業績もぐんぐん回復したりして、
いわゆる「あの頃は楽しかった」時代があってね。

でも、ある程度うまくいって大きくなってきちゃうと、
なぜか調子に乗って突然会社ごっこ始めちゃうのよね。
型に拘らない「改革派」だったはずの人が
色気出して「社長」を名乗り出すのを皮切りに、
「出世感」に飢えた苦労人たちが、我も我もと後に続く。
兼任だらけで部下もほとんどいないのに、
偉そうな役職名がポンポン増えて。
いっちょまえに役職でカテゴリ分けたり、
「役員レベル会議」だの「運営トップ会議」だの、
意味もなく選民会議増やして悦に入ったり。
どんどんロクでもないことになっていくんだよなあ。

あ、いや、特定の会社のことじゃあないっすよー(笑)。
そりゃもうもちろん一般論ですけどもね。

上の自己満で「役職」なんかに拘り出すと、
上下の間はヘンに段差ができて疎遠になるし、
聞いてないだの誰を通せだの順序がどうのと、
社内の風通しは悪くなる一方だよね。
たかが呼び名で？と思うけど、象徴的なとこだもんね。

だいたい会社が何だってのよ。
ただの集団、組織じゃないか。
「会社だから」で思考停止させてしまうあれこれ、くっだらないよなあ。
誰が考えたんだかわからないような、
妙な「社会人の常識」とか「マナー」多すぎません？
偉そうに振りかざす「常識」なんて、
大概は自分の狭い環境と経験に基づく思い込みに過ぎないと思うよ？

いいじゃない、別に。
普通に「さん」付けで呼び合えば。
マナーとかそんなんじゃなくて、ぶっちゃけ、
下の人間に自分を大層な呼び名で呼ばせてうっとりしたいだけなんじゃないの？
だとしたら、なぁんて人間ちっちゃいんだー。

そんなこったから……

……あ、いけね、一般論一般論。

ともかくさ、大切なのは自分の「仕事」への誇りであって、
会社に対する忠誠心とか帰属意識とか、
本質的にはそんなもんじゃないと思うよ。

無理ンピック

こんだけやらかしといてなんのお咎めもない緊張感のなさで、
オリンピックなんかできるのか？

森が辞めるか、オリンピック止めるか。
どっちか選……んだりできないから日本なのよね。

げに悲しきはモリンピック。

学ぶべきは何か

権威・権力へのスタンスとして、
盲信・追従するよりは疑う方が健全だと思う。

もちろん、何も信じようとしないのは
何でも丸呑みしてしまう態度と本質的には同じ訳で、
予防接種拒否とかガン治療否定なんてのも
背景にエセ科学がご本尊として鎮座ましましているわけでしょう。
だから自分にとっての最適解をくれるのは、
慎重な知性に他ならないんだよね。

安倍政権とその支持者をみていて思うのは、
何より言い分もやり方も反知性的だな、
というところにものすごく不安があるわけで。
考え方が違っても一理あると思わせてくれれば良いんだけど、
反対者をみんな夢想的・情緒的だと切って捨ててしまうところに
否定できない危うさを抱えていると思う。

だから彼らを否定したかったら、
やはりこの「思考に均衡をもたらす知性」に如くはない。
そこをはしょって感情的に喚くだけだったら、
鏡に映った対称像になるだけ。

実社会で求められるのは「論破」による正当性の証明じゃない。
「相互理解」と「解決」のスキル。
相手の受け取り方から自分の言葉の過不足を省みたり、
彼我の考え方の違いに思いを致し、
共通点を探ったりというプロセスがないと、
子供のケンカ以下になる。

僕がいまの社会状況から生徒に教えたいことがあるとしたら、ここ。

落書

此頃日本ニハヤル物
縁故・コネ・カネ・出来レース
粉飾　炎上　虚騒動
コピー　ペースト　粗探シ　
バックレ　見直シ　開キ直リ　
右ヤ左ノ旦那様「妄言」「反日」「売国奴」
安全保障ト虚軍
泣キ喚キタル記者会見
本業ハナルヽ大学生
党ヲ割リタル引退者
税金注ギ込ム競技場
憲法違反ノ沙汰モナク　憂ウ人ナキ裁判所
タソカレ時ニ成ヌレハ　居場所ナクアリク中学生
イジメ自殺ハ数不知　責任ノガルル責任者
ヨソノミル目モ心地アシ
利権体面猶不捨　自由狼藉ノ世界也
天下一統メズラシヤ　御代ニ生テサマザマノ
事ヲミキクゾ不思議ナル
フェイスブックノ口ズサミ　十分ノ一ヲモラスナリ