いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

今日は

2005-03-22 00:15:42 | いぶたろう日記クラシック
すんごいニュースが多かった。
いや、多分社会的影響は決して大きくないんだけど、個人的にぐっと来るニュース。
その1。
東北大学で女学生に対するセクハラを指摘され、近く懲戒処分を受ける予定だった教授が自殺したという。
遺書の内容がスゴイ。

「セクハラは やっていません」

すげえ。すげえよ。遺書だぜ。
大学教授まで上り詰めた人が、人生最後の一文で、主語が「セクハラ」。
よっぽど腹に据えかねたか、それとも逆ギレか。
いずれにしてもこれで気になるのは告発したという女子大生。
事実だったのか、当人の思いこみか、それともでっちあげか…。
いずれにしてもガツンとくるよな。日本じゃ死んじゃった奴は最強だもんな。
だってこれで対抗しようと思ったら自殺するしかないもんな。
「セクハラ、されました」
って書いてさ。
一体どんな行為をさしてセクハラだ、そうじゃない、となったんだろう。
言葉の上のことだけだったとしたら気の毒この上ないな。
価値観の問題だからなあ。
セクハラも痴漢も、もちろん許されないことではあるけども、
どんなケースでも絶対的に女性の言い分だけが罷り通るというのも厳しいよねえ。
言ったもん勝ちみたいなとこもあるもんな。
無理矢理誘ったとか、触ったとかいうのはもう問答無用だけどさ、
言葉を拡大解釈してセクハラだなんだ騒ぐおばちゃんも居るもんね。
そうでもしないと関心持って貰えないから、ていう心理なんだろうか。
いずれにしても、セクハラでひとり死にました。
気をつけようね、リー○ー。

その2。
手榴弾解体中に爆発、死亡。
「21日午後2時50分ごろ、北海道美唄市で、処理作業中の手りゅう弾が突然爆発した。下請け作業員(52)が出血多量で死亡し、男性社員(58)軽傷を負った。」
なんてこった……。やっぱあるんだねえ、こういうこと。
爆発されちゃあ、なあ。 
マンガなんかのイメージが強すぎて、爆弾では死なないような気がしちゃうんだよね。
まっ黒になって、髪がつんつんして、ドリフのオチみたいにさ。
でも、爆弾だもんな。そりゃ死ぬよな。
イメージって怖いもんで、マンガのせいで多少高いところから落ちても、身体のどっか刺されても、撃たれても、
心臓直撃じゃなければ死にはしないみたいなの、ない?
子供がカンタンに人殺しちゃうのって、それじゃねえかなあ。
死ぬよ、普通。死ぬっつうの。
死んでもなんかすりゃ生き返るとでも思ってんのかね。
教会連れてっても、ザオリクとなえても、世界樹の葉をすりつぶしても、
20万パワーずつ投げ込んでも、王大人に頼んでも、ドラゴンボール集めても、
死んだ奴は生き返らないよ。
しかしこの人も、まさか自分が手榴弾の爆発で死ぬなんて、
今朝の目覚めの時にも思わなかっただろうなあ。
人生一寸先は闇だよな。ほんと。

その3。
倉木麻衣、大学卒業。
誰だっけ、てくらい忘れてた。そんな人いたね。
でも大学入るとか言ってたのついこないだじゃなかった?
倉木麻衣自体には何の興味もないんだけれど、時の経つ早さに愕然。
2001年入学ってことだよね。
phrase 8とか作った頃か。ずいぶん昔のような気もするなあ。
でもアメリカのテロもその年なんだよね。やっぱりつい最近のような…。
オウムの事件も阪神大震災も10年前。
イマドキの中学生辺りは覚えてないわけでしょ。
3~5歳だもんな。俺にとってのソ連軍アフガニスタン侵攻とか、モスクワ五輪とかでしょ。
そりゃあ、覚えてねえよ。
そりゃあ、俺も30になるわけだよ。
そんなわけで自覚もないまま重ねた年齢、客観的事実によって随所で痛感。

寝る。

sick of you

2005-03-21 06:36:55 | Rebirth作品解説
lyrics/ibuki music/Kyotaro
phrase 8 (01.6)

当時Rebirth史上最高傑作との呼び声も高く、それを裏付けるかのように真っ先に完売した「phrase 8」のオープニングナンバー。京太郎のシンプルなリフからパワフルなイントロへつながり、ボーカルのハイトーンが乗って、重厚なコーラスと掛け合うメロディアスなサビ、というRebirthの十八番ともいうべき構成の速い8ビートナンバーだ。
収録の頃、ジュンイチは日に日にシンバルが増えてモビルスーツのようなセットになっており、昨今ではすっかり聞かれることもなくなったスプラッシュシンバルの音までが聞こえる。コーラスは私がレコーディング当日まで温めておいたものをスパーっと入れたらあんまりキレイに録れたもんで、私はすっかりご満悦だったのだが、京太郎はここまで大げさにされると思ってなかったようで、最初はいささか戸惑った様子だった。が、聞いてるウチに気に入ったのか、あきらめたのか、その後は何も言ってこなかったな。でもこないだ町田のオールスターライブでは嬉しそうにコーラスしてたからきっと気に入ってくれたんだろう。
歌詞は見たまんまというか「よくあるバンド」を痛烈に皮肉った内容。いわゆるチャートに乗ってるようなバンドだけでなく、自称「メジャー」や「元メジャー」の対バンの腐った態度や、キャリアが長いというだけで無根拠に威張りくさってる連中などを見るにつけ、私はとってもイヤな気分がするんである。何のために音楽やってるのか解らない、バンドを人生怠けてる言い訳に使ってるような連中をこき下ろしたくて書いた。

すげーぜ、サザエさん

2005-03-20 19:38:24 | いぶたろう日記クラシック
今日は新曲詰めの関係でリハが休みになった。
先月はツアーでぎっしりだったし、来月は新曲制作でまたぎっしり、
今月はライブも1本しかないし、ジュンイチのイベントもあったりで、リハ休みが多かった。
休みというとあまり積極的なイメージがないけれど、実はとっても重要なのだ。
しばらく休みが続いて、こないだの木曜深夜に久々にバンドで音を合わせたけれど、
これが妙に楽しかったんである。単純に歌うこと、合わせることがである。
Rebirthは基本的にマジメな人が揃っているので、あまり休みたがらない。
しかし、いつもいつも休まず当たり前に義務感だけでやっていると、
少なくとも俺のような飽きっぽい人間は最初に腐る。
散々顔を付き合わせて頑張った後は、こうしてインターバルを取るに限る。
色々他のことにも気が向くし、そこから着想することもあるし、様々な点でリフレッシュされるのだ。
貴重な休日、どう過ごそうかとしばし考える。
とりあえず髪を切りに渋谷まで出たが、花粉がきつくて帰ってきてしまった。
ダメだ。部屋から出られん。
そこでいつもは見られないテレビを見ることに。
まずはいかりや特番。これが…さすがテレ朝というべきか…つまらん…。
ドリフはやはり「全員集合」に限るな~。
「大爆笑」派も多いが、俺はあのライブ独特の高揚感の中で見せる笑いこそがドリフの真骨頂と見る。
しかもなんか知らんが、妙な「人情の旅」みたいなこと始めたぞ。
死んだらみんな聖人かよ、おい。

てなわけで「サザエさん」へ。
ワカメの声優はまだしずかちゃんの声だった。
さすがというか何というか外さない季節ネタ。
春分の日にお彼岸、おはぎ、お墓参りだ。
ここで波平と舟はおそるべき博学を披露する。
「おはぎ」と「ぼたもち」は違うのか?という子供達の疑問に対して、
「春は牡丹の花になぞらえてぼたもち、秋は萩の花に見立てておはぎ」
と波平。ここまではいい。俺が思わずへぇ~と言ってしまったのはこの後。
「春は小豆の皮が固いからこしあん、秋は柔らかいから粒あんにしたのよ」
と舟が続けるではないか。そーだったのか。知らんかった。
ついでに言うとノリスケが波平の甥に当たるというのも知らなかった。
核家族化が進行し、おじいちゃんおばあちゃんが不在の家庭にあって、
その代役を果たすのは誰あろう波平と舟に他ならない。素晴らしい。

場面は変わって、沢山出来たぼたもちを花沢さんの所へ届けに行くカツオ。
花沢さんと言えば恋のためにはちょっと強引な手段も厭わぬサザエさんきっての猛者だ。
カツオが持ってきたぼたもちに舌鼓を打ちながら、ものすごい一言を発した。
「これが磯野家の味か~私も覚えておかなきゃね、うふ♪」
すげえ。セクハラだ。いやもはやテロだ。
「ひえ~~」と逃げ帰るカツオのリアクションも容赦ないが、なお、
「すぐ照れるんだから~」と流してしまう花沢さんの器量にも驚かされる。

極めつけはラストの墓参りだ。
家族みんなでお墓にやってきて、ぼたもちを供え、草をむしる。
墓石に水をかける波平、つぶやいた台詞がコレ。
「タラちゃん、おじいちゃんにもこうしておくれよ~?」
言うか普通。5歳児に。
もちろん、そこはタラちゃん。
「はいです~」と言うが早いか、手を合わせている波平に背後から水をかけたのだった。

シュールだぜ、サザエさん。
勉強になったぜ。

stay

2005-03-20 05:36:51 | Rebirth作品解説
lyrics/ibuki music/Kyotaro
phrase 7 (00.9)

「人間とは利己的な存在であるから、自分の利益のために他人を裏切るのはごくあたりまえのことで責められない。他人を信じようとするから傷つくのであって、是非はさておき、ひとつの現実として、他人は究極的には信じられないのだと達観すれば、何事も平気だ」が持論の私。この憎たらしい男が考える、理想的な人間関係とは何かというところに触れたような気がしないでもない作品。結局のところどこまでも自分が自分がと思うからこそ、必要以上に気に病むのであって、力点を自分より自分の大切な「相手」に置いてみたらどうだろう、というのがいぶたろう禅師の考えるところの愛である。即ち「君が嘘をつくなら僕は信じてあげよう 君の話すことなら僕は騙されてあげよう」の境地である。私はこの曲を貰う前からこの一節をいつか使おうと思っていて、使うなら明るすぎず暗すぎず、自然にさらっと言い切れちゃうようなのがいいなあ、とか言ってたところにこの曲登場である。割とするすると出来上がっていった覚えがある。サビにしてもなかなか決まらなかったのが、ある日の夜勤明けにメロディを考えながら車を運転していたところ、信号待ちで目にした「こんなに清々しく晴れた気持ちのよい日に、空を見上げることもなく、ドブネズミのような灰色のスーツに身を包んで一心に会社を目指す人々の群れ」の光景により、一気に出来上がってしまったという調子である。焦るな、尖るな、生き急ぐな。うまくいかない時はあえて同じ所に留まっているのだってありだ。そんなポリシーを拠り所にしてきた私ではあるが、果たしてそれら世間の大多数の価値観にがんじがらめにされる生き方に背を向けて、自分で選んだ今の自分の在り方はこんなもんでいいのか?という自問も首をもたげてくる。このように、解説してみると結構生々しい歌である。ちなみにタイトルは歌詞をざっと一瞥した京太郎の「stay、って感じだねえ」という一言で決まった。どんぴしゃである。しかしシュンスケだけはこの曲を「すたい!」と呼ぶ。

ふたりのporchesh

2005-03-20 05:33:20 | Rebirth作品解説
lyrics&music/ibuki
non standard file (01.4)

「porchesh」は私の造語。意味は…説明するようなことでもないんだよね。
私の人生で大きな転機となったことを題材に、1日で書き上げた詞と曲だね。
「春のお別れ」のように、切ないけれどどこか温かい、
寂しいけれど前向きな、そういう詞を書きたかった。
しかし、いつでもそうだけど、私は自己満足だけでは歌詞を書かない。
決して良いものにならないからだ。
他の誰かが読んでも、心のどこかにかするように描き、
何らかの形で伝わるようにいつも心を配る。
そしてこれは説明の要もなく、
多くの人々に受け容れて貰えたので、嬉しかった。

butterfly

2005-03-20 05:27:12 | Rebirth作品解説
lyrics&music/Takashi
phrase 6 (00.5)

over againとカップリングで収録されたこの曲だが、マスターを管理しているのがバンド側ではないため、なかなか再リリースの機会を得ず、再録された前者とは対照的に「幻の名曲」のような位置づけに落ち着きつつある。タカシが歌詞も曲も手がけ、いずれも私がまったくタッチしていないという当時としては非常に珍しいケース。創作の背景など私が知る由もなく、気の利いた解説が書けないのが残念であるが、タカシらしい、ロマンチックな内容だとは思う。ひねくれ者の私には決して書けないし、実は歌ってて意味もよく解っていない。すまん。ちなみに、タカシのRebirth最後の作品となった。

over again

2005-03-20 05:24:11 | Rebirth作品解説
lyrics/ibuki music/Shunsuke
phrase 6 (00.5 original version)
オトノクスリ (02.1 power wrap version)
びっくり!しゃっくり!これっきりNIGHT vol.5 会場限定CD(03.4 remaster version)

"go straight ahead!"の収録中、スタジオにシュンスケが初めてこの曲のデモを持って来たその時、あまりの完成度の高さに、「これは今までのどの曲よりもRebirthを代表する作品に育つよ!」と言った記憶がある。その時はメロディが付いてなかったのだが、それでも十分に説得力を持った作品だった。これは是非相応しい歌詞とメロを付けねばなるまいと、えらく時間をかけて作り込んだ。その甲斐あってか、期待通りにRebirthの代表作に育ってくれて嬉しい限りである。オリジナル版は当時在籍していた制作会社Prime Directionの青山スタジオで収録。浜崎あゆみ、ELTらのアルバムも制作したという(別にこいつらはどうでもいいが)、プロ機材満載のスタジオでの作業に胸が躍ったものだ。こちらは2000年5月23日のライブでの限定配布となったため、耳にした人も少ないかもしれない。イヤホンからもれるようなノイズ音で始まるイントロに加え、中間部ではRebirth初にして、初の試みとしてラップが導入された。この英詞は収録当日に私が近くの本屋で辞書を買い込んできて書き上げたもの。急場しのぎにしては我ながら妙に良くできており、いぶたろうご自慢の「土壇場での集中力」とやらを窺わせる。今はいずこ。
その後ライブを重ねて主力に育ったこの曲をリメイク収録したオムニバス「オトノクスリ」収録版ではさらに欲張り、ライブでは既に定番となっていたwrap intro を導入したばかりか、右から左から往復びんたのように私の声が溢れ返るアレンジを施した。よく話すと意外に思われるのだが、あの低い声も含めて全て私の声である。それまでライブでは日替わりでエアロのwalk this wayやeat the richの詞の一部を拝借していた中間部のwrapも、さすがに音源ではそんなわけにもいかず、新たに書き下ろした。
思えばRebirthの代名詞のようなこの曲も、気付けば5年前の作品なんだなあ。とはいえ、いまだにライブアタマにインパクトが欲しいときはこれ。

歌声は誰のために

2005-03-20 05:15:29 | Rebirth作品解説
lyrics/ibuki music/Takashi
phrase 5 (99.9 original version)
go straight ahead! (00.4 Daigo&Kyotaro version)

innocent sfinker時代、夏休みの一週間の合宿で作り上げた思い出深い、切なすぎるバラード。とかいうとWinkみたいだな。デモでサビのコーラスラインを初めて聴いたその時に、ぱっとこのタイトルが浮かんだのを10年近く経った今でもよく覚えている。Rebirthでも1、2を争う難しい歌で、この曲をどれくらい歌いこなせるようになったかで成長がわかる、柱の傷とも言うべき曲。歌詞はそのまんま。すべてのバンドマンとその彼女に贈る。自分自身の夢と大切な人。恋愛は結局エゴのぶつかり合いであり、特に将来に何の保証もないバンドマンと、安定を求めてしまう相手との間には当然の如く軋轢が生じる。いつまでも夢にしがみついている彼が言う、根拠のない「明日」という言葉は、彼女にしてみればただの言い訳にしか聞こえないであろう。逆に彼との安定した生活、ささやかな幸せを望む彼女の言葉は、彼にしてみれば理解できない束縛にしか見えないのかもしれない。しかし、それぞれは幸せになるために必死なだけなのだ。それがお互いに理解できなければ二人は離れゆくしかない。まさかすぐ後に自分自身に降りかかるとはこの詞を書いた時点では予想だにしなかったがなあ…。
ま、そんな経験を積んだ私は原作から3年後、Rebirth版を作るに当たり、1番の歌詞を一部見直し、3番の歌詞を新たに書き下ろしたのだった。

golden beast

2005-03-20 05:05:54 | Rebirth作品解説
lyrics/Junichi,ibuki music/Takashi
phrase 5 (99.9 original version)
the best phrases(01.3 remaster version)

これもまたinnocent~時代からの曲。一度聴いただけで覚えられる、シンプルだがキャッチーなサビメロはタカシならではとも言うべきものだ。全体的にいささか単調な感もあった原曲に対し、Rebirthリメイク版では随所に重厚なアレンジが施され、ドラマチックな展開となっている。ライブではさらに様々なアレンジが加わり、両ギターの掛け合いソロがあったり、観客との掛け合いがあったり、ベースソロがあったりと、壮観である。歌詞はジュンイチが担当し、私が手を加えて完成した。漫画「うしおととら」がそのモチーフであるという裏話はジュンイチの大声のせいか余りにも有名。彼特有の言語感覚による「白い闇」「光放つ影」といった表現にいつもの如く難色を示した私だったが、ジュンイチはこの話を読めば、彼の書いた部分は細部に渡り説明がつくのだと、断じて譲らなかった。とっても感動的な話だからぜひ読んでくれという。けどまだ読んだことがない。サビでは気持ちや書きたいことを彼が私に伝え、二人三脚で書き上がったのだが、最近彼のHPを盗み見たところによると、自分が書いたところと同じ位気に入ってくれてたらしい。よかったよかった。

slight bright starlight

2005-03-20 05:00:49 | Rebirth作品解説
lyrics/ibuki music/Takashi
phrase 4 (99.6 original version)
the best phrases(01.3 remaster version)

ある日のスタジオでタカシが何気なく弾き始めたリフに目を付け、それを曲に出来ないかとセッションを始めたところ、その日の内に出来上がってしまった曲。例によって歌詞はしばらく待たねばならなかったが。とはいえ、セッションで出来上がった曲らしく、Rock'n Rollの骨太で荒削りな魅力に充ちている。当時はまだ英詞についてジュンイチの手助けを頼みにしており、サビ裏のコーラス英詞はジュンイチによるもの。歌詞は当時私がとても反感を持っていたある人物に対して書いたもので、彼に代表される、世の中にはびこる独善的な自称「良識派」「秩序派」の輩に対して言いたい放題言った内容となっている。私の大人げなさが光る一品である。Rebirthには時折私の精神状況に応じて、この手のアンチテーゼソングが入り混じる。が、リアルな気持ちがこもっている故か、評判は得てして良かったりする。

泡沫の日々のメロディ

2005-03-20 04:58:24 | Rebirth作品解説
lyrics&music/ibuki
phrase 4(99.6 original version)
non standard file (01.4 new version)

ファンの多くに支持を受ける「月の光」の様な曲をもう1曲書いてくれないかということで、私が送り出した曲。といっても私のこと、凡百のビジュアルみたいな曲にはしたくなくて、メロディを大切にしつつも、アレンジの際は極力重くメタルに仕上げて欲しいと演奏陣に注文を付けた。果たして出来上がったアレンジは重く硬く、それでいて疾走感に溢れ、実にきめ細やかでもある。さらにオムニバス収録時に念願のキーボードが加わったことで彩りはいっそう鮮やかなものとなった。私やジュンイチ、シュンスケに共通の先輩であり、私が尊敬して止まないスーパーキーボーディスト、マサル氏の功績である。数あるRebirth音源の内、今でも最高作の一つだと個人的に思う。オリジナル版ではジュンイチ案による長いイントロが付いており、対してオムニバス版ではイントロが短くなり、さらに歌詞やメロの一部にも手が加えられている。
タイトルは私の好きな鎌倉時代の古典「方丈記」の一節、「よどみにうかぶうたかたは かつきえかつむすびて ひさしくとどまりたるためしなし」から来ている。この世の何もかもは水の流れやそれに浮かぶ泡沫のごとく、流転変化し、いつまでも変わらないものはない、という仏教の「無常観」が私はとても好きで、いつかこの「泡沫」という言葉を遣って詞を書こうと思っていたのだ。しかしこれが難しくてなかなかその機会を得ず、困っていたのだが、この曲の歌詞が書けないでいたことが私に踏ん切りをもたらした。なるべくわかりやすいように、恋愛に投影して書いてみたのだが、やはり人が読むとえらく難しいものにも見えるらしく、今以てよく歌詞の意味を訊かれる。しかしライブハウスの外で若い女の子を捕まえて「いいか、仏教にな…」などと説教たれるのもどーにも気が引けるので、「いっぱい恋愛経験を経て、大人になればいつか解るよ」などと意味ありげに流してしまう情けないいぶたろうなのであった。

traces

2005-03-20 04:53:33 | Rebirth作品解説
lyrics/Junichi music/Junichi,ibuki
phrase 4(99.6 original version)
the best phrases (01.3 remaster version)

starsの成功に気をよくしたジュンイチと私のコンビが再び作り上げた、スタジオタツミコーポ最後の作品。ジュンイチが新たに曲を書いたから来いと言うので行ってみたら、何とイントロとアウトロしかないという。何ともジュンイチらしいなと思いつつキーボードをてけてけ弾き始めた私だったが、何故かアイデアがぽんぽんと湧きまくり、あっという間にAメロからサビ、ギターソロ裏の進行まで、僅か一日にして出来てしまったのである。コードの特性を活かした泣きメロがいかにも私らしく、今でもお気に入りの一品である。歌詞はジュンイチ。空を見るのが好きな彼は空の表情をみると、色々な事を教わる気がするという。彼が貧困のどん底にあえいだ亀戸での独り暮し時代、先の事も見えず、暗い気持ちでコンビニから帰るとき夕立にふられ、帰る先の自宅にはひとりきりという、気持ちまでがうちのめされそうになった体験。その真っ暗な雲は翌日には微塵も残らず、抜けるような夏の青空を見上げて、救われた気分になった体験。それらが元になっているそうだ。雨に濡れ始めたアスファルトから立ち上る蒸せ返るようなにおいには不思議と人をそわそわさせる効果があるように思うのだという。いずれにしても俺にはあまりない世界観であり、俺からはまず生まれない歌詞だと思う。人によって違うもんだなあと感じるコトしきり。

...this time

2005-03-20 04:48:11 | Rebirth作品解説
lyrics/ibuki music/Takashi(with Gen,Junichi,ibuki)
phrase 3 (99.3 original version)
go straight ahead! (00.4 Daigo&Kyotaro version)
the best phrases(01.3 remaster version)

これまた前述の「innocent sfinker」時代の代表曲で、当時のメンバー全員で作り上げた7分以上もの大作。曲全体に流れるあの印象的なリフをタカシが、サビのリフをジュンイチが、ギターソロの展開やコーラスワークをinnocentのベーシストだったゲンが、メロディを私が担当し、思いついたものをすべて突っ込んだのに不思議なくらい整然とまとまったような気がしてた曲。Rebirthでやることになって、シュンスケやダイゴの活躍により、よりロック色が前面に出たアレンジとなった。この曲はinnocent時代も含めて3回もレコーディングしており、それぞれに随分趣が違うのが面白い。いまみんなが聴けるのは2テイク。phrase 3ではBメロ裏のコーラス(♪lost side~)のみタカシが担当し、ギターソロもinnocent版を継いだ流れとなっている。go straight~では前ギタリスト京太郎加入による変化がそのままリフやギターソロに表れている。その他、コーラスパートもかなり増やしたのだが、ミックス処理中の不幸な事故により、コーラスが1トラック丸々抜けるという悲惨な結果となった。もともとphrase 3版の方が非常に出来が良かったので、これを埋もれさせる手はないなと私が「best phrases」制作の際に潜り込ませた。歌詞は日本語が私、英語がジュンイチ。過去に縛られてなかなか明日に向かって踏み出せない人へのメッセージをこめたのを、ジュンイチが端的に英語に凝縮して、実に見事にあのリフのメロディにのせてみせた。でも難しくて歌えるようになるまでに1ヶ月くらいかかったなあ。

teddy song

2005-03-20 04:42:59 | Rebirth作品解説
lyrics/ibuki music/Shunsuke
phrase 3 (99.3 original version)
go straight ahead! (00.4 Daigo&Kyotaro version)

シュンスケがRebirthで初めて書いた曲。これもまた伝説の聖地スタジオタツミコーポで産声を上げた。産婆はジュンイチ。さらに私が2~3箇所コード等の手直しをして、メロをのせて完成した。シュンスケお得意の16の細かいカッティング、柔らかい歌に続いて、重いドラムと明快なリードギターの不思議な調和が独特な味を見せる。ギターソロラストのドラムとのユニゾンは圧巻。歌詞に関しては最初、タカシあたりから「応援ソング」を作ってみてはと言われており、ポジティブな歌詞が苦手な俺は苦戦を強いられていたのだが、ひょんなことから書き上げてしまう。この頃はちょうどRebirthにファンが付き始めた時期で、ファンとの色んな話が創作のきっかけにつながるようになり、その第一作がこれというわけ。会社に毎日通うだけの生活が息苦しく、どうしても空虚な感じがしてしまうというファンの話から、そういう人々を元気づけるような歌詞は書けないものか、と取り組んだもの。

the last song

2005-03-20 04:39:01 | Rebirth作品解説
lyrics/ibuki music/Takashi
phrase 2 (98.12 original version)
the best phrases(01.3 remaster version)

同じく、innocent sfinker時代の曲。innocent~の時はもっと軽い8ビートだったのだが、Rebirthで手がけるに当たり、16のニュアンスを含ませたアレンジとなった。ギターソロはタカシ、イントロ・アウトロでのリードはシュンスケが担当しているが、当時の両者の色合いがそれぞれに味わい深い。レコーディングでは何故か1箇所だけどーしてもコーラスパートの音が取れないところがあり、タカシにやってもらったのを覚えている。
歌詞は私が生まれ育った大阪を訪ね、通っていた小学校やら住んでいた家やらを見て回り、さらには子供の頃にお互い初めて好きになった女の子と10年ぶりに再会したりした時に、色々と感じたことを綴った詩だったりする。なんせ子供の頃の思い出だからとっても純粋で、お互い大人になってそれぞれに今は自分の道があって、その上で何だかとてもいい友達になれて、お互いにエールを送ったりできたことが嬉しくてね。昔の環境や人々と再会して、明日へ進むために昨日に力を貰い、「去りゆくもの・変わるもの・変わらないもの」に対する感傷をこれからの自分の糧として消化できるか、そういうテーマで書き出したのだ。だから実は悲しい詩ではないのだ。悲しくはないのだ、と自分に言い聞かせる詩なのかも知れない。恋愛にも限らないし。まあ、「お別れ」はよくテーマにするところなのだけど、実は私は「お別れ」というのがとても辛くて苦手なのだ。めぐりめぐっていつかはどこかでみんなまた会えるのだ、だから悲しくなんかないのだ、と自分に言い聞かせるような、そんな歌詞を書いてしまう。
この曲はRebirthを昔から知る人の間ではずっと人気があり、そのせいか最近復権。2004年7月27日新宿ライブフリークでのファン感謝イベントでアコースティックアレンジを披露したのをはじめ、年末の4daysイベントでもオオトリを飾った。